呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:331

アストラゼネカ、肺がん免疫併用療法で提携を発表

 アストラゼネカは、8月5日、自社のグローバルバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンと、ドライバー遺伝子およびエピジェネティックに特化するオンコロジー専門企業Mirati Therapeutics, Inc.(本社:米国カリフォルニア州、以下、Mirati社)が臨床試験に関する独占的提携を締結したことを発表した。当該第I/II相試験では、メディミューンの治験薬である抗PD-L1免疫チェックポイント阻害剤durvalumab(MEDI4736)とMirati社の治験薬であるスペクトラム選択性ヒストンデアセチラーゼ(ヒストン脱アセチル化酵素)(HDAC)阻害剤mocetinostatとの併用療法について、安全性および有効性を評価する。

H7N9インフルワクチン、最も力価が高まる製剤は?/JAMA

 不活化単価H7N9インフルエンザワクチンについて、AS03およびMF59アジュバント製剤の2回接種が免疫応答を高めること、最も高力価を示したのはAS03アジュバント製剤であったことが、米国・Group Health Research InstituteのLisa A. Jackson氏らによる第II相二重盲検無作為化試験の結果、報告された。JAMA誌2015年7月21日号掲載の報告より。

急速な経年的1秒量低下はCOPD発症の必須要素か?(解説:小林 英夫 氏)-393

 慢性閉塞性肺疾患(COPD)では、1秒量の経年的低下が正常者より急速であるという見解が従来の定説だった。1977年にFletcher氏によって報告され、その後、改変図がさまざまに引用されてきた。筆者もFletcher説を学び、厚労省サイトにも掲載されている。今回のLange論文は定説であったFletcher論文に一石を投じたもので、強い印象を与える。COPD発症には、当初からの1秒量(FEV1)低値も重要であって、急速なFEV1減少だけが必須の特性とは限らないと、コペンハーゲン大学 Peter Lange氏らは結論している。

喫煙でCKD患者の死亡リスクが大幅に上昇

 慢性腎臓病(CKD)と喫煙が心血管疾患に及ぼす複合的な影響度や性質については、ほとんど知られていない。これらを日本人集団で検討するために、北海道大学の中村 幸志氏らは、8コホート研究に登録された40~89歳の男性1万5,468人および女性1万9,154人のプール分析を行った。その結果、CKDと喫煙が重なると、全死因および心血管疾患による死亡リスクが大幅に上昇する可能性が示唆された。Kidney International誌オンライン版2015年7月22日号に掲載。

新しいがん免疫療法、これまでと何が違う?~肺がん医療向上委員会

 7月27日(月)、都内で第8回肺がん医療向上委員会が開催された。その中で、委員長である中西 洋一氏(九州大学大学院医学研究院臨床医学部門内科学講座呼吸器内科学 教授)が、注目を集める新しいがん免疫療法について、これまでの免疫療法との違い、抗PD-1抗体薬の試験成績と今後の課題について講演した。

市中肺炎の入院例における年齢・病原体を調査/NEJM

 米国疾病管理予防センター(CDC)のSeema Jain氏氏らは、市中肺炎による入院について詳細な調査を行った。その結果、高齢者で入院率が高いこと、最新の検査法を駆使したが大半の患者で病原体を検出できなかったこと、一方で呼吸器系のウイルス感染が細菌感染よりも検出頻度が高かったことなどを報告した。米国では、市中肺炎が成人の感染症による入院および死亡の要因であることは知られていたが、詳細は不明であった。NEJM誌オンライン版2015年7月14日号掲載の報告。

急速な1秒量低下は、COPDに必須の特性か/NEJM

 慢性閉塞性肺疾患(COPD)の発症には、成人早期における1秒量(FEV1)の低下が重要であり、加速度的なFEV1の減少は必須の特性ではないことが、デンマーク・コペンハーゲン大学のPeter Lange氏らの検討で示された。COPDは、従来、加齢に伴い肺機能が急速に低下することで発症すると考えられてきた。しかし、観察研究などでは、とくに気流制限が最も重篤なCOPD患者において、FEV1にばらつきがみられたり、低下の程度が予想よりも小さい場合があることが報告されていた。NEJM誌2015年7月9日号掲載の報告より。

ワルファリン延長投与、中止後も効果は持続するか/JAMA

 6ヵ月間の抗凝固治療を受けた特発性肺塞栓症の初発患者に対し、さらに18ヵ月間のワルファリン投与を行うと、とくに静脈血栓塞栓症の再発リスクが大きく改善されるが、治療を中止するとこのベネフィットは消失することが、フランス・ブレスト大学医療センターのFrancis Couturaud氏らが進めるPADIS-PE試験で示された。本症に対する抗凝固療法を3~6ヵ月で中止すると、一時的なリスク因子(手術など)に起因する静脈血栓塞栓症よりも再発リスクが高くなる。これらの高リスク集団に、さらに3~6ヵ月の延長治療を行うと、治療継続中は再発リスクが抑制されるが、治療中止後もこの効果が持続するかは不明だという。JAMA誌2015年7月7日号掲載の報告。