腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:300

アスピリン前投与で免疫学的便潜血検査法の精度は向上しない (解説:上村直実氏)-1078

本邦では、胃がんが減少する反面、大腸がん死亡者数が増加し、がん死亡順位で女性1位、男性3位となり、大腸がんに対する対策として、免疫学的便潜血検査を用いた公的な検診の受診率を上げる方策が模索されている。一方、米国では『10年に1回の全大腸内視鏡検査もしくは毎年のFITを行うことを推奨する』とされている。すなわち、微小ポリープが進行大腸がんになるためには10年必要との仮説を基に、大腸がんの検出に最も精度が高いTCFを10年に1回行うか、簡便で死亡率減少効果が示されているFITを毎年行うかのどちらかで大腸がんによる死亡を防ぐ方針である。毎年1回のFITは簡便で良い方法であるが、前がん病変の検出感度や病変的中率が高くないため、欧米では感度および的中率を上げる種々の工夫が報告されている。

周術期化学療法による脱毛の程度や経過は/日本乳癌学会

 化学療法による有害事象の治療後の経過についての報告は少なく、とくに脱毛に関しての報告はきわめて少ない。また、正確な頻度や程度、経過についてまとまったエビデンスはない。今回、群馬大学乳腺・内分泌外科の藤井 孝明氏らは、アンケート調査による前向き観察研究でこれらを検討した。その結果、治療終了後でも有害事象が継続する症例が多く認められること、頭髪以外の部位の脱毛も高頻度で起こりうることが明らかになった。第27回日本乳癌学会学術総会にて報告された。

若年世代のがん啓発・患者支援チャリティーライブ「Remember Girl’s Power!! 2019」開催

 15歳以下の小児期に発症するがんや、15~39歳のいわゆる“AYA世代”のがんについての啓発および患者支援を目的としたチャリティーライブ「Remember Girl’s Power!!」が、本年9月に東京で開催される。主催は、がんに関連する治験・臨床試験など情報を発信するwebサイト「オンコロ」で、現在、チケットを一般先行発売中。  チャリティーライブ「Remember Girl’s Power!!」は、39歳までの主に若年世代のがんについて、広く理解と支援を呼びかけることを目的に、2016年から毎年、同世代のがん啓発月間である9月に開催され、今年で4回目。

ナルデメジンのわが国におけるオピオイド誘発性便秘に対する効果と安全性/ASCO2019

 オピオイド誘発性便秘(OIC)はオピオイド治療において頻度の高い有害事象の1つであり、ナルデメジン(商品名:スインプロイク)はOIC治療に承認されている末梢性μオピオイド受容体拮抗薬である。わが国の実臨床におけるナルデメジンのOIC患者に対する安全性と有効性を調査したPhase-R OIC試験の結果が、国立がん研究センター中央病院 清水 正樹氏、ガラシア病院 前田 一石氏らにより米国臨床腫瘍学会年次総会ASCO2019で発表された。

終末期がん患者、併発疾患への薬物療法の実態

 終末期緩和ケアを受けているがん患者において、併発している疾患への薬物療法はどうなっているのか。フランス・Lucien Neuwirth Cancer InstituteのAlexis Vallard氏らは、前向き観察コホート研究を行い、緩和ケア施設に入院した終末期がん患者に対する非抗がん剤治療が、一般的に行われていることを明らかにした。著者は「それらの治療の有益性については疑問である」とまとめている。Oncology誌オンライン版2019年6月20日号掲載の報告。

疼痛・疲労・精神的苦痛の支援を受けたことがない―がん患者の3~5割/JCO

 どれほどのがん患者が疼痛、疲労、精神的苦痛を有し、またそれらに対するケアは行われているのか。米国・がん協会のTenbroeck G. Smith氏らは、地域のがんセンターで治療を受けている患者を対象に、それらの有症率などを調査した。その結果、30~50%のがん患者が、疼痛、疲労および精神的苦痛について、話し合ったり、アドバイスを受けたり、期待した支援を受けたことがないと回答したという。著者は、「これら3つのがん関連症状の管理に関して改善の余地がある」と述べたうえで、それぞれの症状の有症率の高さについても「重要と思われる」と指摘している。Journal of Clinical Oncology誌2019年7月1日号掲載の報告。

前立腺がんのアンドロゲン除去療法と認知症~15万例の解析

 アンドロゲンの低下は、除脂肪体重の減少や糖尿病、心血管疾患、うつ病など、アルツハイマー病や認知症の危険因子を増大させる可能性がある。前立腺がんにおけるアンドロゲン除去療法(ADT)は認知機能に影響するのだろうか。今回、米国ペンシルバニア大学のRavishankar Jayadevappa氏らが、15万例超の高齢前立腺がん患者のデータを分析したところ、アンドロゲン除去療法を受けた後少なくとも10年間は、アルツハイマー病や認知症の診断と関連することが示された。JAMA Network Open誌2019年7月3日号に掲載。

日本人卵巣がんのBRCA変異保有率は欧米と同等/アストラゼネカ

 アストラゼネカ株式会社は、卵巣がんにおけるBRCA1/2(以下、BRCA)遺伝子変異の保有率に関する大規模調査 Japan CHARLOTTE study(以下、CHARLOTTE)を国内63の医療施設で実施した。日本人症例における初の大規模な調査であり、婦人科領域のがんゲノム医療を推進する貴重なデータとなる。なお、CHARLOTTEの結果は、2019年7月1日付でInternational Journal of Gynecological Cancer電子版に掲載されている。

未治療骨髄腫に対するダラツムマブ、レナリドミド、デキサメタゾン併用療法に期待するモノ(解説:藤原弘氏)-1075

新規治療薬開発が進み、QOLの改善と全生存率の延長が進む多発性骨髄腫だが、いまだに治癒しない。そこで、次の治療戦略が微小残存病変陰性完全寛解の達成から無増悪生存の延長、その先に治癒を見据えるのは理にかなっている。Proteosome阻害剤、iMIDsに加えて抗体製剤の登場が、その流れを加速させている。最近、自己造血幹細胞移植適応のない未治療MMに対するダラツムマブ併用レナリドミド/デキサメタゾン療法のLd療法に対する優位性を示す大規模な第III相臨床試験の結果が、Facon T.博士らのグループからNew England Journal of Medicine誌に掲載された(内容はすでに2018年、米国血液学会で報告されていたが)。

高齢進行胃がん患者への化学療法、低用量でベネフィット得られる可能性(GO2)/ASCO2019

 高齢でフレイルのある、進行胃・食道胃接合部がん患者において、2剤併用化学療法の用量を減らしても、高用量の場合と同等のベネフィットが得られる可能性が示唆された。米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)で、オキサリプラチン+カペシタビン2剤併用療法の適正用量を検討した第III相GO2試験の結果を、英国・エジンバラ大学のPeter S Hall氏が発表した。  進行胃・食道胃接合部がんと診断される患者の中央値は75歳超で、多くがフレイルを有している。しかし、化学療法の標準的な用法用量の多くがフレイルのない、65歳未満の患者を対象とした臨床試験によって定められている。