ジャーナル四天王(NEJM ・ Lancet ・ JAMA ・ BMJ )最新ニュース|page:206

ワクチン接種時の幼児に対する解熱薬のルーチンな予防投与は推奨されない

幼児に対するワクチン接種時のパラセタモール(別名アセトアミノフェン)の予防投与により、発熱の発症率は有意に低減するものの、ワクチン抗原に対する抗体反応を減弱させる場合があることがわかった。チェコ共和国・防衛大学陸軍保健科学部のRoman Prymula氏らの検討で判明したもので、同氏は「それゆえ、パラセタモールのルーチンの予防投与は推奨されない」としている。発熱はワクチン接種後の正常な炎症反応の一種だが、高熱や熱性痙攣の緩和を目的に解熱薬の予防投与が推奨されることがあるという。Lancet誌2009年10月17日号掲載の報告。

末期腎疾患高齢患者への透析導入はADLの持続的な低下と強く関連

末期腎疾患高齢患者への透析導入は、日常生活動作を障害してしまうことが報告された。スタンフォード大学腎臓学部門のManjula Kurella Tamura氏らが、アメリカで末期腎疾患(ESRD)の高齢患者で透析導入が増えていることを受け、有益性を調べるために行った調査で明らかになった。透析開始後1年死亡率は、70歳以上では35%超、80歳以上では50%超とされる一方、延命効果やQOLへの効果は不確かなままであることが調査の背景にあった。NEJM誌2009年10月15日号より。

認知症が進行した人の末期の臨床経過が明らかに

認知症が進行した患者は、肺炎、発熱エピソード、食事に関する問題が頻繁に起き、それらが6ヵ月死亡率を高めていることが明らかにされた。アメリカで認知症が主要な死因として増えていることを踏まえ、ボストンにあるHebrew SeniorLife Institute for Aging ResearchのSusan L. Mitchell氏らが、末期病態としての認知症の臨床経過を明らかにすることを目的に、ナーシングホーム入所者で認知症が進行した人を対象に調査を行った。NEJM誌2009年10月15日号より。

深夜手術執刀後同日の手術、医師の睡眠時間が6時間以下の場合のみ合併症リスクが1.7倍に

医師が深夜0時以降、手術に臨み執刀し、同日の日中に別の手術をした場合、深夜手術後の睡眠時間が6時間以下の場合には6時間超の場合に比べて、合併症発症リスクが約1.7倍に増大することが報告された。一方、睡眠時間を考慮に入れず勤務時間(12時間以上・未満で比較)だけで検討した場合の合併症リスクには有意差は見られなかったという。米国ボストンにあるブリガム&ウィメンズ病院総合内科/プライマリ・ケア部門のJeffrey M. Rothschild氏らが、経験ある医師200人超を対象に行った試験で明らかにしたもので、JAMA誌2009年10月14日号で発表した。これまで、経験ある医師の労働時間や睡眠時間、患者の安全性について調べた研究結果は、ほとんどないという。

約75%が乳房温存手術を選択も、約12%が後に乳房切除術を実施:米国乳がん患者

米国の乳がん患者の約75%が、初回手術として乳房温存手術を選択しているようだ。そのうち約12%が、再手術で乳房切除術を実施している。米国Memorial Sloan-Kettering Cancer CenterのMonica Morrow氏らが、約3,000人を対象に行った調査で明らかになったもので、JAMA誌2009年10月14日号で発表した。米国では、乳がん治療における乳房切除術の過剰実施が懸念されている。

新型インフルに、季節性インフルワクチン有効か?:メキシコからの最新報告

新型インフルエンザウイルス(汎発性2009インフルエンザA/H1N1)に対し、2008~2009年の季節性インフルエンザ3価不活化ワクチンが限定的ではあるが一定の有効性を示すことが、メキシコ国立衛生研究所のLourdes Garcia-Garcia氏らが行った症例対照研究で示唆された。特に重症例に対する効果が期待されるという。2009年4~6月にかけて、新型インフルエンザA/H1N1の感染確定例が報告され、WHOは感染爆発(パンデミック)の警戒レベルをフェーズ3から6へ引き上げた。7月6日までに、122ヵ国から公式に報告された感染例数は9万4,512件にのぼった。これまで、季節性インフルエンザワクチンは新型インフルエンザウイルスに対する有効性をほとんどあるいはまったく持たないと考えられていた。BMJ誌2009年10月10日号(オンライン版2009年10月6日号)掲載の報告。

