医療一般|page:147

BiTE抗体tarlatamab、進行・再発の進展型小細胞肺がんに申請/アムジェン

 アムジェンはデルタ様リガンド3(DLL3)を標的とするBiTE(二重特異性T細胞誘導)抗体tarlatamabについて、進行・再発の進展型小細胞肺癌(ED-SCLC)を予定の効能又は効果として、日本国内で製造販売承認申請を行った。  小細胞肺がん(SCLC)は肺がんの約15%を占め、世界で毎年33万例超が新規に診断されている。SCLCは最も悪性度が高い固形がんの1つで、増殖速度が非常に早く早期に転移する。5年相対生存率(全Stage)は10%未満と予後不良である。ED-SCLCに対する現行の1次治療の奏効率は60〜70%と比較的良好だが、ほとんどの症例で治療耐性が生じ、治療後1年以内に再発を認める。

遺伝子分析とアンケートを組み合わせた日本人うつ病患者の特徴分析

 うつ病は、さまざまな環境的因子や遺伝的因子の影響を受け発症する、気分障害を特徴とする一般的な精神疾患であるが、その病因は、ほとんどわかっていない。ヤンセンファーマのRyo Takano氏らは、日本人うつ病患者のリスク因子を特定するため、本研究を実施した。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2024年4月8日号の報告。  対象は、東北メディカル・バンク機構が2021年12月までに募集した2つのコホート参加者(人口ベースコホート、3世代コホート)。社会人口統計学的因子、ライフスタイル、併存疾患、遺伝的因子に焦点を当て、自己申告によるうつ病のプロファイリングを行った。  主な結果は以下のとおり。

心電図所見から夜間の自殺企図を予測できる?

 精神疾患と心電図所見の関連については多くの研究が行われている。新たな研究として、自殺企図歴のある日本人の精神疾患患者を対象に、夜間の自殺企図と心電図の波形との関連が検討された。その結果、早期再分極を示す心電図により、夜間の自殺企図を予測できる可能性のあることが示された。東京慈恵会医科大学附属柏病院精神神経科の亀山洋氏らによる研究結果であり、「Neuropsychopharmacology Reports」に3月17日掲載された。  早期再分極パターン(early repolarization pattern;ERP)は、心電図におけるQRS-ST接合部(J点)の上昇(スラーやノッチと呼ばれる波形)を特徴とする。ERPは男性に多く、健常人にも見られるが、精神疾患との関連が報告されており、自殺企図などの衝動性と関連する可能性も示唆されている。自殺行動は夜間の時間帯に多いことが知られているため、その危険性を事前に予測することが重要となる。

抗菌薬は咳の持続期間や重症度の軽減に効果なし

 咳の治療薬として医師により抗菌薬が処方されることがある。しかし、たとえ細菌感染が原因で生じた咳であっても、抗菌薬により咳の重症度や持続期間は軽減しない可能性が新たな研究で明らかにされた。米ジョージタウン大学医学部家庭医学分野教授のDaniel Merenstein氏らによるこの研究の詳細は、「Journal of General Internal Medicine」に4月15日掲載された。  Merenstein氏は、「咳の原因である下気道感染症は悪化して危険な状態になることがあり、罹患者の3%から5%は肺炎に苦しめられる」と説明する。同氏は、「しかし、全ての患者が初診時にレントゲン検査を受けられるわけではない。それが、臨床医がいまだに患者に細菌感染の証拠がないにもかかわらず抗菌薬を処方し続けている理由なのかもしれない」とジョージタウン大学のニュースリリースの中で述べている。

年齢や婚姻状況で異なる、「世帯の人数」と心理的苦痛の関係

 日本の全国調査データを活用して、年齢・性別や婚姻状況により、世帯の人数と心理的苦痛の関係が異なるかどうかを調べる研究が行われた。その結果、若い世代や未婚者では、世帯の人数が少ないほど心理的苦痛の強い人が多いという関係が認められた。奈良県立医科大学県民健康増進支援センターの冨岡公子氏らによる研究結果であり、「Frontiers in Public Health」に3月11日掲載された。  一人暮らしや少人数の世帯は増加の一途をたどっている。2024年4月には「孤独・孤立対策推進法」が施行され、孤独や孤立への総合的な対策が必要とされている。これまでにも世帯の人数とがんや認知症、幸福感、メンタルヘルスなどとの関連が研究されているが、世帯の人数が及ぼし得る影響は、年齢や性別、配偶者の有無などにより異なる可能性がある。

