循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:218

夜間高血圧に対するARB/CCB併用の効果をICTモニタリングで証明~日本循環器学会

 夜間血圧の上昇は心血管イベントの増加につながることから、近年、夜間血圧が注目されている。自治医科大学の星出 聡氏は、2017年3月17~19日に行われた第81回日本循環器学会学術集会のLate Breaking Clinical Trialセッションにおいて、情報通信技術(ICT)による夜間血圧モニタリングによって、コントロール不能な夜間高血圧症に対する2パターンのアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)併用療法を評価したNOCTURNE試験の結果を報告した。この結果は、Circulation Journal誌に同時掲載された。

リバーロキサバン、国内最大規模のリアルワールドエビデンス~日本循環器学会

 日本におけるリバーロキサバン(商品名:イグザレルト、バイエル薬品株式会社)の特定使用成績調査であるXAPASSの解析結果が、3月17~19日に金沢市で開催された第81回日本循環器学会学術集会にて発表された。本調査では脳卒中または全身性塞栓症の発症抑制を目的にリバーロキサバンを投与された非弁膜症性心房細動患者、1万例超が2012年4月から約2年間に登録された。

冠動脈疾患と脳卒中における危険因子の違い

 冠動脈疾患(CHD)と脳卒中には共通のリスク因子があるが、CHDと脳卒中との関連の大きさや向きが異なる因子がある。藤田保健衛生大学の松永 眞章氏らは、アジア人におけるCHDと脳卒中による死亡において、各リスク因子による影響が異なるかどうかを、日本人の大規模コホート研究であるJACC(Japan Collaborative Cohort)Studyで検討した。その結果、高血圧との関連は一致したが、喫煙や糖尿病など他のリスク因子については一致しなかった。Atherosclerosis誌オンライン版2017年3月6日号に掲載。

脳卒中発症AF患者の8割強、適切な抗凝固療法を受けず/JAMA

 抗血栓療法は心房細動患者の脳卒中を予防するが、地域診療では十分に活用されていないことも多いという。米国・デューク大学医療センターのYing Xian氏らPROSPER試験の研究グループは、急性虚血性脳卒中を発症した心房細動患者約9万5,000例を調査し、脳卒中発症前に適切な経口抗凝固療法を受けていたのは16%に過ぎず、30%は抗血栓療法をまったく受けていない実態を明らかにした。JAMA誌2017年3月14日号掲載の報告。

日本人の心房細動患者に適した脳梗塞リスク評価~日本循環器学会

 日本人の非弁膜症性心房細動(AF)患者の心原性脳塞栓症リスク評価において、脳卒中の既往、高齢、高血圧、持続性心房細動、低BMIの5つの因子による層別化が、従来のCHADS2スコアやCHA2DS2-VAScスコアによる層別化よりリスク予測能が高いことが報告された。本研究は、日本医療研究開発機構(AMED)の支援による、層別化指標の確立を目的とした共同研究であり、第81回日本循環器学会学術集会(3月17~19日、金沢市)のLate Breaking Cohort Studiesセッションで弘前大学の奥村 謙氏が発表した。

PCI後のDAPT期間決定に有用な新規出血リスクスコア/Lancet

 スイス・ベルン大学のFrancesco Costa氏らは、簡易な5項目(年齢、クレアチニンクリアランス、ヘモグロビン、白血球数、特発性出血の既往)を用いる新しい出血リスクスコア「PRECISE-DAPTスコア」を開発し、検証の結果、このスコアが抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)中の院外での出血を予測する標準化ツールとなりうることを報告した。著者は、「包括的に臨床評価を行う状況において、このツールはDAPT期間を臨床的に決める支援をすることができるだろう」とまとめている。アスピリン+P2Y12阻害薬によるDAPTは、PCI後の虚血イベントを予防する一方で、出血リスクを高める。ガイドラインでは、治療期間を選択する前に出血リスクの高さを評価することを推奨しているが、そのための標準化ツールはこれまでなかった。Lancet誌2017年3月11日号掲載の報告。

心房細動検出機能を搭載したシングルチャンバ植込みICDを販売開始:メドトロニック

 日本メドトロニック株式会社(本社:東京都港区、 代表取締役社長:島田隆)は、 2017年3月1日、 心房細動(AF)検出の診断機能を搭載したシングルチャンバの植込み型除細動器(以下ICD)「Visia AF MRI ICDシリーズ(ヴィジア エーエフ エムアールアイ アイシーディーシリーズ)」(以下「Visia AF」)の販売を開始した。

Core Valve、日本人重度ASにおける中間成績~日本循環器学会

 大阪大学の鳥飼慶氏らは、2017年3月17~19日に行われた第81回日本循環器学会学術集会のLate Breaking Clinical Trialセッションにおいて、高リスクの重度大動脈弁狭窄症(AS)における自己拡張型大動脈置換弁Core Valveの前向き多施設研究CoreValve Japan試験の中間成績を報告した。この結果は、Circulation Journal誌に同時掲載された。

RAS阻害薬によるクレアチニン値増加、30%未満でもリスク/BMJ

 RAS阻害薬(ACE阻害薬またはARB)服用開始後のクレアチニン値の上昇は、ガイドラインで閾値とされる増大幅が30%未満であっても、末期腎不全や心筋梗塞などの心・腎臓有害イベントや死亡リスクが漸増する関連があることが明らかにされた。クレアチニン値10%未満との比較で、10~19%の増加で死亡リスクは約1.2倍に、20~29%の増加で約1.4倍に増大することが示されたという。英国・ロンドン大学衛生熱帯医学校のMorten Schmidt氏らが、RAS阻害薬(ACE阻害薬・ARB)の服用を開始した12万例超について行ったコホート試験の結果、明らかにした。BMJ誌2017年3月9日号掲載の報告。

日本における急性心筋梗塞のDoor to Balloon Time、90分を切るためには

 ST上昇型心筋梗塞(STEMI)の管理において、90分以内のDoor to Balloon Time(DTBT)は重要な指標となるが、とくに米国や欧州以外の国では、多くの患者がこの目標を達成していない。慶應義塾大学の池村 修寛氏らは、国内の現状とDTBT遅延の予測因子について分析を行った。Circulation journal誌オンライン版2017年2月23日号の報告。