心筋梗塞患者の初回経皮的冠動脈介入には血栓吸引の併用を

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ST上昇型心筋梗塞患者に対する初回経皮的冠動脈介入(PCI)は、梗塞責任動脈の開通に効果的だが、介入で生じたアテローム血栓の破片が微小血管を閉塞し、心筋再潅流を減少させることがある。このため初回PCIで血栓吸引(Thrombus Aspiration)を併用することが、従来のPCI処置より優れているのではないか。オランダ・フローニンゲン大学病院のTone Svilaas氏らが検証した。NEJM誌2008年2月7日号より。

1,071例の無作為化試験で優劣を評価




初回PCIで手動血栓吸引の併用と従来型PCIの優劣を評価するために、患者1,071例を、冠動脈造影前に血栓吸引群と従来型PCI群にランダムに割り付け無作為化試験を行った。

評価は、アテローム血栓物質の組織病理学的な所見が見られた場合、吸引成功とみなし、また臨床転帰だけでなく、血管造影と心電図による心筋再潅流の徴候の評価も行われた。

主要エンドポイントは、心筋ブラッシュグレード(Myocardial Blush Grade=MBG)0または1(再潅流なしか最小限)とした。

血栓吸引は再潅流、臨床転帰ともに良好




「MBG 0または1」だったのは、「従来型PCI群」では26.3%だったが「血栓吸引群」では17.1%だった(P<0.001)。

ST上昇の完全寛解はそれぞれ44.2%、56.6%。ただしこの利点は、事前に予想された共変量の基線レベル内にあり、両手技の異質性を示すものとは言えないと報告している。

30日目に「MBG 0または1」「MBG 2」「MBG 3」の各患者の死亡率はそれぞれ5.2%、2.9%、1.0%だった(P = 0.003)。

有害事象の発現率はそれぞれ14.1%、8.8%、4.2%(P<0.001)。組織病理学検査によって、血栓吸引は72.9%の患者で成功したことが確認された。

血栓吸引はST上昇型の心筋梗塞患者の大多数に適用でき、ベースラインの臨床的、血管造影的な特徴にかかわりなく、従来型PCIより良好な再灌流と臨床転帰に帰着すると結論付けている。

(朝田哲明:医療ライター)

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