整形外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:89

ACL損傷患者、3年以内に再建術を受ける人は約4人に1人

 米国・ブリガム&ウィメンズ病院のJamie E. Collins氏らは、膝前十字靭帯(ACL)損傷後の再建術を受けた人の臨床的特性や手術の頻度などについて調べた。これまで、厳密な調査は行われていなかったという。調査の結果、ACL損傷患者の約4人に1人が診断後3年以内に再建術を受けていることなどが明らかになった。American Journal of Sports Medicine誌オンライン版2013年1月9日号の掲載報告。

患者が語る病状にみる、線維筋痛症と慢性腰痛症の特性の違い

 スイス・ジュネーブ大学のChristine Cedraschi氏らは、患者が語る病状にみられる線維筋痛症と慢性腰痛症の特性の違いについて質的研究を行った。その結果、線維筋痛症患者の話では、高い精神的な負荷、著しい言外の暗示、理に適った問題が特徴であるのと対照的に、慢性腰痛症患者の話は、身体的なつらさや消耗、治療の無効性が強調されていたという。Pain Medicine誌2012年12月の掲載報告。

骨粗鬆症閉経後女性に対するテリパラチド、追加投与も切り替えもベネフィットは同等

 アレンドロネート(ALN、商品名:ボナロン、フォサマック)やラロキシフェン(RLX、商品名:エビスタ)の治療を受けた骨粗鬆症閉経後女性に対して、テリパラチド(商品名:テリボン、フォルテオ)を追加併用することと同薬への切り換えとでは、同等のベネフィットをもたらすことが明らかにされた。

長期ケア中の高齢者の転倒原因、現場ビデオ画像で解析/Lancet

 長期ケア中の高齢者の転倒原因として最も多いのは不適切な体重移動であり、前方歩行中の転倒が多いものの、既報に比べれば歩行中の転倒は少なかったとの調査結果が、カナダ・サイモンフレーザー大学のStephen N Robinovitch氏らによって報告された。高齢者の転倒は保健医療上の重大な負担であり、長期ケア環境ではとくに重要となるが、高齢者の転倒状況や原因に関するエビデンスはほとんどないという。Lancet誌2013年1月5日号(オンライン版2012年10月17日号)掲載の論考から。

閉経後女性、血中カロテノイドが高い人ほど骨粗鬆症リスクは低い

閉経後日本人女性を対象とした前向きコホート研究の結果、カロテノイド(とくにβクリプトキサンチンとβカロテン)の血中濃度が高い人ほど、骨減少症および骨粗鬆症リスクが低いことが報告された。農研機構・果樹研究所の杉浦実氏らが、栄養疫学調査「三ヶ日町(静岡県浜松市)研究」の参加者を4年間追跡した結果、報告した。

人工膝関節形成術へのドクターフィー年5%減で起きた総医療費の劇的上昇

 米国では1997年8月に財政赤字への懸念から連邦均衡予算法(Balanced Budget Act of 1997)が可決され、メディケアプログラム下の医師への診療報酬(ドクターフィー)の引き下げが命じられた。個々のドクターフィー引き下げそのものによる節減効果と、加えて報酬引き下げは労働インセンティブを低下させ、結果としてアウトプットが減り節減効果がもたらされる、という2つの支出コスト抑制効果があると考えられたためであったという。

長期アスピリン常用と加齢黄斑変性リスクとの関連/JAMA

 アスピリンの常用と加齢黄斑変性(AMD)発症との関連について調査した長期試験の結果、服用期間が5年では有意な関連はみられなかったが、10年では、わずかだが統計的に有意な発症遅延リスクの上昇が血管新生型AMDでみられたことを、米国・ウィスコンシン大学医学部眼科部門のBarbara E. K. Klein氏らが報告した。アスピリンは関節炎などの疼痛緩和や心保護効果があるとして広く使用されている。その使用は、眼科医にとっても関心が高いという。JAMA誌2012年12月17日号掲載報告より。

雪下ろしによる転落外傷、記録的な大雪に見舞われた2010年冬からの教訓

 2010年冬にフィンランドでは記録的な大雪に見舞われ、とくに南部地方で雪下ろしのために屋根に上った人の転落外傷が例年にない規模で発生したという。ヘルシンキ大学病院のM. Aulanko氏らは、その発生状況と大学病院で行われた処置およびコストなどについて解析した。Scandinavian Journal of Surgery誌2012年第4号12月15日号の掲載報告。

整形外科手術が不満足となるリスク、労災患者は2.08倍

 整形外科手術結果について、労災対象患者は非労災対象患者と比べて、不満足となるリスクが倍増することが、メタ解析の結果、示された。ブラジル・サンパウロ連邦大学のVinícius Ynoe de Moraes氏らによる報告で、以前のレビューでも、整形外科のアウトカムは労災補償の有無に強く影響を受けることが示されていた。しかし、レビュー対象論文の方法論がさまざまで、関連性が誇張されている可能性があったという。PLoS One誌オンライン版2012年12月5日発表の報告。