認知症高齢者5人に1人が抗コリン薬を使用 認知症を有する人に対する抗コリン薬の使用は、認知機能に悪影響を及ぼす。しかし、米国のコミュニティベースにおける認知症高齢者の抗コリン薬治療の頻度やその使用に関連する因子については、これまでほとんど検討されていなかった。米国・ヒューストン大学のSneha D. Sura氏らは、認知症高齢者における抗コリン薬の使用状況と使用に関連する因子を明らかにすることを目的に、米国民の非入院患者の代表的な集団であるMedical Expenditure Panel Surveys (MEPS)の2005~2009年のデータをレトロスペクティブに解析した。その結果、認知症高齢者の5人に1人が抗コリン薬を使用しており、その使用に気分障害、尿失禁および居住地域が関連していることを報告した。Drugs & Aging誌オンライン版2013年7月24日号の掲載報告。
腹部への転移性皮膚がんが増大、腹腔内臓器のがんと関連? 韓国・カトリック大学校のChul Hwan Bang氏らは、1990年代と2000年代の転移性皮膚がんの動向を調査した。韓国では、がん罹患率は全体的に増大してきているが(10万人当たり1999年210.5、2007年254.5)、部位別にみると増大にはバラつきがあり、両年代間で罹患率上位を占めるがんに変動がみられていた(たとえば、甲状腺がんと大腸がんは増大したが、子宮頸がんは減少)。Bang氏らは、それに伴い転移性皮膚がんにも変化が考えられるとして本調査を行った。
アルツハイマー情報サイト公開 米ADEARの日本語版 臨床研究情報センターは1日、アルツハイマー病に関する正しい知識の普及およびその理解の推進を図ることを目的に、『アルツハイマー病情報サイト』(http://adinfo.tri-kobe.org/)を公開した。
抗てんかん薬レベチラセタム、日本人小児に対する推奨量の妥当性を検証 レベチラセタム(商品名:イーケプラ)の日本人小児への投与量について、1回10~30mg/kg・1日2回が、日本人成人に推奨されている投与量である1回500~1500mg・1日2回に相当することを、ベルギー・UCB Pharma社のNathalie Toublanc氏らが解析を行い報告した。レベチラセタムは、成人および小児(生後1ヵ月以上)のさまざまなタイプのてんかん症状に有効な第2世代の抗てんかん薬。これまで、日本人小児への推奨投与量は検討されていなかった。Drug Metabolism and Pharmacokinetics誌オンライン版2013年7月23日号の掲載報告。
ビタミンDが健康に及ぼす影響(まとめ) 近年、ビタミンDが健康、疾病に及ぼす影響を検証した臨床研究結果がケアネット・ドットコムでも散見されるようになってきた。そこで今回、編集部ではビタミンDに関する記事をまとめてみることにした。後半のいくつかはケアネット・ドットコムで初めて紹介するものも含まれている。
うつ病の寛解、5つの症状で予測可能:慶應義塾大学 大うつ病性障害(MDD)の寛解予測について、特定の抑うつ症状の早期改善が指標として有用である可能性が、慶應義塾大学病院精神・神経科の櫻井 準氏らによる解析の結果、示された。これまで、MDDのアウトカムの予測に際して、個々の抑うつ症状が検討の材料となるのか明らかではなかった。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2013年7月22日号の掲載報告。
腰椎手術では減圧術より固定術で心イベントの発現率が高い 脊椎手術における周術期死亡の主たる原因は、心イベントである。米国・ラッシュ大学メディカルセンターのSteven J. Fineberg氏らは、大規模データベースを用いたレトロスペクティブ研究により、腰椎手術後の心合併症の発現頻度を調べた。その結果、心イベントの頻度は1,000例当たり6.7件であり、減圧術より固定術施行例において高く、リスク因子は「高齢」であることを明らかにした。
統合失調症の治療に伴う性機能障害、カベルゴリンにより改善 臨床的に安定している統合失調症患者に対するカベルゴリン(商品名:カバサールほか)の投与は、精神病理状態に悪影響を及ぼすことなく性機能を改善する可能性があることが、Christina S. Kalkavoura氏らによる検討の結果、示唆された。また本検討により、高プロラクチン血症の重症度に見合ったカベルゴリンの投与量も明らかになった。Experimental and Clinical Psychopharmacology誌オンライン版2013年7月8日号の掲載報告。
円形脱毛症患者は酸化ストレスや過酸化脂質が有意に増大 円形脱毛症の人は、そうでない人と比較して、活性酵酸素(ROC)の増大に伴う酸化ストレスや過酸化脂質が有意に増大していることが、エジプト・ミヌーフィーヤ大学病院のOla Ahmed Bakry氏らによるケースコントロール試験の結果、明らかにされた。ROCや過酸化脂質の増大は、多くの皮膚傷障害で認められ、円形脱毛症においては、ROCの産生が毛包周囲の炎症性細胞で増大することが知られていた。
医療介護多職種交流会 第2回MLB+(メディカルラーニングバープラス)のご案内 一般社団法人LINKは、8月25日に医療・介護現場で働く方々を対象に、学びのイベント「医療介護多職種交流会 第2回MLB+(メディカルラーニングバープラス)」を開催する。
