これまで、成人の注意欠如多動症(ADHD)と社会人口学的特徴を検討した研究の多くは、ADHDと診断された患者を対象としており、一般集団におけるADHD特性について調査した研究は、ほとんどなかった。また、大学在学中には問題がみられず、就職した後にADHD特性を発現するケースが少なくない。国際医療福祉大学の鈴木 知子氏らは、大卒の日本人労働者におけるADHD特性と社会人口学的特徴との関連について、調査を行った。その結果、大学を無事に卒業したにもかかわらず、大卒労働者ではADHD特性レベルは高いことから、ADHD特性レベルを適切に評価し、健康の悪化や予防をサポートする必要性が示唆された。Neuropsychiatric Disease and Treatment誌2023年4月5日号の報告。