喫煙/高血圧/高コレステロール血症で、寿命が10年短縮:1万9,000人、38年の追跡結果

3つの主要な心血管リスク因子(喫煙、高血圧、高コレステロール血症)が見られる中年男性は、リスク因子がまったくない場合に比べ、50歳以降の平均余命が約10年も短くなることが、イギリスOxford大学臨床試験・疫学研究部のRobert Clarke氏らが実施したコホート研究(Whitehall試験)で明らかとなった。あわせて、他の因子も加味したリスクスコアの最高層と最低層では、平均余命に15年もの差があることも示された。イギリスでは、1970年初頭をピークに心血管疾患死が急速に低減し、その結果として平均寿命は延長している。その主な理由は、これら3つのリスク因子の改善と既存の血管疾患の治療法の進歩だという。BMJ誌2009年10月10号(オンライン版9月17日号)掲載の報告。

神経痛に対するノルトリプチリンとガバペンチン、単剤よりも併用が有用

神経痛の治療では、ノルトリプチリン(商品名:ノリトレン)あるいはガバペンチン(同:ガバペン)を、単剤で使用するよりも両薬剤を併用投与するほうが高い鎮痛効果が得られることが、カナダ・クイーンズ大学麻酔科のIan Gilron氏らが実施したクロスオーバー試験で明らかとなった。これら2剤は神経因性疼痛の第1選択薬だが、単剤では最大耐用量を用いても60%以上の鎮痛効果が得られることはまれで、除痛は患者の40~60%でしか達成されないという。併用投与することで効果、耐用性がともに増強し、相加的あるいは相乗的な鎮痛効果が得られるのではないかと期待されていた。Lancet誌2009年10月10日号(オンライン版2009年9月30日号)掲載の報告。

併用ホルモン補充療法は閉経後女性の肺がん死を増やす:WHI試験の事後解析

閉経後女性に対するエストロゲンとプロゲスチンの併用ホルモン補充療法は、肺がんの発症率には影響しないが、肺がん死を増加させることが、アメリカHarbor-UCLA医療センターLos Angelesバイオメディカル研究所のRowan T Chlebowski氏らが行ったWomen’s Health Initiative(WHI)試験の事後解析で示された。併用ホルモン補充療法は骨折や結腸・直腸がんのリスクを減少させるものの、心血管疾患、冠動脈心疾患、脳卒中、静脈血栓塞栓症、乳がんのリスクを増大させることがわかったため、WHI試験は早期中止となっている。Lancet誌2009年10月10日号(オンライン版2009年9月20日号)掲載の報告。

肝がん患者、miRNA発現量低くてもインターフェロン治療には反応

肝細胞がんは一般に男性に多く見られる悪性のがんである。米国National Cancer InstituteのJunfang Ji氏ら研究グループは、肝細胞がんを有する男女の患者を対象に、遺伝子発現に関わり発がん過程との関連が注目されているmicroRNA(miRNA)の、男女別の発現パターン、および患者生存期間との関わり、インターフェロンαに対する反応を調べた。その結果、発現量は女性で高く、男性では低いこと、また発現量が低い患者ほど生存期間が短いこと、ただしインターフェロンαに対する反応は発現量が低くても良好であることが明らかになったと報告した。NEJM誌2009年10月8日号より。

心筋梗塞後早期の植込み型除細動器、総死亡率低下には寄与せず

 心突然死を含む死亡率は心筋梗塞後早期が最も高いが、現在のガイドラインでは、心突然死予防のための、心筋梗塞後40日以内の植え込み型除細動器(ICD)適応手術を推奨していない。ドイツ・ミュンヘン大学のGerhard Steinbeck氏らのIRIS試験グループは、ハイリスク患者にとっては早期ICD施行が、薬物治療のみを受けるよりも、より長期の生存をもたらすとの仮説を立て検証を行った。NEJM誌2009年10月8日号より。

医薬品の保険収載、イギリス、豪、カナダ間では格差が

イギリス、オーストラリア、カナダでは、公的保険対象の医薬品リストへの収載可否については、いずれも医薬品の効果や費用対効果のエビデンスに基づいて決められているものの、それでも各国の承認状況には格差があることが、カナダCalgary大学のFiona M. Clement氏らの調べで明らかになった。先進国では、医療費の中でも医薬品コストの増大が問題となってきている。JAMA誌2009年10月7日号掲載より。

出生時超低体重児へのラクトフェリン投与、遅発性敗血症リスクを6~7割低減

イタリアS. Anna HospitalのPaolo Manzoni氏らは無作為化プラセボ対照二重盲検試験の結果、出生時体重1,500g未満の乳児に、牛乳中に含まれるラクトフェリンを投与することで、遅発性敗血症リスクを、6~7割低減できることが明らかになったと報告した。ラクトフェリンは、哺乳類の乳に含まれるグリコプロテインで、先天性免疫生体防御系に関連している。JAMA誌2009年10月7日号で発表した。