プレゼンにおけるベストなCOI開示方法は?~AAOSを例に~ プレゼンテーションの前にスライドを提示して潜在的な利益相反(COI)の開示を行うことは、聴衆が提示されたデータを批判的に評価するためにほとんどの整形外科学会で行われており、インターネットサイトやプログラム集でたびたび補完されている。これまで、このスライドのフォーマットの忠実性や有用性は調査されておらず、その方法で本来の目的が達成されているのかどうかは、明らかになっていなかった。今回、メイヨークリニックのSassoon AA氏らは、2012年アメリカ整形外科学会(AAOS)年次総会において潜在的利益相反の開示状況について調査した。
トップアスリートは、うつ病の頻度が高い オーストラリア・ディーキン大学のHammond Thomas氏らは、競泳の精鋭選手(エリートアスリート)におけるうつ病の発生状況を評価した。その結果、上位25%にいる選手集団はうつ病の頻度が2倍高く、成績不良がうつ病と有意に関連していることを報告した。結果を踏まえて著者は、「エリートアスリートは、とくに成績不良がきっかけとなり、うつ状態に陥りやすい。選手のメンタルヘルスを考慮し、適切なタイミングで的確なサポートをすることが重要である」と結論している。Clinical Journal of Sport Medicine誌2013年7月号の掲載報告。
慢性腰痛に対するタネズマブの有効性および安全性 神経成長因子(NGF)を阻害するヒト化モノクローナル抗体であるタネズマブ(tanezumab、国内未発売)について、慢性腰痛に対する有効性と安全性をプラセボおよびナプロキセンと比較した後期第II相臨床試験の結果が発表された。
抗精神病薬の等価換算は正しく行われているのか 統合失調症の治療において、異なる抗精神病薬の比較や切り替えを行う場合、等価換算が重要となる。この等価換算の方法は、比較試験のデザインでも重要となるが、現時点ではゴールドスタンダードと呼べる方法はないことを、英国・キングス・カレッジ・ロンドンのMaxine X. Patel氏らが、システマティックレビューの結果、報告した。そのため、抗精神病薬の直接比較試験では過大評価も過小評価も起こりうる可能性があるとして、著者は「臨床試験では必ず、等価換算についてその方法を選択した理由を明記すべきである」と述べている。Schizophrenia Research誌オンライン版2013年7月8日号の掲載報告。
細菌性のCOPD急性増悪では好中球中の活性酸素が増加 細菌性のCOPDの急性増悪では、非細菌性の急性増悪に比べ、好中球中の活性酸素が著しく増加することが、リトアニア大学病院呼吸器・免疫学科のMindaugas Vaitkus氏らにより報告された。さらに、これらは局所炎症が強く引き起こされたことによる炎症反応とみられ、細菌性のコロナイゼーションが原因である可能性にも言及している。Inflammation誌オンライン版2013年7月20日号の掲載報告。
わきが治療としての経皮的エタノール注入療法 わきが(腋臭症)治療として、経皮的エタノール注入療法(PEI)が有効かつ安全であることが報告された。中国医学科学院 中国協和医科大学のX. Han氏らが、PEI治療者165例に対して行った調査の結果で、術後の追跡調査(中央値14.5ヵ月)で、9割を超える人が治療成果に満足していることが示されたという。
医師自ら医賠責に加入 その背景にあるものは? 病院賠償責任保険(以下、医賠責)は施設側が加入するのが通常であるが、個人で加入する医師が増えているという。ケアネットが12日に行ったケアネット・ドットコム会員の勤務医1,000人へのアンケート調査から、勤務医の7割以上が医賠責に個人で加入していることがわかった。その背景には、いつどんな場面で訴訟に巻き込まれるかわからず、病院のみならず担当医も連名で告訴されるなど、患者サイドから訴訟の対象とされる行為の多様化があるという。
統合失調症の陰性症状と関連する「努力コスト」の障害とは? 統合失調症の陰性症状である動機づけ障害は、努力コスト(effort cost)の算出機能の障害と関連している可能性を、米国・メリーランド大学のJames M. Gold氏らが報告した。結果を踏まえて著者は「努力コストは、徐々に意欲を蝕む可能性があるようだ」と結論している。Biological Psychiatry誌2013年7月15日号の掲載報告。
有痛性の糖尿病性神経障害の医療費低減の鍵はプレガバリンと服薬アドヒアランスの向上 有痛性糖尿病性末梢神経障害(pDPN)の治療において、高齢で服薬アドヒアランスが高く維持されている患者の場合で医療コストを比較した結果、プレガバリン(商品名:リリカ)の服用患者で総医療費が低いことが明らかになった。
ニコルスキー現象と広範囲にわたる浸潤を認めたら フランス・アンリモンドール病院群パリ公立支援病院(APHP)のJ. Chanal氏らは、線状IgA水疱性皮膚症(LABD)について、薬剤誘発性と自然発症的なものとの比較を行った。その結果、薬剤誘発性LABDのほうがより重篤であり、病変部は中毒性表皮壊死症に似ていることなどを明らかにした。British Journal of Dermatology誌オンライン版2013年7月1日号の掲載報告。