放射線科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

AI支援マンモ検診、中間期乳がんが減少/Lancet

 人工知能(AI)支援マンモグラフィスクリーニングは、2人の放射線科医が読影を行う標準的な二重読影と比較して、中間期乳がん(スクリーニングとスクリーニングの間あるいは最後の定期スクリーニング後2年以内に診断された、スクリーニングでは未検出であった原発乳がん)の発生率に関して非劣性で、予後不良の中間期乳がんの減少という良好なアウトカムに結び付き、高い感度、同等の特異度を示しながら、読影者の作業負荷も軽減したことが示された。スウェーデン・Lund UniversityのJessie Gommers氏らが同国で行った無作為化非劣性試験「MASAI試験」の結果を報告した。先行研究で、AI支援のマンモグラフィスクリーニングにより、がんの検出率が増加しかつ読影者の作業負荷を軽減可能であることがエビデンスとして示されているが、中間期乳がんへの有益性は明らかにされていなかった。Lancet誌2026年1月31日号掲載の報告。

転移乳がんへのT-DXd+放射線療法、重篤な毒性増加は示されず

 転移を有するHER2陽性またはHER2低発現の乳がん患者において、トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)と放射線の併用療法は治療上の利点が期待される一方で、安全性と実現可能性に関するエビデンスは限られている。今回、T-DXd治療と放射線療法を同時に併用しても重篤な毒性や治療継続を妨げる毒性の増加は認められなかったことを、イタリア・Azienda Ospedaliero-Universitaria CareggiのLuca Visani氏らが明らかにした。The Breast誌2026年1月2日号掲載の報告。  転移乳がんの治療では全身治療が病勢コントロールの中心であるが、放射線療法も症状緩和や局所制御のために用いられる。そこで研究グループは、T-DXd治療中に放射線療法を同時に併用しても安全かどうかを後ろ向きに検証した。

リスクベースvs.年1回の乳がん検診、乳がん発生率や生検率を比較/JAMA

 集団ベースの遺伝子検査を含むリスクに基づく乳がん検診について、StageIIB以上の乳がん発生率が従来の年1回の検診に対し非劣性で、生検率は低減しないものの、個々のリスクに基づく検診の強度、検診法、開始年齢の層別化の安全にもつながることが、米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のLaura J. Esserman氏らが実施した「WISDOM試験」で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2025年12月12日号で報告された。  米国の実践的無作為化臨床試験 WISDOM試験は、全米50州で行われた実践的な並行群間無作為化臨床試験であり、2016年9月~2023年2月に、40~74歳で、乳がんや非浸潤性乳管がん(DCIS)の既往歴がなく、予防的両側乳房切除術を受けていない女性2万8,372人を登録した(Patient-Centered Outcomes Research Institute[PCORI]などの助成を受けた)。

高リスク頭頸部がん、術後化学放射線療法へのニボルマブ追加でDFS改善/Lancet

 切除後の再発高リスク局所進行頭頸部扁平上皮がん(LA-SCCHN)に対し、術後シスプラチン+放射線療法にニボルマブを追加することにより、中等度の毒性が増加するものの無病生存期間(DFS)が有意に改善された。スイス・ローザンヌ大学のJean Bourhis氏らが、欧州6ヵ国82施設で実施された、フランスの頭頸部がん放射線治療グループ(GORTEC)主導の無作為化非盲検第III相試験「GORTEC 2018-01 NIVOPOST-OP試験」の結果を報告した。シスプラチン+放射線療法は、高リスクLA-SCCHNに対する術後補助療法の標準治療であるが、ニボルマブ追加の有効性と安全性は不明であった。著者は、「ニボルマブ+シスプラチン+放射線療法は、新たな標準治療として提案可能である」とまとめている。Lancet誌オンライン版2025年12月22日号掲載報告。

乳がん検診の「高濃度乳房」通知、患者不安を助長する?/BMJ

 米国では食品医薬品局(FDA)がマンモグラフィ後の高濃度乳房の通知を全国的に義務付けており、オーストラリアなどでは乳がんスクリーニング時の高濃度乳房通知への移行が進められており、英国でも通知の導入が検討されているという。一方で、通知の影響は明らかになっておらず、スクリーニングレベルでの通知の有益性が、潜在的な有害性を上回るかどうかのエビデンスは不足しているとして、オーストラリア・シドニー大学のBrooke Nickel氏らは、通知された女性の心理社会的アウトカムおよび医療サービス利用の意向を多施設並行群間比較無作為化試験にて調べた。高濃度乳房を通知された女性は、不安や困惑が高まり、自身の乳房の健康状態に関する意思決定のための情報が十分ではないと感じており、かかりつけ医(GP)による指導を求めていることが明らかになったという。著者は、「高濃度乳房の通知を乳がんスクリーニングの一環とすることは、有害アウトカムとして、女性へのアドバイスにおけるGPのコンサルテーションの負荷を増やすことなどが考えられる」と述べている。BMJ誌2025年12月3日号掲載の報告。

