呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:329

フルオロキノロンは重篤不整脈リスクを増大しない/BMJ

 経口フルオロキノロン系薬の服用は、重篤な不整脈リスクを増大しない。これまでとは異なる所見が得られたことを、スウェーデン・ルンド大学のMalin Inghammar氏らがコホート研究の結果、報告した。デンマークとスウェーデンの2国住民を対象に、経口フルオロキノロン治療の関与を、不整脈誘発作用のないペニシリンV使用との比較で調べた結果、明らかになったものだという。BMJ誌オンライン版2016年2月26日号掲載の報告。

電子カルテ時代に抗菌薬不適切使用を減らす手法はあるか?(解説:倉原 優 氏)-484

当然ながら、上気道感染症のほとんどに抗菌薬の処方は不要とされている。しかしながら、多くの病院やクリニックでは、安易に抗菌薬が処方されている。これは、患者からの希望、クリニックの評判、何か処方しないと満足度が得られない、抗菌薬が不要であることのインフォームドコンセントの時間が十分取れない、など医学的な側面以外の問題が影響しているかもしれない。当院でも、上気道症状を有する患者の多くは、すでに近医でフルオロキノロンを処方された状態で来院してくる。

標準対強化禁煙薬物治療の初ガチンコ。非盲検比較試験結果によると禁煙率は同等!(解説:島田 俊夫 氏)-482

深刻な喫煙による健康被害のために、薬物治療を徹底的に比較評価することは禁煙率改善上重要である。2016年1月26日発行のJAMA誌に掲載された米国・ウイスコンシン大学公衆衛生学部門のTimothy B. Baker氏らは、禁煙治療に関心を持つ成人に対して、ニコチンパッチ、バレニクリン、併用ニコチン代替治療(C-NRT:ニコチンパッチ+ニコチントローチ)を使って12週間薬物治療後、26週、52週後の禁煙率を生化学的検査により裏付けた結果から評価し、3群間に有意差は認めなかったと報告した。

上気道炎での不適切な抗菌薬処方を減らすには?/JAMA

 プライマリケアにおける急性上気道炎の抗菌薬不適切処方を減らすには、処方理由を書かせること、不適切処方割合の順位付けを行いメールで知らせる(ピア比較)介入が効果的である可能性が、米国・南カリフォルニア大学のDaniella Meeker氏らが248人のプライマリケア医を対象に行ったクラスター無作為化試験の結果、示された。JAMA誌2016年2月9日号掲載の報告。

喫煙者のQOL低下、中枢気道虚脱が関連/JAMA

 喫煙者(元喫煙者も含む)では、呼気時の中枢気道虚脱(ECAC)が呼吸器QOLの悪化と関連していることを、米国・アラバマ大学のSurya P. Bhatt氏らが、COPDGene研究で得られた呼気・吸気CT画像を解析し、明らかにした。ECACは、呼気時に気道が50%以上狭窄する病態として定義され、気管軟骨の脆弱化や気管後壁(膜性壁)の過伸展により生じる。喫煙や慢性閉塞性肺疾患(COPD)と関連するといわれているが、ECACの有病率や臨床的意義はわかっていなかった。JAMA誌オンライン版2016年2月2日号掲載報告。

重症COPDへのアセタゾラミドの効果を検証/JAMA

 人工呼吸を要する重症の慢性閉塞性肺疾患(COPD)で代謝性アルカローシスが疑われる患者に対し、アセタゾラミドを用いても、侵襲的人工呼吸器管理期間の短縮効果は得られないことが示された。フランス・ジョルジュ・ポンピドゥー欧州病院のChristophe Faisy氏らが、382例を対象に行った無作為化プラセボ対照二重盲検試験の結果、報告した。人工呼吸器離脱時間やPaCO2経日変化についても、プラセボ群との有意差は認められなかったという。アセタゾラミドは数十年にわたり、COPDで代謝性アルカローシスを呈した患者に対し呼吸興奮薬として使用されている。しかし、これまでその効果を検証する大規模なプラセボ対照試験は行われていなかった。JAMA誌2016年2月2日号掲載の報告。