末期患者の呼吸困難、緩和的酸素吸入は有効か?

末期的病態の患者の難治性呼吸困難の症状緩和では、鼻カニューレによる緩和的酸素吸入療法の効果は室内空気吸入療法と変わらないことが、アメリカ・デューク大学医療センター腫瘍内科のAmy P Abernethy氏らが行った無作為化試験で明らかとなった。末期的病態では、心不全の65%、肺がんの70%、COPDの90%で重篤な呼吸困難がみられ、死亡に至る過程で慢性的に増強してQOLや精神的健康、社会的機能が徐々に損なわれる。長期的な酸素吸入が不適な末期的病態の患者の呼吸困難の治療法として、緩和的酸素吸入が広く行われているが、そのベネフィットは明確ではないという。Lancet誌2010年9月4日号掲載の報告。