医療一般|page:147

アレジオン眼瞼クリームは世界初、「塗る」アレルギー性結膜炎治療薬/参天

 参天製薬などは、5月22日、持続性・経眼瞼アレルギー性結膜炎治療剤「アレジオン眼瞼クリーム0.5%」(一般名:エピナスチン塩酸塩、以下アレジオンクリーム)の発売を開始したと発表した。塗布するクリームタイプのアレルギー性結膜炎治療薬は世界初となる。  国内で無症状期のアレルギー性結膜炎患者を対象として行われた第III相試験(プラセボ対照無作為化二重盲検比較試験)では、アレルギー性結膜炎の主症状である眼そう痒感スコアおよび結膜充血スコアにおいて、アレジオンクリームのプラセボ眼瞼クリームに対する優越性が検証された。また、長期投与試験において認められた副作用は眼瞼そう痒症 1.6%(2/124例)および眼瞼紅斑0.8%(1/124例)で、重篤な副作用は認められなかった。

Grade1のILD回復後のT-DXdによる再治療、7割弱でILD再発なし/ESMO BREAST 2024

 トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)によるがん治療におけるGrade1の間質性肺疾患(ILD)発症後、回復および適切な管理の実施後であれば、T-DXd再投与が有用な可能性が示唆された。米国・UCSF Helen Diller Family Comprehensive Cancer CenterのHope S.Rugo氏が乳がん、肺がん、胃がんなど9つの臨床試験の後ろ向きプール解析結果を欧州臨床腫瘍学会乳がん(ESMO Breast Cancer 2024、5月15~17日)で報告した。T-DXdによる再治療を受けた患者の約69%は減量しておらず、約67%はILDの再発がなかった。また約18%は1年超再治療を継続していた。

日本のプライマリケアにおける危険な飲酒やアルコール依存症患者のまん延状況

 岡山県精神科医療センターの宋 龍平氏らは、日本のプライマリケア患者における危険な飲酒と潜在的なアルコール依存症との関係を調査し、患者の変化への準備状況や他者の懸念に対する患者の意識を評価した。General Hospital Psychiatry誌オンライン版2024年4月4日号の報告。  2023年7〜8月、クラスターランダム化比較試験の参加者を対象としたスクリーニング調査として、多施設横断的研究を実施した。対象は、20〜74歳のプライマリケア診療所の外来患者。危険な飲酒とアルコール依存症疑いの有病率、患者の変化への準備状況、他者の懸念に対する患者の意識を評価するため、アルコール依存症チェックシート(AUDIT)および自己記入式アンケートを用いた。

外用抗菌薬の鼻腔内塗布でウイルス感染を防御?

 抗菌薬のネオマイシンを鼻の中に塗布することで、呼吸器系に侵入したウイルスを撃退できる可能性があるようだ。新たな研究で、鼻腔内にネオマイシンを塗布された実験動物が、新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスの強毒株の両方に対して強力な免疫反応を示すことが確認された。さらに、このアプローチはヒトでも有効である可能性も示されたという。米イェール大学医学部免疫生物学部門教授の岩崎明子氏らによるこの研究結果は、「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」に4月22日掲載された。

ゾルベツキシマブ併用化学療法への適切な制吐薬の対応/日本癌治療学会

 5月22日に薬価収載された「CLDN18.2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃がん」を適応症とする抗Claudin18.2抗体薬ゾルベツキシマブ(商品名:ビロイ)。ゾルベツキシマブはCLDN18.2陽性(免疫染色にて75%以上のがん細胞において発現が2+以上)の治癒切除不能な進行・再発の胃がんの治療成績の向上が期待される。その一方で、臨床試験の段階で催吐性が高いことも報告されていた。  この背景を踏まえ、今回、制吐薬適正使用ガイドライン改訂ワーキンググループの青儀 健二郎氏(同 委員長)らは、ゾルベツキシマブの導入に際し、日常診療において適切な制吐療法を遅滞なく行うことができるよう、『HER2陰性CLDN18.2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃がんに対するゾルベツキシマブ併用一次化学療法における制吐療法』に関する速報1)を日本癌治療学会のホームページに公開した。

