boceprevir追加により、C型慢性肝炎の持続的ウイルス陰性化率が約2倍に

未治療のC型肝炎ウイルス(HCV)ジェノタイプI型感染患者では、標準治療であるペグインターフェロンα-2b(商品名:ペグイントロン)+リバビリン(同:レベトール、コペガス)による導入療法後にboceprevirを追加する治療法が、標準治療単独に比べ持続的ウイルス陰性化率(SVR)を約2倍にまで改善することが、アメリカ・インディアナ大学医学校のPaul Y Kwo氏らが実施した無作為化第II相試験(SPRINT-1試験)で示された。標準治療は免疫系を刺激することで非特異的にウイルスの複製を抑制するもので、SVRは50%以下にすぎない。NS3プロテアーゼ阻害薬であるboceprevirはウイルス複製に重要な蛋白を阻害する「直接作用的抗ウイルス薬」と呼ばれる薬剤の一つであり、標準治療による導入療法の薬剤血中濃度が最適化された時点でこれを追加併用投与するアプローチの有用性に期待が集まっているという。Lancet誌2010年8月28日号(オンライン版2010年8月9日号)掲載の報告。