精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:217

焦点性てんかん重積状態に対する薬理学的治療のレビュー

 てんかん重積状態(SE)は、罹患率や死亡率が高く、神経学的に急を要する。SEのタイプは、予後因子の1つであるといわれている。スペイン・Hospital Universitario Severo OchoaのN. Huertas Gonzalez氏らは、SE治療に関連するさまざまな学会や専門家グループの最新レコメンデーションおよび最新研究を分析し、焦点性SEのマネジメントに関する文献を評価した。Neurologia誌オンライン版2019年5月7日号の報告。  2008年8月~2018年8月に公表された成人の焦点性SEおよび他のタイプの薬理学的治療に関する研究をPubMedより検索した。

軽度認知障害や認知症を診断するためのACE-III日本語版のスクリーニング精度

 軽度認知障害(MCI)や認知症の早期発見は、適切な治療の迅速な開始と、疾患の悪化を防ぐために、非常に重要である。岡山大学の竹之下 慎太郎氏らは、MCIおよび認知症を診断するためのAddenbrooke's Cognitive Examination III(ACE-III)日本語版のスクリーニング精度について調査を行った。BMC Geriatrics誌2019年4月29日号の報告。  オリジナルのACE-IIIを翻訳して作成したACE-III日本語版を、日本人の集団に使用した。認知機能を評価するため、改訂 長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)およびミニメンタルステート検査(MMSE)を用いた。総対象者は389例(認知症:178例、MCI:137例、対照群:73例)であった。

新精神作用物質使用患者における臨床症状の変化

 新精神作用物質(NPS)の使用は、国内外を問わず広まり続けている。NPSは、より深刻な臨床的、公的および社会的な問題と関連している。日本におけるNPSの影響を改善するための政治的な措置は、治療法を確立することではなく、規制を厳しくすることに焦点が当てられてきた。現在の研究では、数年にわたるNPS関連疾患を有する患者の精神症状を比較しようとしている。国立精神・神経医療研究センターの船田 大輔氏らは、NPSを規制するための法的な措置の影響を明らかにするため、依存症治療専門病院を受診した患者を調査した。Neuropsychopharmacology Reports誌オンライン版2019年4月9日号の報告。

日本人統合失調症患者に対するブロナンセリンとハロペリドールの二重盲検ランダム化比較試験

 以前、CNS薬理研究所の村崎 光邦氏が、統合失調症患者に対するブロナンセリンの有効性および安全性について、ハロペリドールとの比較を行った日本の多施設共同ランダム化二重盲検試験を日本語で発表した。米国・マイアミ大学のPhilip D. Harvey氏らは、以前報告されたプロトコルごとのデータセットの代わりに完全な分析データセットに基づく試験結果を提示し、統合失調症の薬理学的治療の最新知識に照らし合わせて、調査結果についての議論を行った。Neuropsychopharmacology Reports誌オンライン版2019年4月30日号の報告。

認知症患者におけるカフェインと精神症状~システマティックレビュー

 カフェイン摂取は、健康成人の行動や睡眠に影響を及ぼすことが知られている。行動症状や睡眠障害に対しカフェイン摂取が影響している可能性のある認知症患者は、多く見受けられる。オランダ・ライデン大学のM. A. Kromhout氏らは、認知症患者におけるカフェイン摂取と精神症状との関連について調査するため、システマティックレビューを行った。Experimental Gerontology誌オンライン版2019年4月30日号の報告。

治療抵抗性統合失調症に対するECTの治療反応速度と臨床的有効性

治療抵抗性統合失調症患者に対する電気けいれん療法(ECT)は、有効であることが示唆されているが、治療反応率、認知機能およびQOLのアウトカムに関するエビデンスは限られている。シンガポール・Institute of Mental HealthのChristopher Yi Wen Chan氏らは、治療抵抗性統合失調症患者を対象とした自然主義的レトロスペクティブコホート研究において、ECTの有効性および治療反応速度について検討を行った。Psychiatry and Clinical Neurosciences誌オンライン版2019年4月26日号の報告。

英国の性交頻度、性的活発集団で急低下/BMJ

 性的に活発な人々の割合や、この集団における性交頻度の低下が、日本を含むいくつかの国で観察されている。英国・ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のKaye Wellings氏らは、同国の全国調査のデータを解析し、最近は性交頻度に低下傾向が認められ、とくに25歳以上および結婚/同棲者で顕著であることを明らかにした。BMJ誌2019年5月7日号掲載の報告。  研究グループは、英国における性交頻度およびその生活様式上の因子との関連の経時的な変化を調査する目的で、3つの反復的な横断研究のデータの解析を行った(英国Wellcome Trustなどの助成による)。

統合失調症患者の同意能力と認知機能との関係

 同意の意思決定能力は、倫理的および法的な新しい概念であり、重要な医学的決定や臨床研究への参加に直面している患者において、自己決定と密接に関連するものである。国立精神・神経医療研究センターの菅原 典夫氏らは、統合失調症患者における同意の意思決定能力と認知機能との関係について、Frontiers in Psychiatry誌2019年4月12日号で報告した。

睡眠時間と青年期うつ病との関連

 青年期の睡眠時間とうつ病との関連について、再現性の懸念が高まっていることを考慮し、米国・ミネソタ大学のA. T. Berger氏らは、青年期の睡眠と精神的ウェルビーイングとの関連を新たなデータセットを用いて、これまでの分析を概念的に再現した。Sleep Health誌2019年4月号の報告。  START研究のベースラインデータを用いて、以前の分析(Sleep Health, June 2017)を概念的に再現した。START研究は、高校の始業時間を遅らせた際、青年期の体重変化に対する睡眠時間の影響を自然実験で評価した縦断的研究である。STARTとそれ以前の研究において、学校がある日の就寝、起床時間、6項目のうつ病サブスケールアンケートを学校で自己報告により回答してもらった。睡眠変数(睡眠時間、起床時間、就寝時間)と一連のアウトカムとの関連性および95%信頼区間(CI)を、ロジスティック回帰モデルを用いて算出した。