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統合失調症スペクトラム障害と感情精神病の発症リスク要因は

 統合失調症スペクトラム障害(SSD)と感情精神病(AP)には、特徴的で共通の発症前リスク要因として、産科合併症、小児期の精神病理、認知障害、運動障害などがあることが示された。オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のKristin R. Laurens氏らが、システマティックレビューにより明らかにした。こうした共通の発症前リスクを特定することは、病因学的仮説を改良し、ターゲットを絞った予防的介入に実行に役立つ可能性がある。BMC Psychiatry誌2015年8月25日号の掲載報告。

生命を脅かす疾患 「低ホスファターゼ症」に光明

 アレクシオンファーマ合同会社(以下、アレクシオン)の主催により、「周産期・乳児期で生命を脅かす危険性が高い“低ホスファターゼ症”初の治療薬登場で変わる治療現場」をテーマに、メディアセミナーが2015年9月17日、東京都千代田区で開催された。冒頭で、同社社長ヘルマン・ストレンガー氏より低ホスファターゼ症(Hypophosphatasia:HPP)治療薬、ストレンジックの日本における開発経緯について説明が行われた。

乾癬へのアダリムマブの有効性 ―米国市販後10年調査の中間報告

 中等症~重症の尋常性乾癬患者を対象としたアダリムマブ(商品名:ヒュミラ)の実臨床における長期安全性と有効性を評価する10年間の市販後調査(ESPRIT)が進行中であるが、最初の5年間において未知の有害事象は認められず、死亡者数も予想を下回っており、安定した有効性が得られていることが、米国・ベイラー大学のAlan Menter氏らによる中間解析で明らかになった。Journal of the American Academy of Dermatology誌2015年9月号の掲載報告。

これからのうつ病治療、どんな介入を行うべきか

 うつ病は、運動不足と関連しており慢性的な身体健康状態に影響を及ぼしている可能性があるが、うつ病に対する心理学的介入と、身体活動促進のための行動変容技術(たとえば行動活性化療法[BA]など)を組み合わせた介入は、ほとんど行われていない。英国・エクセター大学医学部のClaire Pentecost氏らは、心理療法アクセス改善(IAPT)プログラム内で予備的な無作為化比較試験を実施し、参加者の募集やデータ収集に困難はあったものの、被験者は概してBAおよび身体活動促進(BAcPAc)の自助パンフレットに関心を持ち、身体活動促進に意欲を示したことを明らかにした。無作為化比較試験の実施に当たってはいくつかの課題も浮き彫りとなり、著者らは「大規模臨床試験を行うためには、これらの課題をよく理解し解決する必要がある」とまとめている。Trials誌オンライン版2015年8月20日号の掲載報告。

AZ、2015年欧州がん学会においてオンコロジー研究の進展を発表

 アストラゼネカ(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、同社のグローバルバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンとともに、オーストリア、ウィーンで開催された2015年欧州がん学会(ECC)(2015年9月25~29日)において、AZD9291、durvalumab、olaparibのデータを含む19本の口頭およびポスター発表により、過去に発表された結果の確認・補完的解析ならびに新たなデータが提供されたと発表した。

糖尿病黄斑浮腫と脂質異常症との関連、その真偽は?

 糖尿病黄斑浮腫(DME)は糖尿病患者の視力障害を引き起こすが、その発症・進展のリスク因子として、脂質異常症が知られている。アイルランド・クィーンズ大学のRadha Das氏らは、DMEと脂質異常症との関連を調べる目的でシステマティックレビューを行った。その結果、症例対照研究のメタ解析では血清脂質とDMEの強い関連を示唆するエビデンスが得られたものの、前向き無作為化比較試験のみのメタ解析ではその関連が確認されなかったことを明らかにした。

COPDの新薬スピオルト レスピマット、製造販売承認取得

 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:青野吉晃、以下「日本ベーリンガーインゲルハイム」)は、2015年9月28日、1日1回吸入のCOPD治療配合剤スピオルト レスピマット28吸入、同60吸入(一般名:チオトロピウム臭化物水和物/オロダテロール塩酸塩製剤)(以下、スピオルト)が、慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解(長時間作用性吸入抗コリン剤及び長時間作用性吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)を適応として、日本で製造販売承認を取得したことを発表した。

クロザピン誘発性好中球減少症、アデニン併用で減少:桶狭間病院

 クロザピンで問題となる好中球減少症。桶狭間病院の竹内 一平氏らは、クロザピン誘発性好中球減少症を予防するためのアデニンの有用性を検討した。その結果、アデニンがクロザピン誘発性好中球減少症による治療中止率を減少させることを報告した。Clinical psychopharmacology and neuroscience誌2015年8月号の報告。

カフェインとアスピリンの併用は頭痛の頻度を増加させない

 カフェインとアスピリンの併用は、アスピリン単独または鎮痛薬不使用と比較して頭痛の頻度を増加させないことが、ドイツ・エッセン大学病院のSara H. Schramm氏らによるドイツ・頭痛コンソーシアム研究において示された。カフェインと鎮痛薬の併用は、頭痛慢性化のリスクがあるとして議論の的となっていた。Pain誌2015年9月号の掲載報告。