『肝細胞癌診療ガイドライン』改訂――エビデンス重視の作成方針、コーヒー・飲酒やMASLD予防のスタチン投与に関する推奨も

 2025年10月、『肝細胞癌診療ガイドライン 2025年版』(日本肝臓学会編、金原出版)が刊行された。2005年の初版以降、ほぼ4年ごとに改訂され、今回で第6版となる。肝内胆管がんに独自ガイドラインが発刊されたことを受け、『肝癌診療ガイドライン』から名称が変更された。改訂委員会委員長を務めた東京大学の長谷川 潔氏に改訂のポイントを聞いた。  今版の構成上の変更点としては、「診療上の重要度の高い医療行為について、新たにシステマティックレビューを行わなくとも、明確な理論的根拠や大きな正味の益があると診療ガイドライン作成グループが判断した医療行為を提示するもの」については、Good Practice Statement(GPS)として扱うことにした。これにより既存のCQ(Clinical Question)の一部をGPSに移行した。

乳房切除後の胸壁照射、10年OSを改善せず/NEJM

 乳房切除術+現在推奨される補助全身療法を受けた中間リスクの早期乳がん患者において、胸壁照射は胸壁照射を行わない場合と比較し全生存期間(OS)を改善しないことが、第III相多施設共同無作為化試験「Selective Use of Postoperative Radiotherapy after Mastectomy:SUPREMO試験」で示された。英国・エディンバラ大学のIan H. Kunkler氏らが報告した。腋窩リンパ節転移が1~3個のpN1、あるいは病理学的リンパ節陰性のpN0に分類され、かつその他のリスク因子を有する乳がん患者に対する乳房切除術後の胸壁照射がOSに及ぼす影響は、現在推奨される周術期薬物療法下では不明であった。NEJM誌2025年11月6日号掲載の報告。

前立腺がん、PSA検診で死亡率低下:ERSPC長期追跡23年の評価/NEJM

 European Randomized Study of Screening for Prostate Cancer(ERSPC)試験は、PSA検査が前立腺がん死に及ぼす影響を評価するために、1993年から順次欧州8ヵ国が参加して行われた多施設共同無作為化試験。オランダ・ロッテルダム大学医療センターのMonique J. Roobol氏らERSPC Investigatorsは、その長期アウトカムの最新解析を行い、追跡期間中央値23年において、PSA検査勧奨を繰り返し受けているスクリーニング群は非勧奨(対照)群と比べて、前立腺がん死が持続的に減少し、harm-benefit比は改善していることを示した。NEJM誌2025年10月30日号掲載の報告。

心室頻拍に定位放射線治療が有効か

 標的となる部分に放射線を当てて治療する定位放射線治療(以下、放射線治療)が、危険性の高い不整脈の一種である心室頻拍に対する安全性の高い治療法になり得ることが、新たな研究で示された。米セントルイス・ワシントン大学医学部放射線腫瘍科のShannon Jiang氏らによると、放射線治療の効果は、標準的な治療法だが複雑な手術であるカテーテルアブレーションと同等であったという。また、放射線治療は、カテーテルアブレーションと比べて死亡や重篤な副作用が少ないことも示された。詳細は、「International Journal of Radiation Oncology, Biology, Physics」に9月29日掲載されるとともに、米国放射線腫瘍学会(ASTRO 2025、9月29日~10月1日、米サンフランシスコ)でも発表された。

初回マンモグラフィ非受診女性、乳がん死リスク増加/BMJ

 スウェーデン・カロリンスカ研究所のZiyan Ma氏らの研究チームは観察研究において、初回マンモグラフィの受診勧奨に応じず受診しなかった女性は、受診勧奨に応じ受診した女性と比較して、乳がん発見時の腫瘍の悪性度が高く長期的な乳がん死のリスクが顕著に増加しているが、乳がん発生率は同程度であることを示した。研究の成果は、BMJ誌2025年9月24日号で報告された。  研究チームは、初回マンモグラフィの受診勧奨に応じなかった女性における、その後の受診状況および乳がんのアウトカムを評価する目的で、住民ベースのコホート研究を実施した(スウェーデン研究会議などの助成を受けた)。