PAD患者の歩行指導、ウエアラブル活動モニターは有用?/JAMA

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ケアネット

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 末梢動脈疾患(PAD)の患者に対する、ウエアラブル活動モニターと電話でのコーチングによる歩行指導において、そうした装置の使用や指導を行わない通常のケアと比較し、9ヵ月後の歩行機能の改善効果は認められなかった。また、患者報告による痛みに関するスコアについて、歩行指導の介入群で悪化が認められた。米国・ノースウエスタン大学フェインバーグ医学院のMary M. McDermott氏らが、PAD患者200例を対象に行った試験で明らかにしたもので、JAMA誌2018年4月24日号で発表した。

コーチによる歩行訓練と目標設定、家庭ではウエアラブル活動モニターを装着
 研究グループは、2015年6月~2017年4月にかけて、米国3ヵ所の医療センターを通じて、PAD患者200例を対象に無作為化比較試験を開始し、2017年12月まで追跡した。

 被験者を無作為に2群に分け、一方は4回にわたり、医療センターでコーチによる歩行訓練と目標設定などに関する週1回の指導を受けた(99例)。その後、ウエアラブル活動モニターを装着して家庭で歩行訓練を行い、その間、週1回~月1回の頻度で電話による指導を受けた。もう一方の群には、活動モニターの使用や医療センターにおける指導、コーチによる電話指導などは行わない、通常のケアのみを行った(101例)。

 主要評価項目は、9ヵ月後の6分間歩行距離の変化だった(臨床的に重要な変化の最小量[MCID]:20m)。副次的評価項目は、歩行障害質問票(WIQ、スコア0~100、最高100)、SF-36身体機能スコア、患者の自己報告アウトカム尺度(PROMIS)の可動性(スコア高値ほど良好、MCID:2点)・社会的役割の満足度・痛みの影響に関する質問項目(スコア低値ほど良好、MCID範囲:3.5~4.5点)や、客観的に測定された身体活動性だった。

6分間歩行距離の変化平均値、対照群が約14mで介入群は約6m
 被験者のうち、9ヵ月の追跡を完了したのは182例(91%)だった。被験者の平均年齢は70.2歳(SD 10.4)、女性は105例(52.5%)だった。

 9ヵ月後の6分間歩行距離の変化平均値は、通常のケアを受けた対照群が14.4mに対し、介入群は5.5mと対照群に比べ改善は認められなかった(群間差:-8.9m、95%信頼区間[CI]:-26.0~8.2、p=0.31)。

 さらに介入群では、9ヵ月後のPROMISの痛みの影響に関するスコアが悪化したことが認められた。平均スコア変化は対照群-2.8に対し、介入群は0.7だった(群間差:3.5、95%CI:1.3~5.8、p=0.002)。

 なお、WIQスコア、SF-36身体機能スコア、PROMIS可動性・社会的役割の満足度スコアについては、いずれも両群で有意差はなかった。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)

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