インフルエンザ感染拡大予防は、シンプル・低コストの手洗い・マスク対策から

世界的な新型インフルエンザのパンデミックが懸念される中、Tom Jefferson氏らイタリア・Cochrane Collaboration急性呼吸器感染症研究グループは、呼吸器系ウイルスの感染防御策に関するシステマティックレビュー解析を行い、BMJ誌2009年10月3日号(オンライン版2009年9月22日号)で報告した。結果は、より低コストな対策(手洗い、マスク着用、外出規制・自粛の要請)については効果的とのエビデンスが確認されたが、高コストの対策については確たるエビデンスは確認できていないことが明らかになったという。

臨床医のためのMedline論文検索、機能アップへの取り組み

カナダ・西オンタリオ大学腎臓病学部門のAmit X Garg氏らは、臨床医がより使いやすいMedlineの論文検索システムの開発に取り組んでいる。データベースで最も人気が高いMedlineでは、PubMed検索が毎年約8億件に上り、そのうち約15%(2002年時点)が臨床医によるものだという。また2009年2月現在、5,363誌からの1800万件の論文が電子データベース化され、毎週新たに12,500件の論文が追加されている。そこでGarg氏らは、フィルタ検索機能を開発。本論はその検索機能改善の取り組みからの報告。BMJ誌2009年10月3日号(オンライン版2009年9月18日号)掲載より。

大統領が曝露したダイオキシンの体内動態を解明

現ウクライナ大統領ヴィクトル・ユシチェンコ氏は、大統領選挙期間中の2004年9月、突然の中毒症状をきたした。スイスGeneva大学病院皮膚毒物学のO Sorg氏らは、中毒の原因物質として2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p-dioxin(TCDD)を同定し、その体内動態の調査結果とともに今後の対処のしかたについてLancet誌2009年10月3日号(オンライン版2009年8月5日号)で報告を行った。TCDDは、高脂溶性でほとんどあるいはまったく代謝されないため、ヒトにおける半減期は5~10年ときわめて長期に及ぶとされるという。

頭部外傷患児に対する不要なCT検査を回避できる予測ルールが確立された

新たに導出された予測ルールを用いれば、頭部外傷後の子どものうち臨床的に重大な外傷性脳損傷(ciTBI)のリスクが低い患児を同定して、不要なCT検査を回避できることが、アメリカCalifornia大学医学部Davis校救急医療部のNathan Kuppermann氏らPECARN(Pediatric Emergency Care Applied Research Network)の研究グループによって明らかにされた。外傷性脳損傷は子どもの死亡および身体障害の主要原因であり、脳手術など緊急の介入を要するciTBIの患児を迅速に同定する必要がある。頭部外傷小児に対するCT検査は、放射線被曝による悪性腫瘍のリスクがあるため、CTが不要な低リスク例を同定する方法の確立が切望されていた。Lancet誌2009年10月3日号(オンライン版2009年9月15日号)掲載の報告。

周産期の仮死性脳症を呈した新生児への低体温療法は有効か?

新生児仮死は世界的に罹患率、死亡率が高く、患児、家族、そして社会全体にも大きな負担となり、転帰改善への取り組みが必要とされている。仮死性脳症をめぐっては、実験的に、体温を正常レベルより3~5°C低下させることで、脳損傷を減じ、仮死後の神経機能転帰を改善することが明らかになっているが、低体温療法が仮死性脳症を呈した新生児の神経学的転帰を改善するかどうかは明らかにされていない。英国インペリアル・カレッジ・ロンドンのDenis V. Azzopardi氏(ハマースミス病院)らのグループは、妊娠期間36週以上で、周産期の仮死性脳症を呈した生後6時間未満児を対象とする、低体温療法介入に関する無作為化試験を実施した。NEJM誌2009年10月1日号掲載より。

軽度妊娠糖尿病への治療介入

米国オハイオ州立大学産婦人科のMark B. Landon氏らは、軽度の妊娠糖尿病と診断された妊婦への治療介入を行い、妊娠転帰が改善するかを無作為化試験で検証した。米国では全妊娠の1~14%の頻度で生じており、妊娠糖尿病になるとその後糖尿病になるリスクが増すことは認識されている。しかしこれまで妊娠糖尿病の妊娠転帰への臨床上の影響および、治療介入による改善などについては明らかになっていない。NEJM誌2009年10月1日号掲載より。

医学生によるネット上の不適切表現、規制方針を設けている医学部は4割弱

米国ジョージワシントン大学医学部のKatherine C. Chretien氏らの調査で、インターネット上のブログやソーシャルネットワーキングサイトなどを通じて情報を発信する医学生に対し、サイト上での不適切表現の使用を規制する方針を設けている学校は、4割に満たないとの実態が明らかになった。JAMA誌2009年9月23/30日号掲載より。