循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:282

薬物有害事象による救急受診、原因薬剤は?/JAMA

 米国において2013~14年の薬物有害事象による救急外来受診率は、年間1,000例当たり4件で、原因薬剤として多かったのは抗凝固薬、抗菌薬、糖尿病治療薬、オピオイド鎮痛薬であった。米国疾病予防管理センターのNadine Shehab氏らの分析の結果、明らかになった。米国では、2010年の「患者保護および医療費負担適正化法(Patient Protection and Affordable Care Act :PPACA)」、いわゆるオバマケアの導入により、国家的な患者安全への取り組みとして薬物有害事象への注意喚起が行われている。結果を受けて著者は、「今回の詳細な最新データは今後の取り組みに役立つ」とまとめている。JAMA誌2016年11月22・29日号掲載の報告。

エボロクマブ、アテローム体積率を減少/JAMA

 スタチン服用のアテローム性動脈硬化症の患者に対する、プロ蛋白転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)阻害薬エボロクマブ(商品名:レパーサ)の投与は、LDL-C値を低下し、アテローム体積率を減少することが示された。プラーク退縮が認められた患者の割合も、エボロクマブ投与群で高率だった。オーストラリア・アデレード大学のStephen J. Nicholls氏らが行った、多施設共同のプラセボ対照無作為化二重盲検比較試験「GLAGOV」の結果で、JAMA誌2016年11月15日号で発表した。スタチン服用患者におけるPCSK9阻害薬のLDL-C値の低減効果は知られていたが、冠動脈アテローム性硬化症に対する効果は不明だった。

冠動脈石灰化、低リスク女性の心血管疾患リスク予測精度を向上/JAMA

 アテローム動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)のリスクが低い女性の約3分の1に冠動脈石灰化(CAC)が認められ、CACはASCVDのリスクを高め、従来のリスク因子に加えると予後予測の精度をわずかに改善することが、オランダ・エラスムス大学医療センターのMaryam Kavousi氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌2016年11月22日(オンライン版2016年11月15日)号に掲載された。米国心臓病学会(ACC)/米国心臓協会(AHA)の予防ガイドラインに基づく、心血管疾患(CVD)の低リスク女性の予防戦略の導出におけるCAC検査の役割は、明らかにされていないという。

PCI中のランジオロール早期投与、最適再灌流やアウトカムに好影響

 ST上昇急性心筋梗塞(STEMI)の経皮的冠動脈インターベンション(PCI)中におけるランジオロールの早期静脈内投与は、非投与群と比較して、最適再灌流の達成率が有意に高く、急性心筋梗塞によりKillip分類のGrade3(重症心不全)や4(心原性ショック)へ進行した患者の割合も有意に低いことが、横浜市立大学の清國 雅義氏らによる研究で明らかになった。International Journal of Cardiology誌2016年10月15日号の報告。

急性心筋梗塞後の心原性ショックに対する循環サポートの比較―Impella vs.IABP

 治療の進歩にもかかわらず、急性心筋梗塞による心原性ショックの死亡率は依然高いままである。短期間の循環補助デバイスは急性期の血行動態を改善するもので、大動脈内バルーンパンピング(IABP)は過去数十年にわたって最も広く使用されてきたが、急性心筋梗塞後の心原性ショックに対する有用性は、大規模ランダム化試験では明らかになっていない。

進行心不全への新規遠心流ポンプ、軸流ポンプより予後良好/NEJM

 進行心不全患者への完全磁気浮上遠心流ポンプ植込み術は、軸流ポンプに比べポンプの不具合による再手術の割合が低く、良好な転帰をもたらすことが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院心血管センターのMandeep R. Mehra氏らが行ったMOMENTUM 3試験で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2016年11月16日号に掲載された。連続流左心補助人工心臓により、進行心不全患者の生存率が改善しているが、ポンプ血栓症の発現がみられる。血栓症を回避するために、新たな磁気浮上遠心連続流ポンプが開発された。

CABGにおける内胸動脈の使用、両側 vs.片側/NEJM

 冠動脈バイパス術(CABG)における両側内胸(乳)動脈の使用と、片側内胸動脈+静脈グラフトの使用について、5年フォローアップの結果、死亡率や心血管イベント発生率について、有意な差はみられなかった。縦隔炎の発生は、両側群のほうが片側群よりも多く認められた。英国・オックスフォード大学のDavid P. Taggart氏らART研究グループが、多施設共同無作為化試験の結果、報告した。これまで観察試験のプール解析において、両側内胸動脈の使用のほうが長期アウトカムを改善する可能性が示されていた。しかし、手技が複雑、縦隔炎リスクが高い、無作為化試験によるエビデンスが不足しているとの理由から、両側内胸動脈の使用は、広く採用されていなかった。NEJM誌オンライン版2016年11月14日号掲載の報告。

PCI後の心房細動患者、リバーロキサバン+抗血小板薬は有効か/NEJM

 ステント留置により冠動脈インターベンション(PCI)を受けた心房細動患者に対し、低用量のリバーロキサバン(商品名:イグザレルト)+P2Y12の12ヵ月間投与、および超低用量リバーロキサバン+2剤併用抗血小板療法(DAPT)の1、6、12ヵ月投与はいずれも、標準療法のビタミンK拮抗薬+DAPT(P2Y12+アスピリン)の1、6、12ヵ月投与と比べて、臨床的に有意に出血リスクを抑制することが示された。有効性については3群で同等だった。米国・ハーバード・メディカル・スクールのMichael C. Gibson氏らが行った2,124例を対象とした無作為化試験の結果で、NEJM誌オンライン版2016年11月14日号で発表された。標準療法のビタミンK拮抗薬+DAPTは、血栓塞栓症および脳卒中のリスクを抑制するが、出血リスクを増大する。抗凝固薬リバーロキサバン+抗血小板薬(単剤または2剤併用)の有効性、安全性は確認されていなかった。

完全磁気浮上型HeartMate IIIは第4世代のLVADとなるか?(解説:絹川 弘一郎 氏)-617

植込み型左室補助人工心臓LVADは、第1世代の拍動流型、第2世代の軸流ポンプ型、第3世代の遠心ポンプ型に分類されることが多い。内科治療抵抗性の重症心不全に対して、REMATCH試験という金字塔を打ち立てた第1世代の拍動流型HeartMate Iは、第2世代のHeartMate IIに瞬く間に駆逐されたが、2008年以来世界中で植込まれ、現在でもベストセラーとなっているのは実はそのHeartMate IIのままである。より新しい技術と考えられた第3世代の遠心ポンプ型で、動圧浮上と磁気浮上を組み合わせたHVADは、ADVANCE試験の結果をみると脳血管障害やポンプ血栓症などの重大合併症はHeartMate IIと同等かむしろ多いという結果で、第3世代が第2世代を凌駕するには至っていない。