糖尿病診療GL改訂、運動療法では身体活動量の評価と増加に注目/日本糖尿病学会

 日本糖尿病学会より、5年ぶりの改訂となる『糖尿病診療ガイドライン2024』が5月23日に発表された。5月17~19日に第67回日本糖尿病学会年次学術集会が開催され、シンポジウム9「身体活動増加を可能にする社会実装とは何か?」において、本ガイドラインの第4章「運動療法」を策定した加賀 英義氏(順天堂大学医学部附属順天堂医院 糖尿病・内分泌内科)が本章の各項目のポイントについて解説した。  本ガイドライン第4章「運動療法」の構成は以下のとおり。

うつ病の症状とせん妄リスクとの関係~プロスペクティブコホート研究

 せん妄やうつ病は、加齢とともに増加する。両疾患には、アルツハイマー病、機能低下、死亡などの共通の症状や併存疾患の面で、臨床的に重複するものが多い。しかし、うつ病とせん妄の長期的な関連性は、よくわかっていない。米国・ブリガム・アンド・ウィメンズ病院のArlen Gaba氏らは、高齢入院患者を対象に、抑うつ症状負担およびその経過とせん妄リスクとの関連を評価するため、12年間のプロスペクティブ研究を実施した。Innovation in Aging誌2024年3月13日号の報告。

転移乳がんへのDato-DXd、とくに注目すべきTRAEの発現率は?(TROPION-Breast01)/ESMO BREAST 2024

 化学療法の前治療歴のある手術不能または転移を有するHR陽性(+)/HER2陰性(-)の乳がん患者を対象として、抗TROP2抗体薬物複合体datopotamab deruxtecan(Dato-DXd)と医師選択化学療法の有効性と安全性を比較した第III相TROPION-Breast01試験の安全性解析の結果、Dato-DXd群ではGrade3以上の治療関連有害事象(TRAE)の発現は半数以下で、投与中断/減量に至る割合が少なく、とくに注目すべきTRAE(AESI)として規定されていた口内炎/口腔粘膜炎、眼表面障害、薬剤関連間質性肺疾患(ILD)はいずれも低Gradeであったことを、米国・Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのKomal Jhaveri氏が欧州臨床腫瘍学会乳がん(ESMO Breast Cancer 2024、5月15~17日)で報告した。

NSCLCへのICI、抑うつ・不安が効果を減弱か/Nat Med

 抑うつや不安などの精神的苦痛は、がん患者において、抗腫瘍免疫応答を損なう可能性がある。実際に、悪性黒色腫患者を対象とした研究では、精神的苦痛が免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の効果を低下させたことが報告されている。そこで、中国・中南大学のYue Zeng氏らの研究グループは、非小細胞肺がん(NSCLC)患者における抑うつ・不安とICIの治療効果の関連を調べた。その結果、治療開始前に抑うつ・不安を有する患者は、無増悪生存期間(PFS)や全生存期間(OS)、奏効率(ORR)が不良であった。本研究結果は、Nature Medicine誌オンライン版2024年5月13日号で報告された。

風邪の予防・症状改善に亜鉛は有用か?~コクランレビュー

 風邪症候群の予防や症状持続期間の短縮に関して、確立された方法はいまだ存在しない。しかし、この目的に亜鉛が用いられることがある。そこで、システマティック・レビューおよびメタ解析により、風邪症候群の予防や症状改善に関する亜鉛の効果が検討された。その結果、亜鉛には風邪症候群の予防効果はないことが示唆されたが、症状持続期間を短縮する可能性が示された。Maryland University of Integrative HealthのDaryl Nault氏らがThe Cochrane Database of Systematic Reviews誌2024年5月9日号で報告した。

高リスクHR+/HER2-乳がんの術前療法、レトロゾール+アベマシクリブ12ヵ月投与vs.化学療法(CARABELA)/ESMO BREAST 2024

 高リスクのHR+/HER2-早期乳がんに対する術前療法として、レトロゾール+アベマシクリブ12ヵ月投与を化学療法と比較した第II相無作為化非盲検CARABELA試験で、主要評価項目であるResidual Cancer Burden(RCB)インデックス0~Iの割合は達成できなかったが、臨床的奏効率(CRR)は同様であった。スペイン・Instituto de Investigacion Sanitaria Gregorio MaranonのMiguel Martin氏が、欧州臨床腫瘍学会乳がん(ESMO Breast Cancer 2024、5月15~17日)で報告した。

