外科/乳腺外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:177

早期乳がんにおける「温存」vs「切除」、疾患特異的生存率を直接比較

 乳房温存療法と乳房切除術の生存率を直接比較する最近の研究はあまりない。米ミシガン大学のShailesh Agarwal氏らは、同年代の患者コホートを用いて、乳房温存療法、乳房切除術単独、もしくは放射線治療を伴う乳房切除術を受けた13万人超の早期浸潤性乳管がん患者の乳がん特異的生存率を比較した。その結果、乳房温存療法を受けた患者のほうが、乳房切除術単独もしくは放射線治療を伴う乳房切除術で治療された患者と比べて、乳がん特異的生存率が高いことが示された。JAMA surgery誌オンライン版2014年1月15日号に掲載。

日本人女性における大豆摂取と乳がんリスク:系統的レビュー

 日本人女性における大豆摂取と乳がんリスクの関連について、「がん予防法の開発と評価」研究班が疫学的研究をレビューし、その結果をJapanese journal of clinical oncology誌オンライン版2014年1月22日号に報告した。本論文は、健康に関連した生活スタイルとがんとの関連について、既存のエビデンスを評価したレポートの1つである。今回の結果から、著者の岐阜大学教授 永田千里氏らは「日本人女性においては大豆摂取が乳がんリスクをおそらく減少させるだろう」と結論した。

大腸がん術後の定期検査、全死亡率を減少させず/JAMA

 原発性大腸がんで根治目的の手術後、定期的にがん胎児性抗原(CEA)検査やCT検査を実施しても、症状がある時のみ診察するという最少のフォローアップに比べ、死亡率は減少しないようだ。一方で、再発した大腸がんに対する根治目的手術の実施率は、定期的にCEA検査やCT検査を行った群で有意に高率だった。英国・サウサンプトン大学のJohn N. Primrose氏らが行った無作為化前向き比較試験の結果、明らかにした。JAMA誌2014年1月15日号掲載の報告より。

KRAS変異型大腸がんリスクに食品中のアクリルアミドが関連

 炭水化物を多く含む材料を加熱調理した食品に含まれるアクリルアミドは、ヒトでの発がん性があると推定されている。これまで、アクリルアミド摂取量と大腸がんリスクとの間に明確な関連性を示す疫学的研究はないが、その理由として大腸がんにおける分子生物学的不均一性が考慮されていなかった可能性がある。アクリルアミド代謝物であるグリシドアミドは、げっ歯類において特定のDNA変異を誘導することから、オランダ・マーストリヒト大学のJanneke GF Hogervorst氏らは、アクリルアミドが、大腸がんの発がんkey遺伝子であるKRASおよびAPCの変異による大腸がんリスクと関連しているかどうかを検討した。Carcinogenesis誌オンライン版2014年1月7日号に掲載。

アロマターゼ阻害薬、高リスクの閉経後女性の乳がんを予防/Lancet

 乳がんのリスクが高いと判定された閉経後の女性では、アロマターゼ阻害薬(AI)アナストロゾール(商品名:アリミデックスほか)の予防投与により、乳がんの発症が大幅に抑制され、有害事象の発現も十分に許容できるものであることが、英国・ロンドン大学クイーンメアリー校のJack Cuzick氏らが実施したIBIS-II試験で示された。乳がんは女性のがんの中で最も頻度が高く、2008年には世界で約1,400万人の女性が新たに乳がんと診断されている。AIは、閉経後女性において乳がんの再発および対側乳房の新規腫瘍の発生を予防することが報告されている。本報告は、サンアントニオ乳がんシンポジウム(12月10~14日、米国、サンアントニオ市)で発表され、Lancet誌オンライン版2013年12月12日号に掲載された。

道路や鉄道の騒音は乳がんリスクを増大させる?

 交通騒音への曝露はストレスや睡眠障害につながる。一方、自己申告による睡眠時間と乳がんリスクに関する研究の結果には一貫性がない。デンマークがん協会研究センターのMette Sorensen氏らは、デンマークの人口ベースのコホートにおいて、居住地における道路や鉄道の交通騒音と乳がんリスクの関連を検討した。その結果、交通騒音によりエストロゲン受容体陰性乳がんのリスクが増大する可能性が示唆された。ただし著者らは「本研究は交通騒音と乳がんに関する最初の研究であり、これらの結果は慎重に扱われるべき」としている。International Journal of Cancer誌オンライン版2013年11月8日号に掲載。

植込み型補助人工心臓と血栓症/NEJM

 米国・クリーブランドクリニックのRandall C. Starling氏らは、著者の施設を含めた3施設で行った調査の結果、植込み型補助人工心臓「HeartMate II」について、デバイスに関連したポンプ血栓症の発生が増加しており、病的状態や死亡と大きく関連していることが明らかになったと報告した。HeartMate IIの重要試験および市販後臨床試験の結果では、血栓症の発生は2~4%と報告されているが、著者の施設の質的レビューで、ポンプ血栓症の発生が予想外に突然、増大していることが観察され本検討を行ったという。NEJM誌オンライン版2013年11月27日号の掲載報告より。

切除不能大腸がんの化学療法の選択に遺伝子解析は有効か~FOLFOX or FOLFIRI

 切除不能大腸がんの一次治療における化学療法のレジメンとして、それぞれの患者さんにFOLFOXとFOLFIRIのどちらが適切なのかを化学療法開始前に知ることはできないだろうか。韓国・亜洲大学医学部のDo Yoon Kim氏らは、切除不能大腸がん患者において、従来の治療群と、治療前遺伝子解析による計画治療群とで奏効率を比較した。その結果、治療前遺伝子解析による計画治療群、とくにFOLFOX治療患者において、奏効率の改善が認められた。Journal of Surgical Oncology誌オンライン版2013年12月7日号に掲載。