膠原病・リウマチ科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:18

全身性硬化症に有用な新たなバイオマーカー/NEJM

 全身性硬化症の発症リスクや進行予測および合併症有無のバイオマーカーとして、形質細胞様樹状細胞に発現するCXCL4値の測定が有用であることが、米・ボストン大学のL. van Bon氏らによる検討の結果、示された。形質細胞様樹状細胞は、I型インターフェロン産生を事前に示唆するという機序により、全身性硬化症の病因に関連することが知られていた。研究グループは、健常者および臨床像が異なる全身性硬化症患者の形質細胞様樹状細胞を用いて、同細胞の役割を特定することを試みた。NEJM誌オンライン版2013年12月18日号掲載の報告より。

RA初期のアダリムマブ併用、アウトカムを改善/Lancet

 発症1年未満の初期の関節リウマチ(RA)に対し、生物学的製剤アダリムマブ(商品名:ヒュミラ)をメトトレキサート(MTX、商品名:リウマトレックスほか)と併用して用いることは、長期的ベネフィットがあることが示された。臨床・機能・構造的アウトカムの改善達成はMTX単独と変わらず、低疾患活動性の達成割合はMTX単独群よりも高く、治療初期に併用治療に反応した患者では、その後アダリムマブ投与を中止しても、投与を継続した群とアウトカムはほぼ変わらなかったという。オーストリア・ウィーン大学のJosef S Smolen氏らが「OPTIMA試験」の結果、報告した。Lancet誌オンライン版2013年10月25日号掲載の報告より。

統合失調症では自己免疫疾患リスクが1.53倍

 自己免疫疾患を有する者、およびわずかでも有意な自己免疫疾患の家族歴を有する者において、統合失調症のリスクが増加することが、これまでの研究で示されている。デンマーク・オーフス大学のMichael E. Benros氏らは、統合失調症と自己免疫疾患との関連、および感染症の影響について検討を行った。その結果、統合失調症患者では自己免疫疾患を続発するリスクが高く、罹患率が1.53倍であること、感染症は自己免疫疾患の発症に、より大きく関与していることが示唆されたことを報告した。American Journal of Psychiatry誌オンライン版2013年10月16日号の掲載報告。

B細胞除去療法はANCA関連血管炎のスタンダードな治療となるか?(コメンテーター:杉原 毅彦 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(140)より-

 主要臓器障害を伴うAntineutrophil cytoplasmic antibody(ANCA)関連血管炎の治療はステロイド療法とシクロホスファミド(CY)により寛解導入を行い、再発率を減らすためにアザチオプリン(AZA)やメトトレキサートなどの免疫抑制剤で維持療法することが主流であるが、B細胞を標的とする生物学的製剤のリツキシマブとステロイドによる6ヵ月後の寛解導入率はステロイド+CYと同等であること、再発例ではリツキシマブのほうが有効であることが、2010年にランダム化比較試験(RCT)により検討された。

肺動脈性肺高血圧症に新薬の有効性が示される―新規デュアルエンドセリン受容体拮抗薬―/NEJM

 肺動脈性肺高血圧症(PAH)の治療において、マシテンタン(国内未承認)はイベント発生および死亡を有意に抑制することが、メキシコ・Ignacio Chavez国立心臓研究所のTomas Pulido氏らが行ったSERAPHIN試験で示された。現行のPAH治療薬(エンドセリン[ET]受容体拮抗薬、ホスホジエステラーゼ5[PDE5]阻害薬、プロスタサイクリンなど)は、運動耐容能を主要評価項目とする短期的な試験(12~16週)に基づいて臨床導入されているという。デュアルET受容体拮抗薬マシテンタンは、ET受容体拮抗薬ボセンタンの化学構造を改良して有効性と安全性を向上させた新規薬剤で、受容体結合時間の延長と組織透過性の増強を特徴とする。NEJM誌2013年8月29日号掲載の報告。