精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:247

双極性うつ病に対するコエンザイムQ10の二重盲検臨床試験

 双極性障害(BPD)は、躁病、軽躁病、大うつ病性障害エピソードによって特徴付けられる慢性的かつ再発性の気分障害である。利用可能なエビデンスでは、BPDの病態生理においてミトコンドリア機能不全、酸化ストレス、炎症が、重要な役割を担っていることが示唆されている。それは、ミトコンドリアモジュレーターであるコエンザイムQ10(CoQ10)、抗酸化薬、抗炎症薬が、BPDの病態生理の経路を調節するために有用であることを意味している。イラン・Hamadan University of Medical SciencesのMaryam Mehrpooya氏らは、BPD患者のうつ症状に対し、補助的なCoQ10治療がプラセボと比較し、どの程度有用であるかについて調査を行った。Journal of Clinical Psychopharmacology誌オンライン版2018年8月14日号の報告。

睡眠薬の長期使用に関する10年間のフォローアップ調査

 催眠鎮静薬の長期使用は、非常によく行われているが、ガイドラインでは推奨されていない。新規睡眠薬使用患者における長期使用への移行率は、十分に研究されているわけではなく、現時点では、有益だと考えられる推奨薬は不明である。イスラエル・テルアビブ大学のYochai Schonmann氏らは、新規睡眠薬使用患者における長期使用リスクを定量化し、睡眠薬の選択とその後の使用パターンとの関連性を検討した。European Journal of Clinical Pharmacology誌オンライン版2018年8月8日号の報告。

外傷性脳損傷サバイバーは自殺リスク高い?/JAMA

 外傷性脳損傷(TBI)と自殺の関連を評価した研究は少なく、これまでの報告は症例数が少ないなどの問題があるという。デンマーク・Mental Health Centre CopenhagenのTrine Madsen氏らは、同国の全国患者登録データを解析し、TBIで受診した患者は、TBIの経験のない一般人口に比べ自殺のリスクが高いことを示した。研究の成果は、JAMA誌2018年8月14日号に掲載された。TBIサバイバーは、身体、認知、情動に関連する症状を経験する可能性が高いとされ、これらの症状は自殺のリスクを高めることが知られている。

アトピー性皮膚炎が、うつ病、不安および自殺念慮と関連

 アトピー性皮膚炎(AD)は不安やうつ病と関連しているが、その重要性については知られていない。デンマーク・Herlev and Gentofte HospitalのAmalie Thorsti Moller Ronnstad氏らは、システマティックレビューおよびメタ解析から、AD患者の治療の際は、医師がうつ病、不安および自殺念慮について考慮しなければならないことを示した。著者は、「ADの改善にはこれらのリスク軽減が明白であることから、これを優先すべきである」とまとめている。Journal of the American Academy of Dermatology誌2018年9月号掲載の報告。

認知症診断を告知すべきタイミングに関する調査

 最近の認知症関連の分野において、早期診断の議論は、タイムリーな診断を行う方向へ向かっている。タイムリーな告知には、個々の希望や状況を考慮する必要がある。告知に関して患者、その家族、医療従事者の見解が異なる場合、告知がタイムリーであるかの判断は、とくに複雑となる可能性がある。オーストラリア・ニューカッスル大学のRochelle Watson氏らは、認知症診断がどのタイミングで告知されるべきかについて、告知される側の希望に関する検討を行った。BMC Health Services Research誌2018年8月6日号の報告。

PPIで認知症リスクの増加みられず~大規模症例対照研究

 プロトンポンプ阻害薬(PPI)の長期使用とアルツハイマー病(AD)のリスク増加との関連がいくつかの観察研究で報告されているが、使用期間の影響や他の認知症でも当てはまるかどうか検討されていない。スイス・バーゼル大学のPatrick Imfeld氏らは、大規模な症例対照研究により、PPI(またはネガティブコントロールとしてのH2受容体拮抗薬[H2RA])の長期使用と、ADまたは血管性認知症(VaD)の発症リスクとの関連を検討した。その結果、PPIやH2RAに関連するADやVaDのリスク増加はみられなかった。Drug Safety誌オンライン版2018年8月27日号に掲載。

7つの生活習慣、心血管にも認知機能にも好影響/JAMA

 フランス・ボルドー大学のCecilia Samieri氏らは、米国心臓協会(AHA)が推奨する7つの生活習慣(ライフ シンプル7)を用いて定義した心血管の健康レベルと、高齢者の認知症および認知機能低下のリスクとの関連性を検証する65歳以上の地域住民を対象としたコホート研究(The Three-City[3C] Study:3C研究)において、ライフ シンプル7の実行項目数の多さと心血管健康スコア高値は、認知症リスクおよび認知機能低下率の低さと関連していることを明らかにした。著者は、「認知機能低下や認知症と関連するリスク因子を予防するため、心血管の健康増進が望まれる」とまとめている。これまで、心血管の健康レベルと認知症リスクとの関連に関するエビデンスは限られていた。JAMA誌2018年8月21日号掲載の報告。

自閉スペクトラム症に対するパルミトイルエタノールアミド補助療法のランダム化比較試験

 自閉スペクトラム症には、炎症やグルタミン酸興奮毒性が関連しているといわれている。パルミトイルエタノールアミドは、グルタミン酸による毒性を予防し、同時に炎症反応を阻害することが証明されている内因性カンナビノイドである。イラン・Iran University of Medical SciencesのMona Khalaj氏らは、小児自閉スペクトラム症に対する10週間のリスペリドンとパルミトイルエタノールアミドの併用療法の有効性を検証するため、初めてのランダム化並行群間二重盲検プラセボ対照試験を実施した。Journal of Psychiatric Research誌2018年8月号の報告。