放射線科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:13

英国でプライマリケアの検査件数が激増/BMJ

 英国では、性別や年齢、検査の種類にかかわらず、検査件数が経時的に増加しており、調査対象となった検査の9割が、16年間で統計学的に有意に件数が増加したことが、英国・オックスフォード大学のJack W. O’Sullivan氏らの検討で明らかとなった。プライマリケアにおける検査を定量的に評価したデータは、世界的にみても少ない。英国では、2005~09年の検査件数の増加を示す調査が1件あるだけで、加えてこの調査はサンプル数が少なく、種類は検体検査のみで、対象集団も限定的だという。BMJ誌2018年11月28日号掲載の報告。

無症状成人の頭部・全身MRI、偶発的所見の有病率は?/BMJ

 無症状の成人に対して行った頭部・全身MRI検査で発見される、潜在的に重篤な偶発的所見はどれくらいなのか。英国・エディンバラ大学のLorna M. Gibson氏らによるシステマティック・レビューとメタ解析の結果、有病率は3.9%であることが明らかにされた。そのうち悪性病変が疑われたのは約半数だが、最終的に重篤と診断される割合は偶発的所見の20.5%と相対的に少ないことが示されたという。ただし分析データが限定的で、それら病変の健康への影響はほとんど不明であった。著者は、「潜在的に重篤な偶発的所見のアウトカムをより理解でき、そうした所見をどうフィードバックするかを考えるうえで、系統的な長期追跡研究が必要だ」と述べている。偶発的所見の有病率の推定値はばらつきが大きく、多くが重篤でない偶発的所見を含んでいると考えられ、偶発的所見検出の臨床的価値は限定的である。BMJ誌2018年11月22日号掲載の報告。

医師のアルバイト代、時給が高い診療科は

 ケアネットでは、2018年7月に「勤務医1,000人に聞く!医師のアルバイト収入について」のアンケートを行い、第1回では年間アルバイト収入について、第2回ではアルバイトの時給について報告している。第3回では、最終回として、アルバイトの時給についてさらに深掘りした結果を発表する。  医師のアルバイトの時給を地方別に見てみると、最もアルバイトの時給が高い傾向にあったのは、関東地方だった。

細胞接着分子CADM1は菌状息肉症の診断に有効

 菌状息肉症(MF)は、最も頻度の高い皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)であるが、早期MFの紅斑(Patch)と局面(Plaque)は、乾癬やアトピー性皮膚炎などの炎症性皮膚疾患(ISD)によく似ている。ヒトの非小細胞肺がんのがん抑制遺伝子として同定された細胞接着分子のCADM1は、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)の診断マーカーとして報告されており、今回、新潟大学大学院医歯学総合研究科の結城 明彦氏らは、「CADM1陽性細胞は浸潤が少ない早期症例で確認され、早期MFの診断マーカーとして有用かもしれない」とまとめている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2018年6月18日号掲載の報告。

偶発腫の検出頻度が高い画像検査は?悪性の割合は?/BMJ

 偶発腫(incidentalomas)は、急速に現代の医療危機の1つになりつつあるという。英国・オックスフォード大学のJack W. O'Sullivan氏らは、偶発腫の検出頻度が高い画像検査は、胸部CT、大腸CT、心臓MRIであり、偶発腫が悪性腫瘍である可能性が高い臓器は乳房、卵巣、甲状腺であるとの研究結果を、BMJ誌2018年6月18日号で報告した。画像検査の需要が急速に増大するとともに、画像の解像度の改善が進み、偶発腫に遭遇する機会が急上昇しているが、その有病率やアウトカムの評価にはばらつきがあることが知られている。

思い込みを正すことは難しい:MRIとペースメーカーの場合(解説:香坂俊氏)-849

あるとき誰かが思った。「MRIは強力な磁場を発生させるから、電子機器であるペースメーカーやICDには当然よくないだろう」。MRIでは磁場を発生させて水素分子の「回転」を計測する。しかし、体内に金属性のペースメーカーがあると、強力な磁場を周囲で発生させて先端のリード部分が熱を持ってしまう。すると「心筋への電気伝導に問題がおきるのではないか?」という危惧は当然出ることになる。また、ペースメーカーやICDのジェネレーターは、実は磁石を上に置くとスイッチオフ(※)できるようになっているので、「ジェネレーター部分のプログラムに異常が発生するのではないか?」という心配もある。

前立腺がんの診断にMRI標的生検が有用/NEJM

 臨床的に前立腺がんのリスクを有する生検未施行の男性の診断では、生検の前にMRIでリスク評価を行い、がん病変が陽性の場合に標的を絞って生検を行う方法(MRI標的[狙撃]生検)が、従来の標準的な経直腸的超音波(TRUS)ガイド下生検よりも有益であることが、英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのVeeru Kasivisvanathan氏らが行ったPRECISION試験で示された。研究の成果は、NEJMオンライン版2018年3月19日号に掲載された。標準的な10~12コアのTRUSガイド下生検は、高Grade(臨床的に意義のある)前立腺がんを過少に検出し、低Grade(臨床的に意義のない)がんを過剰に検出する可能性が指摘されている。一方、マルチパラメトリックMRIは、結果が陰性の場合は生検を回避するトリアージ検査として用いられ、陽性の場合は前立腺の異常領域を標的に生検が行える。MRI標的生検は標準的生検に比べ、臨床的に意義のあるがんの検出率が同等またはそれ以上とする報告のほか、臨床的に意義のないがんの検出率は低いとの報告がある。

脳灌流画像による選択により、発症後6~16時間の脳梗塞にも血栓除去術が有用(中川原譲二氏)-818

血栓除去術は、現在、発症から6時間以内に治療される適格な脳梗塞患者に推奨されている。米国・スタンフォード大学脳卒中センターのGregory W. Albers氏らが行った「DEFUSE3試験」は、発症までは元気で、梗塞に陥っていない虚血脳組織が残存する患者を対象として、発症後6~16時間の血栓除去術の有効性について検討した多施設共同無作為化非盲検試験(アウトカムは盲検評価)である。対象患者は、中大脳動脈近位部または内頸動脈の閉塞を有し、CTやMRI灌流画像で、初期の梗塞容積70mL未満、虚血/梗塞容積比1.8以上を適格とし、血管内治療(血栓除去術)+標準的薬物療法併用(血管内治療群)、または標準的薬物療法単独(薬物療法群)に無作為に割り付けられた。主要アウトカムは、90日後の修正Rankinスケール(mRS)の通常スコア(範囲:0~6、高スコアほど障害の程度が大きい)とされた。

重炭酸Naとアセチルシステインに造影剤腎症の予防効果なし(中川原譲二氏)-814

血管造影関連の造影剤腎症を予防する目的で、欧米では、重炭酸Naの静脈投与やアセチルシステインの経口投与が行われているが、「PRESERVE」試験では、血管造影を受ける腎合併症発症リスクが高い患者において、これらの薬剤投与はいずれも、死亡や透析、血管造影に関連した急性腎障害の予防に寄与しないことが示された(NEJM. 2017 Nov 12.)。

注射剤のアナフィラキシーについて提言 医療安全調査機構

 日本医療安全調査機構(医療事故調査・支援センター)は、注射剤のアナフィラキシーによる事故防止のための提言(医療事故の再発防止に向けた提言 第3号)を公表している(1月18日)。アナフィラキシー発症の危険性が高い薬剤や発症が疑われる場合の具体的な対応、常時から備えておくべき事項などについて、以下の6つの提言が示された。