新型コロナ感染の川崎病様小児患者、大半で心機能障害/NEJM

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2020/07/09

 

 米国ニューヨーク州では5月上旬時点で、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)への感染が認められた小児発症性多系統炎症症候群(MIS-C)は95例に上ったことが、米国・ニューヨーク州保健局(New York State Department of Health:NYSDOH)のElizabeth M. Dufort氏らによる調査により明らかにされた。そのほとんどで、C反応性蛋白(CRP)値、Dダイマー値、トロポニン値が上昇し、心機能障害との関連が認められたという。MIS-Cは、皮膚・皮膚粘膜症状、消化器系症状を伴うhyperinflammatory syndromeで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)との関連が示唆されており、NYSDOHでは、同症状を呈した入院患者の記述的サーベイランスを州全体で強化していたという。NEJM誌オンライン版2020年6月29日号掲載の報告。

川崎病、MIS-C疑い例など21歳未満の入院患者を対象に調査

 研究グループは、2020年3月1日~5月10日にNYSDOHに報告された川崎病、毒素性ショック症候群、心筋炎、およびMIS-Cが疑われる21歳未満の入院患者を対象に調査を行った。

 NYSDOHのMIS-C症例基準に適合した患者について、臨床症状、合併症、アウトカムを要約した記述的分析を行った。

ICU治療は80%、昇圧剤サポートは62%

 2020年5月10日時点で191例の症例がNYSDOHに報告された。

 このうち、MIS-Cと診断(急性または最近のSARS-CoV-2感染が検査で確認)されたのは95例、また臨床・疫学的基準に適合しMIS-Cの疑いがあると判断された症例が4例で、54%(53例)が男性だった。人種別では、31/78例(40%)が黒人、31/85例(36%)がヒスパニック系だった。年齢別では、0~5歳が31例(31%)、6~12歳が42例(42%)、13~20歳が26例(26%)だった。

 全例で主観的な発熱または寒気があり、頻拍は97%、消化器系症状は80%、発疹は60%、結膜充血は56%、粘膜変化は27%にそれぞれ認められた。

 CRP値、Dダイマー値、トロポニン値の上昇は、それぞれ100%、91%、71%で認められた。昇圧剤サポートを要したのは62%、心筋炎のエビデンスが認められたのは53%、集中治療室(ICU)での治療を要したのは80%、死亡は2例だった。

 入院期間の中央値は6日だった。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)