疼痛コントロール不良の変形性関節症にtanezumabが有効/JAMA

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 標準的鎮痛薬による痛みのコントロールが不十分な中等症~重症の股関節・膝変形性関節症(OA)患者において、ヒト化モノクローナル抗体tanezumabはプラセボと比較して、疼痛や身体機能などを有意に改善することが、米国・ノースウェスタン大学のThomas J. Schnitzer氏らによる多施設共同無作為化二重盲検試験の結果、示された。一方で改善はわずかで、治験薬投与を受けた患者の関節に関する安全性イベントおよび全関節置換の発生はより多かった。結果を踏まえて著者は、「さらなる研究を行い、今回示された有効性および有害事象の所見の臨床的重要性を確認する必要がある」と述べている。JAMA誌2019年7月2日号掲載の報告。

tanezumabを1日目、8週目に計2回投与
 研究グループは2016年1月~2018年5月14日(最終患者受診日)にかけて、中等症~重症の股関節/膝OAで、OA鎮痛薬による疼痛コントロールが不十分であり、急速に進行するOAなど、事前に規定した関節の安全性に関する状態がX線像で認められなかった18歳以上の患者698例を対象に試験を行った。

 被験者を無作為に3群に分け、第1日目と第8週目にtanezumab 2.5mgを皮下投与(231例)、第1日目にtanezumab 2.5mgを、第8週目に同5mgを投与(233例)、第1日目と第8週目にプラセボ投与(232例)を、それぞれ実施した。

 主要評価項目は、(1)ベースラインから第16週までのWOMAC(Western Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index)疼痛サブスケール(0[痛みなし]~10[極度の痛み])の変化、(2)WOMAC身体機能サブスケール(0[問題なし]~10[極度に困難])の変化、(3)患者によるOAの総合的評価(patient global assessment of osteoarthritis[PGA-OA]、1[非常に良好]~5[非常に不良])の変化だった。

WOMAC疼痛・身体機能スコア、PGA-OAともにtanezumabで有意に改善
 被験者698例のうち試験薬の投与を1回以上受けた例は696例(平均年齢:60.8歳[SD 9.6]、女性65.1%)、試験を完了したのは582例(83.6%)だった。

 ベースラインから第16週までのWOMAC疼痛スコアは、tanezumab 2.5mg群が7.1から3.6へ、tanezumab 2.5/5mg群が7.3から3.6へ、プラセボ群が7.3から4.4へ、それぞれ低下した。対プラセボ群との最小二乗平均差は、tanezumab 2.5mg群-0.60(95%信頼区間[CI]:-1.07~-0.13、p=0.01)、tanezumab 2.5/5mg群-0.73(同:-1.20~-0.26、p=0.002)だった。

 同期間のWOMAC身体機能スコア平均値は、tanezumab 2.5mg群が7.2から3.7へ、tanezumab 2.5/5mg群が7.4から3.6へ、プラセボ群が7.4から4.5へとそれぞれ低下した。プラセボ群との差は、tanezumab 2.5mg群が-0.66(95%CI:-1.14~-0.19、p=0.007)、tanezumab 2.5/5mg群が-0.89(-1.37~-0.42、p<0.001)だった。

 同期間のPGA-OAスコアも、tanezumab 2.5mg群が3.4から2.4へ、tanezumab 2.5/5mg群が3.5から2.4へ、プラセボ群が3.5から2.7へ減少した。プラセボ群との差は、tanezumab 2.5mg群が-0.22(同:-0.39~-0.05、p=0.01)、tanezumab 2.5/5mg群が-0.25(-0.41~-0.08、p=0.004)だった。

 なお、急速進行OAの発生がtanezumab治療群にのみ認められた(2.5mg群5例[2.2%]、2.5/5mg群1例[0.4%])。全関節置換術を行ったのは、tanezumab 2.5mg群は8例(3.5%)、tanezumab 2.5/5mg群が16例(6.9%)、プラセボ群は4例(1.7%)だった。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)

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