早期再発TN乳がんへのアテゾリズマブ上乗せ、予後を改善せず(IMpassion132)/ESMO BREAST 2024

 切除不能な局所進行または転移を有する早期再発トリプルネガティブ乳がん(TNBC)患者を対象に、化学療法に抗PD-L1抗体アテゾリズマブを上乗せした第III相IMpassion132試験の結果、PD-L1陽性患者においても予後が改善しなかったことを、シンガポール・国立がんセンターのRebecca A. Dent氏が欧州臨床腫瘍学会乳がん(ESMO Breast Cancer 2024、5月15~17日)で報告した。  IMpassion130試験において、進行TNBCへの1次治療としてのアテゾリズマブ+nab-パクリタキセル併用療法は、PD-L1陽性患者の全生存期間(OS)を改善した。しかし、早期再発TNBCにおけるデータは限られている。そこで研究グループは、治験医師選択の化学療法にアテゾリズマブまたはプラセボを上乗せして、病勢進行または許容できない毒性が認められるまで継続した場合の有効性と安全性を評価した。

片頭痛患者における睡眠障害併存が中枢性感作に及ぼす影響

 片頭痛患者では、睡眠障害が見られることが多く、このことがQOLに影響を及ぼす。また、中枢感作は、片頭痛の重症度や慢性化と関連している可能性がある。獨協医科大学の鈴木 圭輔氏らは、併存する睡眠障害の数が中枢感作の影響を介して頭痛関連障害に及ぼす影響を調査した。Frontiers in Neurology誌2024年2月26日号の報告。  連続した片頭痛患者215例を対象に、横断的研究を実施した。不眠症の定義は、ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)総スコア5超とした。レム睡眠行動障害の可能性は、RBDスクリーニングスコア5以上と定義した。日中の過度な眠気の定義は、エプワース眠気尺度(ESS)スコア10以上とした。睡眠時無呼吸症候群の疑いの定義は、いびきまたは睡眠時無呼吸症候群の症状が3夜/週以上とした。中枢感作の評価には、Central Sensitization Inventory(CSI)を用いた。

少し高い血圧でも脳・心血管疾患のリスクは2倍/横浜市大

 わが国で高血圧は、脳・心血管疾患の死因の第2位であり、働き盛りの健康リスクともなっている。この一方で、若年から中年における血圧分類と心血管疾患(CVD)イベントとの関連に関するエビデンスは乏しかった。そこで、桑原 恵介氏(横浜市立大学 医学部公衆衛生学・大学院データサイエンス研究科)らの研究グループは、関東・東海地方に本社のある企業など10数社による職域多施設共同研究“Japan Epidemiology Collaboration on Occupational Health Study”(J-ECOHスタディ)に参加した高血圧の治療中ではない就労者8万1,876例を9年間追跡調査した。その結果、「少し高い血圧」の段階から脳・心血管疾患の発症リスクが高まることが確認された。この結果は、Hypertension Research誌オンライン版2024年4月8日に掲載された。

取り過ぎた塩分を出す「排塩コントロール」と具体的な指導方法

 10年ほど前に話題になったDASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食。それが今、塩分を排出させる食事として再注目されているようだ。DASH食とは、飽和脂肪とコレステロールの少ない果物、野菜、ナッツ・豆類、低脂肪乳製品、全粒穀類を豊富に摂取することで降圧効果が期待される“塩分の排出に重点を置いた食事療法”で、米国・国立衛生研究所(NIH)などが考案したのを契機に、国内の高血圧治療ガイドライン2019年版でも推奨されている。また、この食事療法に減塩を組み合わせたものはDASH-sodium食と呼ばれ、これまでに十分なエビデンスが報告されている。

マヨネーズをオリーブ油にすると認知症死亡が14%低下

 オリーブ油の摂取と認知症関連死亡との関連はわかっていない。今回、米国・Harvard T.H. Chan School of Public HealthのAnne-Julie Tessier氏らが、9万人超の前向きコホート研究を実施したところ、オリーブ油を1日7g超摂取する人は、まったく/ほとんど摂取しない人と比べて、食事の質によらず認知症関連死亡リスクが3割近く低いことがわかった。また、1日5gのマヨネーズを同量のオリーブ油に置き換えると、認知症関連死亡リスクが14%低下すると推定された。JAMA Network Open誌2024年5月6日号に掲載。

