新たな結核ワクチン、投与36ヵ月後の有効性は?/NEJM

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 結核菌(M. tuberculosis)に感染した成人において、M72/AS01Eワクチン接種は免疫応答を誘導し、少なくとも3年間は肺結核の発症を予防することが認められた。米国・国際エイズワクチン推進構想のDereck R. Tait氏らが、結核菌に対するM72/AS01Eワクチンの有効性、安全性および免疫原性を検討したプラセボ対照第IIb相臨床試験の3年間の最終解析結果を報告した。初期解析の結果では、M72/AS01Eワクチンは結核菌に感染した成人において安全性に懸念はなく、活動性肺結核の発症を54%防ぐことが示されていた。NEJM誌オンライン版2019年10月29日号掲載の報告。

結核菌潜伏感染成人を対象にM72/AS01Eの有効性をプラセボと比較
 研究グループは2014年8月~2015年11月の期間に、ケニア、南アフリカ共和国、ジンバブエの医療施設において、結核菌に感染(インターフェロンγ遊離試験で陽性)しているが活動性結核症の徴候がない18~50歳の成人を登録し、M72/AS01E群またはプラセボ群に1対1の割合で無作為に割り付け、それぞれ1ヵ月間隔で2回投与し、2回目の投与後3年間追跡した。

 主要評価項目は、M72/AS01Eの有効性で、第一定義(ヒト免疫不全ウイルスと関連がない細菌学的に確認された肺結核症)による活動性肺結核症の予防で評価した。臨床的に結核が疑われた場合は、喀痰を用いたPCRまたはマイコバクテリア培養、あるいはその両方の検査で確認し、体液性および細胞性免疫反応は300例のサブグループにおいて36ヵ月まで評価した。安全性の解析は、M72/AS01Eまたはプラセボを少なくとも1回投与されたすべての被験者を対象とした。

36ヵ月時点のワクチンの有効性は49.7%
 計3,575例が無作為化され、そのうち3,573例が少なくとも1回のM72/AS01Eまたはプラセボの投与を受け、3,330例が計画された2回の投与を受けた。

 according-to-protocol解析(有効性解析対象集団3,289例)の結果、M72/AS01E群では1,626例中13例、プラセボ群では1,663例中26例で、第一定義に合致した結核の発症を認めた(発症率0.3/100人年vs.0.6/100人年)。36ヵ月時点におけるワクチンの有効性は、49.7%であった(90%信頼区間[CI]:12.1~71.2、95%CI:2.1~74.2)。

 M72/AS01E群では、M72特異的抗体の濃度とM72特異的CD4陽性T細胞の発現頻度が、初回投与後に増加し、追跡期間を通して維持された。重篤な有害事象、免疫の関与が疑われる疾患および死亡の発生頻度は、両群で同程度であった。

 著者は「さまざまな地域、人種、年齢層で、インターフェロンγ遊離試験陰性例を組み込んだより大規模で長期的な試験で検証する必要がある」とまとめている。

(医学ライター 吉尾 幸恵)

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