精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:402

BDI-IIのカットオフ値で増加する青年期うつ病を早期発見

 近年、わが国におけるうつ病患者数は増加の一途をたどっている。とくに、青年期のうつ病が増えており、日本人の青年は諸外国と比較しうつ病になりやすいとも言われている。うつ病の評価尺度としてベック抑うつ評価尺度(BDI)が汎用されているが、青年期のうつ病の早期発見に有効かどうかは明らかになっていない。Pietsch氏らはBDI-Second Edition(BDI-II)やBDI -Fast Screen(BDI-FS)が青年期うつ病の早期発見に有効かどうかについて検討を行った。Psychother Psychosom Med Psycholオンライン版2012年6月21日付の報告。

東日本大震災から1年;新たな地域連携をめざして“第27回日本老年精神医学会”

2012年6月21、22の両日、埼玉県さいたま市にて、第27回日本老年精神医学会(大会長:埼玉医科大学総合医療センターメンタルクリニック 深津 亮氏)が開催された。本学会のテーマは「エイジズムを超えて希望ある高齢社会へ」である。昨年の東日本大震災では東北地方を中心に多くの方が犠牲者となり、なかには高齢者が多く含まれていた。急速な高齢化が進むわが国において、災害への対策について多くの課題が残されている。ここでは、本学会のプログラムから「東日本大震災から1年;新たな地域連携をめざして」と題して実施されたシンポジウムについて紹介する。

現在開発中の4週間型パリペリドン持続性注射剤の実力は?

リスペリドンの活性代謝物であるパリペリドン。現在、日本で使用可能なパリペリドンは徐放錠のみだが、海外では経口剤のほかに、パリペリドンパルミチン酸エステル(パリペリドン持効性注射剤)も使用可能であり、幅広い統合失調症患者に使用されている。Nussbaum氏らはこのパリペリドン持効性注射剤の臨床効果を評価し、Cochrane Database Syst Revオンライン版 2012年6月13日に報告した。

うつ病治療におけるNaSSA+SNRIの薬理学的メリット

抗うつ薬ミルタザピンはアドレナリンα2自己受容体とα2ヘテロ受容体に対し阻害作用を示し、ノルアドレナリン(NA)とセロトニン(5-HT)のモノアミントランスポーターを阻害することなく、NAおよび5-HTの神経伝達を増強する薬剤である。明治製菓薬品総合研究所の山内氏らはミルタザピンとSNRIの併用によるモノアミンの細胞外レベルへの影響を調査した。Neuropharmacology誌2012年6月号掲載。

認知機能への影響は抗精神病薬間で差があるか?

統合失調症治療において認知機能の改善・維持は重要であり、認知機能への作用を考慮した薬剤選択が求められている。産業医科大学の堀氏らは、日本人統合失調症患者の認知機能に対し、非定型抗精神病薬であるリスペリドン、オランザピン、アリピプラゾールの投与量および投与スケジュールが及ぼす影響を検討した。その結果、「アリピプラゾールでは投与量と認知機能との間に相関が認められない」として、J Psychiatr Res誌2012年6月号にて報告した。

電話によるうつ病の認知行動療法、対面療法よりも中断率は低いが……

大うつ病性障害に対する、電話による認知行動療法は、対面による同療法と比較して、治療アドヒアランスは改善されることが示された。一方で、両群18週治療後のフォローアップ6ヵ月時点の効果は同等であった。米国・ノースウエスタン大学のDavid C. Mohr氏らが、300人超について行った前向き無作為化比較試験の結果、報告したもので、JAMA誌2012年6月6日号で発表した。電話による認知行動療法の効果について、対面の場合との効果を比較した研究はほとんど行われていなかったという。

統合失調症の病態にメラトニンが関与?!

統合失調症におけるメラトニンの関与はこれまであまり議論されていない。Anderson氏らはメラトニンと統合失調症の罹患、神経免疫や酸化性病態生理、睡眠障害を含む特異的な症状、サーカディアンリズム、遅発性ジスキネジアやメタボリックシンドロームを含む抗精神病薬の副作用との関係をレビューした。Metab Brain Dis誌2012年6月号掲載(オンライン版2012年4月25日号)。