がん診療に携わるすべての人のレベルアップ目指しセミナー開催/TCOG

 東京がん化学療法研究会(TCOG)は、第24回臨床腫瘍夏期セミナーをオンラインで開催する。  同セミナーは、がん診療に携わる医師、薬剤師、看護師、臨床研究関係者、製薬会社、CROなどを対象に、治療の最新情報、臨床研究論文を理解するための医学統計などさまざまな悪性腫瘍の基礎知識から最新情報まで幅広く習得できるよう企画している。

1日3杯以上のコーヒーがメタボの重症度を低下

 コーヒーの摂取がメタボリックシンドローム(MetS)の総合的な重症度の低下と関連している一方で、カフェインレスコーヒーや紅茶ではその関連が認められなかったことを、中国・Peking Union Medical College HospitalのHe Zhao氏らが明らかにした。European Journal of Nutrition誌オンライン版2024年5月4日号掲載の報告。  これまでの研究により、コーヒー摂取がMetSに良い影響をもたらすことが示唆されているが、いまだ議論の余地がある。そこで研究グループは、2003~18年の国民健康栄養調査のデータ(1万4,504例)を用いて、コーヒーやカフェインレスコーヒー、紅茶摂取とMetSの重症度との関係を線形回帰で分析した。MetSの重症度はMetS zスコアとして総合的に評価した。サブグループ解析では、NCEP/ATP III基準を用いてMetS群と非MetS群に分類して解析した。

COVID-19前後のベンゾジアゼピン受容体関連精神疾患とOTC関連精神疾患の比較

 北九州市立精神保健福祉センターの宇佐美 貴士氏らは、2018年および2022年に実施した「全国の精神科医療施設における薬物関連精神疾患の実態調査」のデータに基づき、COVID-19前後でのベンゾジアゼピン受容体アゴニスト(BZRA)または市販薬(OTC)の乱用患者における臨床的特徴の変化を調査した。Neuropsychopharmacology Reports誌オンライン版2024年4月15日号の報告。  2つの調査のデータベースより、薬物乱用の主薬としてBZRAまたはOTCを使用した患者のデータを収集した。人口動態変数、教育、雇用、犯罪歴、前年の薬物使用、精神医学的診断、乱用した薬物の種類について、比較を行った。

高リスク早期乳がんへのテーラードdose-dense化学療法、10年時解析で無再発生存期間を改善(PANTHER)/ESMO BREAST 2024

 高リスク早期乳がん患者において、テーラードdose-dense化学療法は標準化学療法と比較して10年間の乳がん無再発生存期間(BCRFS)を改善し、新たな安全性シグナルは確認されなかった。スウェーデン・カロリンスカ研究所のTheodoros Foukakis氏が、第III相PANTHER試験の長期追跡調査結果を欧州臨床腫瘍学会乳がん(ESMO Breast Cancer 2024、5月15~17日)で報告した。 ・対象:18~65歳、リンパ節転移陽性もしくは高リスクリンパ節転移陰性で、初回手術後の乳がん患者 ・試験群(tdd群):白血球最下点を基にエピルビシン+シクロホスファミドを2週ごと4サイクル、その後ドセタキセルを2週ごと4サイクル(用量は前サイクルの血液毒性に応じて調整) ・対照群(標準化学療法群):フルオロウラシル+エピルビシン+シクロホスファミドを3週ごと3サイクル、その後ドセタキセルを3週ごと3サイクル ・評価項目: [主要評価項目]BCRFS [副次評価項目]副次評価項目は5年無イベント生存期間(EFS)、遠隔無病生存期間(DDFS)、全生存期間(OS)、Grade3/4の有害事象発現率