抗精神病薬でけいれん発作リスクが増大する疾患は

 スイス・バーゼル大学のMarlene Bloechliger氏らは、統合失調症、情動障害、認知症患者における抗精神病薬の使用と初回けいれん発作発生との関連を検討した。その結果、情動障害患者では、中~高力価第1世代抗精神病薬の使用は抗精神病薬非服用に比べけいれん発作のリスクを2.5倍に増加したが、その他の抗精神病薬使用とけいれん発作との関連は認められなかった。また認知症患者では、アミスルプリド、アリピプラゾール、リスペリドン、スルピリドを除く抗精神病薬で、その使用がけいれん発作リスクを増大させる所見が示されたことを報告した。CNS Drugs誌2015年7月号の掲載報告。

ホルモン受容体陽性早期乳がん対象のpalbociclib大規模国際共同第III相試験

 2015年8月26日-Alliance Foundation Trials, LLC(AFT)、オーストリア乳がん・結腸直腸がん研究グループ(ABCSG)、ファイザー社は、PALLAS(Palbociclib Collaborative Adjuvant Study:Palbociclibの術後補助療法に関する共同研究)試験を開始したことを発表した。この国際共同第III相臨床試験は、早期乳がん患者を対象としたもので、Breast International Group(BIG)、German Breast Group(GBG)、National Surgical Adjuvant Breast and Bowel Project(NSABP)、およびPrECOG, LLC(PrECOG)と共同で実施される。

統合失調症、心臓突然死と関連するプロファイルは

 統合失調症患者の心臓突然死(SCD)には、心血管プロファイルと服用する抗精神病薬の因子のほかに、身体的攻撃性が重大なリスク因子として関与していることが明らかにされた。台湾市立病院精神科医療センターのPing-Yi Hou氏らが、大規模患者コホート研究にて、SCDの発生率とリスク因子を調査し報告した。統合失調症患者は早期死亡リスクが高く、その潜在的要因としてSCDへの注目が増していた。Schizophr Research誌オンライン版2015年7月22日号の掲載報告。

「第14回 With You Tokyo ~あなたとブレストケアを考える会~」開催のご案内

 With You ~あなたとブレストケアを考える会~は、10月25日(日)に「第14回 With You Tokyo ~あなたとブレストケアを考える会~」を東京にて開催する。同会は、ブレストケアの質の向上を図るために、患者およびその家族と乳腺診療に携わる多職種の方々が同じ土俵に立って意見を交わすことのできる会で、患者や家族のケアに目を向け、地域に根ざした活動を行っている。これまで、全国7ヵ所(北海道・東北[仙台]・東京・名古屋・関西[大阪]・九州[福岡]・沖縄)で開催されており、東京での開催は14回目を迎える。

冬の高齢者の血圧上昇、暖房の指導が有効

 冬季の心血管疾患による死亡率増加の原因の1つに、寒冷曝露によって引き起こされる血圧上昇がある。寒冷曝露を減らすよう、医師が家庭での暖房使用を指導することは実現可能な選択肢であるが、有効性は不明である。奈良県立医科大学の佐伯 圭吾氏らは、その有効性を調査するため、冬季にオープンラベル単純無作為化比較試験を実施した。その結果、暖房使用の指導により室内温度が有意に上昇し、高齢者の自由行動下血圧が有意に低下した。このことから、家庭の暖房に関する指導が冬季の心血管系疾患発症予防に短期的に有効であることが示唆された。Journal of hypertension誌オンライン版2015年9月12日号に掲載。

うつ病へのボルダリング介入、8週間プログラムの成果は

 うつ病は、先進国における最も一般的な疾患の1つである。そして、うつ病患者の身体活動は、重要な治療介入であると考えられる。ロッククライミングやボルダリングは、うつ病治療に有用であると考えられる多くの側面を有しているが、うつ病患者に対するボルダリングのグループ介入の研究はほとんど行われていなかった。ドイツ・フリードリヒ・アレクサンダー大学エアランゲン=ニュルンベルクのKatharina Luttenberger氏らは、ボルダリングによる心理療法的介入の8週間プログラムを開発し、その介入効果を評価した。BMC psychiatry誌2015年8月25日号の報告。

浴槽内アルコール関連死の疫学

 浴槽内での死亡は、50歳以上の習慣的に飲酒をする人、とくにアルコール関連の胃腸疾患を持つ人で多いことが、東京都監察医務院の鈴木 秀人氏らによる研究で明らかになった。浴槽内での死亡を減少させるためには、これらの人々をターゲットに予防戦略を立てるべきであると考えられる。日本アルコール・薬物医学会雑誌2015年4月号の報告。

2つのADHD治療薬、安全性の違いは

 英国・サウサンプトン大学のSamuele Cortese氏らは、注意欠如・多動症(ADHD)児におけるメチルフェニデートとアトモキセチンの有害事象(AE)発現状況を比較検討した。その結果、アトモキセチンはメチルフェニデートに比べ、軽度AEおよび重度AEとも有意に高頻度であることを報告した。CNS Drugs誌オンライン版2015年8月21日号の掲載報告。