BMIに基づく青少年の「やせ」の新定義

提供元:ケアネット

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公開日:2007/08/10

 

青少年における栄養失調は公衆衛生上の重要課題である。栄養失調は、身長の割に体重が低い「痩身(wasting)」よりも、年齢の割にbody mass index(BMI)が低い「やせ(thinness)」として評価すべきであるが、青少年の「やせ」に関するBMIの適切なカットオフ値は明確ではない。

 イギリス・ロンドン大学児童保健研究所小児疫学・統計学センターのTim J. Cole氏らは、18歳時のBMIに基づいて青少年のやせを定義し、そのカットオフ値を決定するための検討を行った。BMJ誌6月25日付オンライン版、7月28日付本誌掲載の報告から。

成長に関する国際的な横断的研究


本試験は、6ヵ国(ブラジル、イギリス、香港、オランダ、シンガポール、アメリカ)の参加のもとに実施された成長に関する大規模な横断的研究であり、25歳までの男性9万7,876名、女性9万4,851名が解析の対象となった。主要評価項目はBMI(体重/身長×身長、kg/m2)。

世界保健機構(WHO)は成人のgrade 2のやせをBMI<17で定義しているが、同じカットオフ値を18歳のデータセットに適用すると、平均BMIはzスコア-2および中央値の80%に近似した。この値は既存の体重と身長に基づく児童の痩身の判定基準に一致した。

国際的な青少年のやせのカットオフ値は18歳時のBMI 17


個々のデータセットを解析したところ、やせに関するBMIのカットオフ値は18歳時の17 kg/m2と算出された。これはWHOの定義における成人のgrade 2のやせのカットオフ値と一致する。同様に、18歳時のBMI 16、18.5もカットオフ値であることが明らかとなった。

以上により、Cole氏は「青少年のやせの国際的な定義の基準として、18歳時のBMI 17が適切なカットオフ値である」と結論している。

同氏は、これらの知見に基づき、児童のやせをgrade 1(BMI 17~18.5)、grade 2(BMI 16~17)、grade 3(BMI<16)に分類している。また、「新定義を用いて青少年の栄養状態を世界規模で直接的に比較することを推奨したい。これらのカットオフ値は、やせに関する成人と青少年の統一定義や、過体重および肥満の国際的な定義の策定にも利用できるだろう」と考察している。

(菅野 守:医学ライター)