中等度早産児へのカフェイン投与継続、入院期間を短縮するか/JAMA

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2025/05/14

 

 中等度早産児(在胎期間29週0日~33週6日で出生)に対するカフェイン投与の継続は、プラセボ投与と比較して入院期間の短縮には至らなかったことが、米国・アラバマ大学バーミングハム校のWaldemar A. Carlo氏らEunice Kennedy Shriver National Institute of Child Health and Human Development Neonatal Research Networkによる無作為化試験「MoCHA試験」の結果で示された。中等度早産児に最も多くみられる疾患の1つに未熟児無呼吸発作がある。カフェインなどのメチルキサンチン製剤が非常に有効だが副作用が生じる可能性があり、必要以上に投与を継続すべきではないとされる。2024年に発表されたメタ解析では、早産児へのカフェイン中止戦略の有益性と有害性に関するデータは限定的であることが示され、カフェイン投与の短期的および長期的な影響のさらなる評価が求められていた。JAMA誌オンライン版2025年4月28日号掲載の報告。

無作為化後の退院までの期間を評価

 研究グループは、2019年2月~2022年12月に米国の29病院で、カフェイン療法の延長が入院期間を短縮するかを評価する無作為化試験を行った。対象は、在胎期間29週0日~33週6日で出生し、(1)無作為時の月経後年齢が33週0日~35週6日、(2)カフェイン投与を受けており投与中止の計画があり、(3)120mL/kg/日以上の経口栄養および/または経管栄養を受けている新生児とした。
 対象児は退院後28日まで、経口カフェインクエン酸塩(10mg/kg/日)投与を受ける群またはプラセボ投与を受ける群に無作為に割り付けられ、追跡評価を受けた(フォローアップ完了は2023年3月20日)。
 主要アウトカムは、無作為化後の退院までの期間。副次アウトカムは、生理的発達(無呼吸発作が連続5日間なく、完全経口栄養を受けており、少なくとも48時間保育器から出ている)までの日数、退院時の月経後年齢、あらゆる要因による再入院およびあらゆる疾患による受診、安全性アウトカム、死亡などであった。

補正後群間差中央値0日、生理的発達までの日数も短縮せず

 事前に規定された無益性閾値の検出に必要とされた被験者登録は878例であったが、計827例(在胎期間中央値31週、女児414例[51%])が無作為化(カフェイン群416例、プラセボ群411例)された時点で登録は早期に中止された。
 無作為化から退院までの入院日数は、カフェイン群18.0日(四分位範囲[IQR]:10~30)、プラセボ群16.5日(10~27)で群間差はなく(補正後群間差中央値:0日[95%信頼区間[CI]:-1.7~1.7])、また生理的発達までの日数も差は認められなかった(14.0日vs.15.0日、補正後群間差中央値:-1日[95%CI:-2.4~0.4])。
 カフェイン群の新生児は無呼吸発作消失までの期間が短縮したが(6.0日vs.10.0日、補正後群間差中央値:-2.7日[95%CI:-3.4~-2.0])、完全経口栄養を受けるようになるまでの期間は同程度であった(7.5日vs.6.0日、0日[-0.1~0.1])。再入院および疾患による受診は両群で差はなかった。
 有害事象については、両群間で統計学的有意差は認められなかった。

(ケアネット)