COVID-19ワクチン接種完了者、変異株に感染/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2021/04/30

 

 新型コロナワクチンを2回接種後にも、新型コロナウイルスへのブレイクスルー感染が認められ、変異株への感染があることが確認された。米国・ロックフェラー大学のEzgi Hacisuleyman氏らが、同大学職員で新型コロナワクチン「BNT162b2」(Pfizer-BioNTech製)または「mRNA-1273」(Moderna製)を2回接種した417人について調べた結果で、うち女性2人にブレイクスルー感染が認められたという。NEJM誌オンライン版2021年4月21日号掲載の報告。

2021年1月21日~3月17日のPCR検査結果を分析

 ロックフェラー大学の全職員および学生(約1,400人)は2020年秋から、少なくとも週1回PCR検査を受けている。研究グループは、2021年1月21日~3月17日に、ニューヨーク州の適格規制に従い「BNT162b2」または「mRNA-1273」ワクチンの2回接種を受けた職員417人のPCR検査結果を調べた。

 対象者は、調査期間よりも2週間以上前にワクチン接種を受けていたが、2人の女性について、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の症状が出現し、PCR検査の結果でSARS-CoV-2陽性が示された。

COVID-19の症状あり、PCR陽性、変異株が検出

 患者1は、51歳女性でCOVID-19の重症化リスク因子はなし。日常生活上の予防措置は順守していた。1月21日に「mRNA-1273」ワクチンの1回目接種を、2月19日に2回目接種を受けた。2回目接種の10時間後にインフルエンザ様の筋肉痛が発症したが翌日に解消している。2回目ワクチン接種から19日後の3月10日に喉の痛み等を呈し、大学でPCR検査を受けSARS-CoV-2陽性が確認された。翌11日に嗅覚を消失したが、1週間ほどで症状は解消していったという。

 患者2は、65歳の健康な女性でCOVID-19の重症化リスク因子はなし。1月19日に「BNT162b2」ワクチンの1回目接種を、2月9日に2回目接種を受けており、接種した腕の痛みが2日間続いたことが示されている。3月3日、ワクチン未接種のパートナーがSARS-CoV-2陽性。3月16日に患者2に倦怠感、副鼻腔うっ血、頭痛の症状が現れ、ワクチン接種から36日後の3月17日に体調不良を訴え、検査の結果、SARS-CoV-2陽性が確認された。症状はそれ以上悪化せず、3月20日から回復に向かったという。

 両患者のウイルスのシークエンシング解析の結果、臨床的重要性があると考えられる変異株、E484Kが1人から、3種の変異株(T95I、del142-144、D614G)が両者から検出された。

 こうした観察結果から、研究グループは、ワクチン接種後にもCOVID-19発症リスクがあり、さらに変異株へ感染する可能性もあることが示唆されたとし、「ワクチン接種後にも、COVID-19の予防と、同感染の診断、さらに変異株の特定を続ける取り組みが重要であることが確認された」としている。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)

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コメンテーター : 山口 佳寿博( やまぐち かずひろ ) 氏

東京医科大学 呼吸器内科 客員教授

健康医学会附属 東都クリニック