SSRI使用と男性不妊症との関連

 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の使用は、男性の生殖能力に潜在的な影響を及ぼすといわれているが、その正確なメカニズムは十分にわかっているとはいえない。サウジアラビア・King Saud UniversityのJawza F. Alsabhan氏らは、SSRIと男性不妊症との関連を調査した。Journal of Clinical Medicine誌2024年4月7日号の報告。  SSRIによる治療を受け、King Saud Medical Cityの不妊クリニックに通院したサウジアラビア人男性を対象に、カルテレビューをレトロスペクティブに実施した。SSRIを服用している患者の精子パラメータの質をスクリーニングするため、不妊クリニックに通院している男性患者の医療記録を参照した。

日本人統合失調症患者における口腔機能低下

 統合失調症患者の口腔機能の状態は、あまりわかっていない。新潟大学の渡部 雄一郎氏らは、日本人統合失調症入院患者の口腔機能に関して、横断研究を実施した。Neuropsychopharmacology Reports誌オンライン版2024年4月11日号の報告。  日本人統合失調症入院患者130例を対象に、咬合力、舌口唇運動機能、舌圧、咀嚼機能などの口腔機能を測定した。次に、非高齢患者63例と高齢患者67例の口腔機能低下の臨床症状の頻度を比較した。同様に、これまでの日本における研究より高齢対照者98例のデータを用いて、比較を行った。

経口ミノキシジルvs.外用ミノキシジルで有効性を比較

 男性型脱毛症(AGA)治療薬ミノキシジルについて、経口ミノキシジル5mg(1日1回)は外用ミノキシジル5%(1日2回)と比較し、24週間の治療において優越性を示さなかったことが、無作為化比較試験で示された。低用量経口ミノキシジルへの関心が高まっているが、これまでその有効性は比較試験で検証されていなかった。本研究結果は、ブラジル・サンパウロ大学のMariana Alvares Penha氏らによってJAMA Dermatology誌オンライン版2024年4月10日号で報告された。  研究グループは、ブラジルの専門クリニック単施設において、経口ミノキシジル5mg(1日1回)の有効性および安全性を外用ミノキシジル5%(1日2回)との比較で検証する二重盲検無作為化比較試験を行った。

不眠症ガイドラインで初回治療薬として推奨される睡眠薬、日本の臨床で有用なのは?

 不眠症のガイドラインでは、いくつかの睡眠薬が推奨されているが、臨床現場において最も有用な睡眠薬は明らかとなっていない。秋田大学の竹島 正浩氏らは、不眠症に対する初回治療薬としてガイドラインで推奨される睡眠薬による単剤療法の失敗リスクが低い薬剤、単剤療法後の中止率の高い薬剤を特定するため、本研究を実施した。JAMA Network Open誌2024年4月1日号の報告。  2005年4月~2021年3月の日本医療データセンターレセプトデータベースのデータを用いて、レトロスペクティブ観察コホート研究を実施した。対象患者は、不眠症に対する初回治療薬としてガイドラインで推奨される睡眠薬(スボレキサント、ラメルテオン、エスゾピクロン、ゾルピデム、トリアゾラム)による単剤療法を行った成人患者。データ分析は、2022年12月24日~2023年9月26日に実施した。主要アウトカムは、単剤療法の失敗とし、ガイドラインで推奨される睡眠薬による単剤療法を開始してから6ヵ月以内に睡眠薬の変更または追加を行った場合と定義した。副次的アウトカムは、単剤療法の中止とし、単剤療法が失敗しなかった後、6ヵ月以内に2ヵ月連続で睡眠薬を処方しなかった場合と定義した。単剤療法の失敗および中止は、それぞれCox比例ハザードモデル、ロジスティック回帰モデルを用いて比較した。

日本人における果物や野菜の摂取と認知症リスク~JPHC研究

 果物や野菜には、ビタミンC、α-カロテン、β-カロテンなどの抗酸化ビタミンが豊富に含まれている。果物や野菜の摂取が認知症リスクに及ぼす影響を評価したプロスペクティブ観察研究はほとんどなく、結果には一貫性が認められていない。筑波大学の岸田 里恵氏らは、日本人における果物や野菜の摂取と認知症リスクとの関連を調査した。The Journal of Nutrition誌オンライン版2024年4月8日号の報告。  2000~03年(ベースライン時)に50~79歳の4万2,643例を対象としたJPHCプロスペクティブ研究(Japan Public Health Center-based Prospective Study)においてフォローアップ調査を実施した。食事による果物および野菜の摂取量、関連する抗酸化ビタミン(α-カロテン、β-カロテン、ビタミンC)の摂取量は、食事摂取頻度調査票(FFQ)を用いて収集した。認知障害の診断は、2006~16年の介護保険制度における認知症に係る日常生活障害の状況に基づいて行った。認知障害に関するハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)は、潜在的な交絡因子で調整した後、エリア層別Cox比例ハザードモデルを用いて推定した。摂取量の最低四分位と比較した最高四分位の多変量HRを算出した。

