6ヵ月~5歳児へのモデルナワクチン、第II/III相中間解析/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2022/10/28

 

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のmRNA-1273ワクチン(モデルナ製)25μgの2回接種は、生後6ヵ月~5歳の小児において安全であり、免疫原性は18~25歳の若年成人に対して非劣性であることが認められた。米国・エモリー大学医学部のEvan J. Anderson氏らが、6ヵ月~12歳未満の小児を対象に実施している第II/III相試験「KidCOVE試験」の6ヵ月~5歳児のコホートにおける中間解析結果を報告した。同試験の6~12歳未満のコホートにおける中間解析結果は、すでに報告されている。NEJM誌オンライン版2022年10月19日号掲載の報告。

25μgの2回接種の有効性を18~25歳群と比較

 KidCOVE試験では、米国の79施設およびカナダの8施設において、生後6~23ヵ月、2~5歳、6~12歳未満の3つの年齢コホートに分け参加者を登録し、パート1として非盲検用量漸増試験、パート2で評価者盲検無作為化プラセボ対照試験が実施された。

 まずパート1において、2~5歳児224例にmRNA-1273ワクチン25μg(75例)または50μg(149例)、生後6~23ヵ月児150例には全例に25μgを28日間隔で2回接種した。その結果を受けて、パート2における接種用量は、両年齢コホートとも25μgが選択された。

 パート2では、2~5歳児4,048例および6~23ヵ月児2,355例を、それぞれmRNA-1273ワクチン群(それぞれ3,040例、1,762例)またはプラセボ群(1,008例、593例)に3対1の割合で無作為に割り付け、25μgを28日間隔で2回接種した。

 主要評価項目は、ワクチンの安全性と反応原性、ならびに第III相COVE試験(18歳以上、100μg×2回接種)における18~25歳の若年成人コホートと比較した免疫原性の非劣性の検証、副次評価項目はCOVID-19および新型コロナウイルス(SARS-CoV-2感染)の発生率であった。

推定有効率、6~23ヵ月児50.6%、2~5歳児36.8%

 パート2における2回目接種後の追跡期間中央値は、2~5歳児コホートで71日、6~23ヵ月児コホートで68日であった。

 有害事象の大部分は一過性のGrade1または2であり、新たな安全性の懸念は特定されなかった。データカットオフ日までに死亡、心筋炎・心膜炎・小児多系統炎症性症候群の発生はなかった。

 57日時点の中和抗体幾何平均値は、2~5歳児コホートで1,410(95%信頼区間[CI]:1,272~1,563)、6~23ヵ月児コホートで1,781(1,616~1,962)であり、第III相COVE試験の若年成人コホート1,391(1,263~1,531)に対する非劣性を達成した。

 COVID-19(米国疾病予防管理センターの定義)の発生は、2~5歳児コホートでワクチン群4.6%(119/2,594例)、プラセボ群7.1%(61/858例)、6~23ヵ月児コホートでそれぞれ3.4%(51/1,511例)、6.6%(34/513例)に認められ、ワクチンの推定有効率は2~5歳児コホートで36.8%(95%CI:12.5~54.0)、生後6~23ヵ月児コホートで50.6%(21.4~68.6)であった。

(医学ライター 吉尾 幸恵)