米国病院救急部門の患者滞在時間、地域セーフティネット病院か否かで格差なし

提供元:ケアネット

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公開日:2012/02/14

 



米国の病院救急部門における患者の滞在時間は、地域のセーフティネットを担う病院と、そうでない病院とで有意な差はないことが報告された。米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のChristopher Fee氏らが、全米約400の病院について調べ明らかにしたもので、JAMA誌2012年2月1日号で発表した。Fee氏らは、セーフティネット病院がメディケイドや無保険患者を多く受け入れることで医療パフォーマンス、特にP4Pに重大な影響が及んでいる可能性を考慮し本研究を行った。

被験者の4割がセーフティネット病院で治療




研究グループは、全米の病院救急部門に関する調査「National Hospital Ambulatory Medical Care Survey 」(NHAMCS)の2008年のデータを元に、米国疾病予防管理センター(CDC)の基準で、セーフティネットを担う病院とそうでない病院に分類し、救急部門滞在時間を比較した。なおセーフティネットのための滞在時間の推奨基準は、入院(8時間か480分)、退院、転院、経過観察は4時間か240分と規定されていた。

回答を寄せた病院は396ヵ所、3万4,134人分の患者のデータが入手できた。そのうち、18歳未満の患者や、滞在時間データなどが欠けている患者データは、除外した。

分析対象とした2万4,719件の患者データのうち、セーフティネットを担う病院の救急部門で治療を受けた分は42.3%、非セーフティネット病院分は57.7%だった。
入院、退院、経過観察、転院のいずれも、有意な差はみられず




セーフティネット病院救急部門の、入院患者の滞在時間中央値は269分(四分位範囲:178~397)だった。これに対し、非セーフティネット病院では281分(同:178~401)で、両者に有意差はなかった。

その他、退院患者、経過観察患者、転院患者のそれぞれの救急部門滞在時間の中央値のいずれも、セーフティネット病院と非セーフティネット病院では同等だった。

セーフティネットであることは、規定された滞在時間の遵守に関する独立因子ではなかった。セーフティネット病院の非セーフティネット病院に対する遵守の各オッズ比は、入院0.83、退院1.03、経過観察1.05、転院1.30で、精神病患者の退院についてのみ1.67(同:1.02~2.74)と有意な差が認められた。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)