精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:246

抗認知症薬処方前の甲状腺機能検査に関するレトロスペクティブ観察研究

 甲状腺機能低下症は、認知障害を引き起こす疾患として知られており、甲状腺ホルモンの補充により治療が可能である。そのため、日本を含め世界各国の認知症診療ガイドラインでは、認知症の診断を進めるうえで甲状腺機能検査(TFT)の実施を推奨している。しかし、これまで抗認知症薬を開始する前の認知症原因疾患の診断過程において、TFTがどの程度実施されているかについては、よくわかっていなかった。医療経済研究機構の佐方 信夫氏らは、日本における抗認知症薬処方前のTFT実施状況について調査を行った。Clinical Interventions in Aging誌2018年7月6日号の報告。

10代のSNS使用頻度がADHD発症と関連か/JAMA

 2年以上にわたる観察研究で、10代の学生において頻繁なデジタルメディアの使用とその後の注意欠如・多動症(ADHD)症状発現との間に、わずかではあるが統計学的に有意な関連性があることが認められた。米国・南カリフォルニア大学Keck School of MedicineのChaelin K. Ra氏らが、著しいADHD症状のない15~16歳の学生を対象に行った縦断コホート研究の結果を報告した。今回の研究には、参加者の自己報告に基づくことや、デジタルメディアの使用頻度の測定法は確立されていないこと、データが得られなかった参加者が除外されている、ベースライン時に検出されなかったADHD症状が影響した可能性は除外できない、などの限界があり、著者は「この関連が原因であるかどうかを結論付けるには、今後のさらなる研究が必要である」とまとめている。JAMA誌2018年7月17日号掲載の報告。

スボレキサントの日本人高齢不眠症患者に対する費用対効果分析

 日本で最も幅広く使用されている睡眠薬であるベンゾジアゼピン受容体作動薬ゾルピデムとオレキシン受容体拮抗薬スボレキサントの費用対効果について、MSD株式会社の西村 晋一氏らが、比較検討を行った。Journal of Medical Economics誌2018年7月号の報告。  本研究では、不眠症と高齢者に多大な影響を及ぼす股関節骨折リスクを考慮したモデルを用いて検討を行った。公表された論文より、データを収集した。65歳以上の日本人高齢不眠症患者の仮想コホートを対象として研究を実施した。費用対効果の評価には、質調整生存年(QALY)と増分費用効果比を用いた。調査は、医療従事者の視点で行った。  スボレキサントとゾルピデムの費用対効果を検討した主な結果は以下のとおり。

過敏性腸症候群は炎症性腸疾患よりもうつ病が重症化しやすい

 過敏性腸症候群(IBS)患者は炎症性腸疾患(IBD)患者と比べて併存しているうつ病や不安の重症度が高いことが、中国・中日友好医院のQin Geng氏らの研究によって明らかになった。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2018年5月4日号に掲載。  IBSやIBDといった慢性胃腸疾患の患者では、うつ病が併存している割合が高いが、IBSとIBDで一貫性のある結果は認められていない。そのため、本研究では、IBSおよびIBD患者におけるうつ病の有病率や重症度について検討した。

うつ病と勃起不全に関するメタ解析

 うつ病は勃起不全(ED)のリスクを増加させるといわれているが、他の研究では関連が認められないとの報告もある。また、EDがうつ病リスクを増加させるとの報告もある。中国・華中科技大学のQian Liu氏らは、うつ病とEDとの関連を評価したすべての研究を特定して定量的に統合し、観察された関連性の差異についての要因を調査するため、検討を行った。The journal of sexual medicine誌オンライン版2018年6月27日号の報告。

統合失調症の攻撃性管理のための抗精神病薬持効性注射剤の使用に関する臨床的概要

 攻撃的な行動の管理は、統合失調症治療において課題であり、洞察力の低さ、精神症状の再燃、物質使用障害や人格障害との併存などの疾患重症度の臨床的予測因子と関連付けられることが少なくない。統合失調症の再発とそれに伴う攻撃的な行動のリスクは、しばしばコンプライアンス不良が原因である。イタリア・ミラノ大学のMassimiliano Buoli氏らは、統合失調症患者の攻撃性管理のための抗精神病薬持効性注射剤の使用に関する臨床的概要について報告した。Clinical Schizophrenia & Related Psychoses誌オンライン版2018年6月26日号の報告。

アルコール依存症に対するバクロフェン治療に関するメタ解析

 アルコール依存症(AD:alcohol dependence)治療に対するバクロフェンの有効性(とくに用量の効果)に関して、現在のエビデンスのシステマティックレビューは不十分である。オランダ・アムステルダム大学のMimi Pierce氏らは、現在利用可能なランダム化プラセボ対照試験(RCT)のシステマティックレビューおよびメタ解析を実施した。European neuropsychopharmacology誌オンライン版2018年6月19日号の報告。

高齢者うつ病に対するアリピプラゾール増強療法に関連する錐体外路症状の臨床的予測因子

 治療抵抗性高齢者うつ病(LLD:late-life depression)に対するアリピプラゾール増強療法は、効果的な治療法である。しかし、アリピプラゾールは、パーキンソン病やアカシジアのような錐体外路症状(EPS)を引き起こす可能性があり、これが治療中止の一因となることがある。カナダ・トロント大学のJonathan H. Hsu氏らは、アリピプラゾール増強療法を行っている治療抵抗性LLD患者におけるアカシジアやパーキンソン病の臨床的経過および予測因子について調査を行った。The Journal of clinical psychiatry誌2018年6月19日号の報告。