強化血糖コントロールは血管系転帰を改善:ADVANCE

提供元:ケアネット

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公開日:2008/06/25

 

本論は、2型糖尿病の大規模試験ADVANCE(the Action in Diabetes and Vascular Disease:Preterax and Diamicron Modified Release Controlled Evaluation)研究グループによる、2型糖尿病患者に対する強化血糖コントロールの、血管系転帰に与える影響の検討結果。NEJM誌2008年6月12日号(オンライン版2008年6月6日号)に掲載された。同日掲載されたACCORD研究グループでは、「血糖降下強化療法は死亡率を高め心血管イベント減へのベネフィットはない」と結論していたが、ADVANCE研究グループからは反対の見解が報告されている。

経口血糖降下薬で強化血糖コントロール




2型糖尿病患者1万1,140例を、標準血糖コントロールと強化血糖コントロールに無作為に割り付け、強化コントロールでは、糖化ヘモグロビン値が6.5%以下になるように、SU系経口血糖降下薬グリクラジドと、必要に応じて他剤を併用した。

主要転帰は、主要大血管イベント(心血管系の原因による死亡、非致死的な心筋梗塞または脳卒中)と主要細小血管イベント(腎症、網膜症の発現または悪化)の複合とし、合同評価と個別評価を行っている。

腎症発生率21%低下で主要血管系イベントの複合転帰10%低下




中央値5年の追跡調査の結果、糖化ヘモグロビン平均値は、強化コントロール群(6.5%)のほうが標準コントロール群(7.3%)より低く、主要大血管と細小血管イベントの複合発生率も、強化群(18.1%)のほうが標準群(20.0%)より低下した(ハザード比:0.90、95%信頼区間:0.82~0.98、P=0.01)。

主要細小血管イベント単独でみた場合も、強化群のほうが標準群より低下した(9.4%対10.9%、ハザード比:0.86、95%信頼区間:0.77~0.97、P=0.01)。これは主に、腎症発生率が低下したためで(4.1%対5.2%、0.79、0.66~0.93、P=0.006)、網膜症に対する有意な効果は認められていない(P=0.50)。

血糖コントロール方法が違っても、主要大血管イベントや心血管系の原因による死亡に有意な影響はなかったことも確認された。強化コントロール群の主要大血管イベントのハザード比0.94(95%信頼区間:0.84~1.06、P=0.32)、同心血管系の原因による死亡のハザード比0.88(0.74~1.04、P=0.12)、同全死因死亡は0.93(0.83~1.06、P=0.28)。

ただし重篤な低血糖症は、件数はまれだが強化群のほうが、発生率が高かった(2.7%対1.5%、ハザード比:1.86、95%信頼区間:1.42~2.40、P<0.001)。

以上から、同報告は「SU系経口血糖降下薬と他剤を併用する強化血糖コントロールにより、糖化ヘモグロビン値は6.5%に低下し、主要大血管イベントと細小血管系イベントの複合転帰に10%の相対的低下がもたらされた。主因となったのは腎症の相対的低下で21%にのぼった」と結論付けている。

(武藤まき:医療ライター)