循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:279

中等度虚血性MRへのCABG+僧帽弁形成術、2年時点の結果/NEJM

 中等度の虚血性僧帽弁閉鎖不全症(MR)に対する冠動脈バイパス移植術(CABG)単独手術vs.CABG+僧帽弁形成の併用手術について検討したCTSN(Cardiothoracic Surgical Trial Network)による無作為化試験の、2年アウトカムの結果が米国・マウントサイナイ医科大学のR.E. Michler氏らにより発表された。左室逆リモデリングの有意差は認められず、併用群ではより多くの弁修復が認められたが、単独群と比較して生存の改善、全有害事象や再入院の減少に関する有意差は認められず、一方で神経学的合併症や上室性不整脈の早期発生リスク増大が確認された。本検討については1年時点の評価報告でも、左室収縮終末期容積係数(LVESVI)や生存率の有意差はみられず、有害事象も併用群で多かったが中等度~重度MRの有病率低下がみられ、長期アウトカムの結果における変化が期待されていた。NEJM誌オンライン版2016年4月3日号掲載の報告。

院外心停止に対するアミオダロン vs.リドカイン vs.プラセボ/NEJM

 電気的除細動抵抗性の心室細動(VF)または無脈性心室頻拍(VT)の院外心停止患者に対し、アミオダロンまたはリドカインの投与はプラセボと比較して、生存率や良好な神経学的アウトカムの改善に結び付かないことが、約3,000例を対象とした無作為化二重盲検試験の結果、示された。難治性ショックVF/VTの院外心停止患者に抗不整脈薬が投与されるのは一般的になっているが、生存ベネフィットは実証されていなかった。NEJM誌オンライン版2016年4月4日号掲載の報告。

心房細動患者の出血リスク予測に有用な新規スコア/Lancet

 心房細動患者の抗凝固薬治療に伴う出血リスクを予測するのに有用な新たなスコアが開発された。バイオマーカーベースの「ABC出血リスクスコア」と名付けられたこのスコアは、年齢(Age)、バイオマーカー(Biomarkers)、病歴(Clinical history)の、5つの予測変数(年齢、cTnT-hs、GDF-15[growth differentiation factor-15]、ヘモグロビン、出血歴)から成る。スウェーデン・ウプサラ大学のZiad Hijazi氏らが開発したもので、検証試験の結果、これまでのHAS-BLEDスコアやORBITスコアよりもパフォーマンスに優れていることが示された。著者は「ABC出血リスクスコアを、心房細動患者の抗凝固薬治療に関する意思決定支援に活用すべきである」と報告している。Lancet誌オンライン版2016年4月4日号掲載の報告。

虚血性心筋症、CABG+薬物治療で生存ベネフィット改善/NEJM

 虚血性心筋症の患者に対し、冠動脈バイパス術(CABG)と薬物治療を併用することで、薬物治療のみの場合に比べ、約10年間の全死因死亡率(主要アウトカム)、心血管死亡率や全死因死亡または心血管系が原因の入院の発生率(副次アウトカム)は、いずれも2~3割有意に減少することが示された。米国・デューク大学のEric J. Velazquez氏らが、約1,200例の患者を対象に行った無作為化比較試験STICHESの結果、明らかにしNEJM誌オンライン版2016年4月3日号で発表した。薬物治療のみと比較したCABG+薬物治療の生存ベネフィットは、冠動脈疾患、心不全、および重篤な左室収縮機能障害を有する患者については不明であった。

中等度リスク患者へのスタチン+降圧薬治療の効果は?/NEJM

 心血管疾患既往のない、心血管イベントリスクが中等度の患者に対し、ロスバスタチンと、カンデサルタン+ヒドロクロロチアジドを投与しコレステロール値と血圧値を下げることで、主要心血管イベントリスクは約3割減少することが示された。カナダ・Population Health Research InstituteのS. Yusuf氏らが、約1万3,000例を対象に行った無作為化プラセボ対照二重盲検試験HOPE-3の結果、明らかにした。NEJM誌オンライン版2016年4月2日号掲載の報告。

院内心停止、早期アドレナリン投与で転帰不良/BMJ

 ショック適応心停止の院内患者について、50%超が初回除細動後2分以内にアドレナリンを投与されている実態が、米国ベスイスラエル・ディーコネス医療センターのLars W Andersen氏らによる調査の結果、判明した。また、早期にアドレナリン投与を受けた患者は、生存退院、心拍再開、機能的アウトカム良好での生存退院のオッズ比が低いことも明らかになった。これまで、心肺蘇生におけるアドレナリン投与の有効性について、とくに早期投与の効果については明らかになっていなかった。BMJ誌オンライン版2016年4月6日号掲載の報告。