日本人高齢者の認知症発症を予測するバイオマーカー

 九州大学の小原 知之氏らは、血漿アミロイドβ(Aβ)42/40、リン酸化タウ(p-τ)181、グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)、ニューロフィラメント軽鎖(NfL)と認知症リスクとの関連を評価し、これらの血漿バイオマーカーが、一般的な高齢者集団の認知症発症予測の精度向上につながるかを調査した。Psychiatry and Clinical Neurosciences誌オンライン版2024年4月12日号の報告。  非認知症の65歳以上の地域在住日本人高齢者1,346人を対象に、5年間のプロスペクティブフォローアップ調査を実施した。血漿バイオマーカーは、超高感度オートELISA Simoa HD-X Analyzerを用いて、定量化した。認知症リスクに対する各血漿バイオマーカーレベルのハザード比を推定するため、Cox比例ハザードモデルを用いた。

AI耐性HR+進行乳がんへのカピバセルチブ上乗せ、長期的ベネフィット(CAPItello-291)/ESMO BREAST 2024

 第III相CAPItello-291試験において、アロマターゼ阻害薬(AI)耐性のホルモン受容体陽性(HR+)/HER2陰性(HER2-)進行乳がんに対するフルベストラントへのAKT阻害薬カピバセルチブの追加は、PIK3CA、AKT1、またはPTEN遺伝子変異を有する患者および全体集団において無増悪生存期間(PFS)を有意に改善したことが報告されている。米国・UCSF Helen Diller Family Comprehensive Cancer CenterのHope S. Rugo氏は欧州臨床腫瘍学会乳がん(ESMO Breast Cancer 2024、5月15~17日)で、同試験のPFS2(無作為化から2次治療開始後の増悪または死亡までの期間)およびTFSC(無作為化から最初の化学療法開始または死亡までの期間)のデータを報告した。

医師の燃え尽き防止、同僚のコーチングは役立つか?

 4月から医師の働き方改革がスタートし、労働時間の制約が強まるなか、医師の仕事における過度なストレスや燃え尽き症候群(バーンアウト)への対策は依然として課題であり、よりエビデンスに基づいたアプローチが求められている。医師がコーチングの訓練を受け、同僚に働きかけることで燃え尽き症候群を予防できるのかを検証した、米国・マサチューセッツ総合病院のStephanie B. Kiser氏らによる研究結果が発表された。JAMA Network Open誌2024年5月1日号掲載の報告。

クロザピン導入前後12年間の調査~日本における統合失調症に対する薬物療法の変化

 日本における統合失調症に対する精神科薬物療法は、多剤併用療法が行われてきた長い歴史がある。これは、世界的にまれではあるが、依然として重大な問題である。その理由の1つとして、日本では2009年までクロザピンが使用できなかったことが挙げられる。岡山県精神科医療センターの北川 航平氏らは、統合失調症に対する薬物療法がクロザピン導入により、どのように変化したのかを明らかにするため、クロザピン導入前後の12年間にわたる統合失調症に対する精神科薬物療法の変化を調査した。Asian Journal of Psychiatry誌2024年6月号の報告。

高齢者が住むのに死亡リスクが低いのは持ち家か賃貸か/東京大・千葉大

 私たちの生活で欠かせないものの1つに住宅がある。都市部では、持ち家よりも賃貸住宅が多くなるが、賃貸住宅も民間のもの、公団や公社、都営・市営などの公的賃貸住宅に分かれる。  賃貸住宅居住者は、持ち家居住者よりも社会経済的に不利な立場に置かれる傾向があるにもかかわらず、これまで持ち家居住者と比較した民間と公的賃貸住宅居住者の死亡リスクは不明のままであった。  そこで古賀 千絵氏(東京大学先端科学技術研究センター)と花里 真道氏(千葉大学予防医学センター)からなる研究チームは、9市町村の4万4,007人の高齢者を2010年から約9年間追跡し、居住住宅の種類と死亡リスクの関連を検証した。その結果、持ち家居住者が最も死亡リスクが低く、賃貸住宅の中では公的賃貸住宅に住む高齢者で最も死亡リスクが低いという結果だった。これらの結果はScientific Reports誌2024年3月30日号に掲載された。