アブレーションは発作性心房細動の第一選択になりうるか/JAMA

提供元:ケアネット

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公開日:2014/02/28

 

 未治療の発作性心房細動(AF)患者に対する高周波アブレーションvs. 抗不整脈薬治療について検討した結果、高周波アブレーションのほうが2年時点の心房性頻脈性不整脈の発生率が低かったことが、カナダ・マックマスター大学のCarlos A. Morillo氏らによる無作為化試験の結果、示された。現行ガイドラインでは、発作性AFの第一選択治療は抗不整脈薬治療が推奨され再発減少に有効である一方で、高周波アブレーションは抗不整脈薬治療に失敗した場合の第二選択治療として推奨されている。しかしながら先行研究では、第一選択治療としての位置づけをさらに検討すべきであることを示唆する報告がなされていた。JAMA誌2014年2月19日号掲載の報告より。

欧米16施設、127例を対象に無作為化試験

 研究グループは、抗不整脈薬未治療の発作性AF患者における第一選択治療として、高周波アブレーションが抗不整脈薬治療よりも優れるかを検討する第二次Radiofrequency Ablation vs Antiar- rhythmic Drugs for Atrial Fibrillation Treatment(RAAFT-2)試験を行った。

 ヨーロッパと北米16の医療施設で被験者登録を行い(2006年7月27日~2010年1月29日)、127例の患者が無作為化を受け、抗不整脈薬治療群に61例が、高アブレーション群に66例が割り付けられ、無作為化後90日間のブランク期間を含む24ヵ月間のフォローアップを受けた(最終フォローアップは2012年2月16日)。

 主要アウトカムは、ブランク期間を除く治療後21ヵ月間に記録された、30秒以上の初回心房性頻脈性不整脈発生(定期あるいは非定期に行った心電図、ホルター心電図、トランステレフォニックモニター、リズムストリップ法で確認)までの期間であった。副次アウトカムには、症候性の心房性頻脈性不整脈の再発とEQ-5D法によるQOL評価などが含まれた。

治療後の初回心房性頻脈性不整脈発生、アブレーション群のHRは0.56

 結果、主要有効性アウトカムの発生は、抗不整脈薬群44例(72.1%)、アブレーション群36例(54.5%)だった(ハザード比[HR]:0.56、95%信頼区間[CI]:0.35~0.90、p=0.02)。

 副次アウトカムについては、症候性AF、心房粗動、心房性頻脈の再発がみられたのは、抗不整脈薬群59%、アブレーション群47%であった(HR:0.56、95%CI、0.33~0.95、p=0.03)。

 死亡または脳卒中は、いずれの群でも報告されなかったが、アブレーション群で4例の心タンポナーデが報告された。

 なお標準治療(抗不整脈薬)群のうち26例(43%)が、1年後にアブレーションを受けている。

 QOLは試験開始時、両群とも中等度に損なわれていたが、1年後のフォローアップ時には改善がみられた。ただし、両群間に有意差は認められなかった。

専門家はこう見る

コメンテーター : 山下 武志( やました たけし ) 氏

心臓血管研究所 所長