片頭痛をもつ子ども、乳児疝痛歴の頻度が高い/JAMA

提供元:ケアネット

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公開日:2013/04/26

 

 片頭痛をもつ6~18歳の小児、青少年は、片頭痛のない子どもに比べ乳児疝痛歴を有する割合が有意に高いことが、フランス・ロベール・ドゥブレ病院のSilvia Romanello氏らの検討で明らかとなった。出生後1ヵ月以内の乳児における手のつけられない号泣の原因の多くは疝痛で、一般に疼痛症候群とみなされている。一方、子どもの頭痛の主な原因に片頭痛があるが、乳児疝痛とその後の片頭痛発症の関連は知られていないという。JAMA誌2013年4月17日号掲載の報告。

乳児疝痛と小児片頭痛の関連を症例対照試験で評価
 研究グループは、乳児疝痛と小児片頭痛の関連の可能性を評価する目的で症例対照試験を実施した。

 対象は、フランスとイタリアの3つの3次医療施設の救急部を受診し、片頭痛と診断された6~18歳の小児であった。同時期に軽度の外傷で参加施設の救急部を受診した同年齢の小児を対照とした。

 調査票を用いて参加者から乳児疝痛歴を聴取し、健康手帳で病歴を確認した。疝痛と片頭痛の関連の特異度を検証するために、緊張性頭痛と診断された患者の検討も行った。

片頭痛小児の乳児疝痛歴は非片頭痛小児の6倍以上
 2012年4月~6月までに、208人の片頭痛小児(年齢中央値10.1歳、男児122人)と471人の対照(9.0歳、280人)が登録された。緊張性頭痛患者は120人(10.1歳、65人)であった。

 片頭痛をもつ小児は片頭痛のない小児に比べ乳児疝痛歴を有する割合が有意に高く(72.6 vs 26.5%、オッズ比[OR]:6.61、95%信頼区間[CI]:4.38~10.00、p<0.001)、前兆期なしの片頭痛小児(142人、73.9 vs 26.5%、OR:7.01、95%CI:4.43~11.09、p<0.001)、前兆期ありの片頭痛小児(66人、69.7 vs 26.5%、OR:5.73、95%CI:3.07~10.73、p<0.001)の双方で有意差が認められた。

 緊張性頭痛患者では対照群との間にこのような関連はみられなかった(35 vs 26.5%、OR:1.46、95%CI:0.92~2.32、p=0.10)。

 著者は、「6~18歳の小児、青少年において、片頭痛と乳児疝痛の有意な関連が確認された。今後は、縦断的試験を行ってこれらの関連を検証する必要がある」と結論づけている。

(菅野守:医学ライター)