双極性障害や統合失調症における向精神薬治療関連の重篤な薬剤性有害事象

 気分安定薬や向精神薬は、重篤な薬剤性有害事象(ADE)を引き起こす可能性がある。しかし、その発生率は明らかではない。スウェーデン・ウメオ大学のPetra Truedson氏らは、双極性障害または統合失調感情障害の患者における重篤なADEの発生率、リチウムの影響、原因を明らかにする目的で本研究を実施した。Frontiers in Psychiatry誌2024年4月3日号の報告。  本研究はLiSIE(Lithium-Study into Effects and Side Effects)レトロスペクティブコホート研究の一部として行われた。2001~17年、スウェーデン・ノールボッテン地方で双極性障害または統合失調感情障害と診断された患者を対象に、重大な結果をもたらした、麻酔後ケアユニットまたは集中治療を要した、向精神薬による重篤なADEをスクリーニングした。重篤なADEの発生率は、1,000人年当たりで算出した。

マイナ保険証が患者を救う!?使ってもらうための実例紹介/日本健康会議

 昨年の7月にCareNet.comではマイナンバーカードの健康保険証利用の普及に先駆け、医師のマイナ保険証の取得率や自施設のカードリーダー設置率を調査した。その結果、「マイナンバーカードと保険証の連携手続きが済んでいる」と回答した医師は約6割にのぼり、カードリーダー設置率も6割を超えていた。ところが、国民のマイナ保険証利用率を直近の令和6年3月時点のデータで見ると、病院12.59%、歯科診療所10.27%、医科診療所5.22%、薬局4.17%と、今年12月に紙の保険証が廃止される状況下としてはなんとも心もとない。

術後の静脈血栓塞栓リスク、最も高いがんは?

 がん手術後の静脈血栓塞栓のリスク増加を、がん種別に評価した研究結果が発表された。スウェーデン・カロリンスカ研究所のJohan Bjorklund氏らによる本研究結果は、JAMA Network Open誌2024年2月2日号に掲載された。  本試験は1998~2016年のスウェーデンの全人口データを用いた後ろ向きコホート研究であった。膀胱がん、乳がん、大腸がん、婦人科がん、腎臓・上部尿路上皮がん、肺がん、前立腺がん、胃・食道がんの8種のがんで手術を受けた全患者を、非がんの一般集団と1対10の割合でマッチさせた。データは2023年2月13日~12月5日に解析された。

統合失調症患者における入院中の抗精神病薬切り替えと再入院リスク

 米国・コロンビア大学のYihe Nina Gao氏らは、統合失調症入院患者における抗精神病薬の切り替えパターンを調査し、抗精神病薬の切り替えと再入院リスクとの関連を評価した。Schizophrenia Research誌2024年5月号の報告。  対象は、2017~18年にニューヨーク州メディケイド請求より抽出した入院前後の44日間(1ヵ月+猶予期間14日間)で抗精神病薬を処方された統合失調症または統合失調感情障害の入院患者3,295例。初回入院前後に抗精神病薬の継続または変更を行った患者を特定した。患者の特徴に合わせ調整した後、抗精神病薬継続群と切り替え群との比較を行った。

降圧薬を開始・追加した高齢者は〇〇に注意?

 高齢者は転倒リスクの1つである起立性低血圧が生じやすい。そこで、米国・Rutgers UniversityのChintan V. Dave氏らの研究チームは、降圧薬が高齢者の骨折リスクへ及ぼす影響を検討した。その結果、降圧薬の開始・追加は骨折や転倒、失神のリスクを上昇させた。本研究結果は、JAMA Internal Medicine誌オンライン版2024年4月22日号で報告された。  研究チームは、2006~19年に長期介護施設へ入所した米国の退役軍人2万9,648人を対象に、target trial emulationの手法を用いた後ろ向きコホート研究を実施した。50個以上の共変量について1:4の割合で傾向スコアマッチングを行い、降圧薬の開始・追加後30日以内の骨折の発生リスクを評価した。認知症の有無、収縮期血圧(140mmHg以上/未満)、拡張期血圧(80mmHg以上/未満)、降圧薬の使用歴、年齢(80歳以上/未満)別のサブグループ解析も実施した。さらに、入院または救急受診を要する重度の転倒、失神のリスクも評価した。なお、降圧薬の開始・追加は、過去4週間以内に降圧薬を使用していない患者の降圧薬の使用、または過去4週間に使用している降圧薬とは別のクラスの降圧薬の追加と定義した。