24時間ナトリウム排泄量、少な過ぎる場合も心血管イベントリスク上昇

提供元:ケアネット

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公開日:2011/12/06

 



24時間尿中ナトリウム排泄量は、少なすぎる場合も、多い場合と同様に、心血管死や心血管イベント発生リスクが上昇することが明らかになった。また、24時間尿中カリウム排泄量については、その量が多くなるほど、脳卒中リスクが低下することが示された。カナダ・McMaster大学ハミルトン総合病院公衆衛生部門のMartin J. O’Donnell氏らが、3万人弱について行った観察研究の結果から報告したもので、JAMA誌2011年11月23・30日号で発表した。

朝空腹時の検査値から24時間排泄量を予測、心血管イベントとの関連を分析




研究グループは、2001年11月~2008年3月に行われた2つの試験(ONTARGET、TRANSCEND)の被験者、合わせて2万8,880人について観察研究を行った。

朝空腹時の尿中ナトリウム値、カリウム値を調べ、24時間のナトリウム、カリウム排泄量を算出し、Cox比例ハザードモデルを用いて、24時間尿中ナトリウム、カリウム排泄量と、心血管イベント、死亡率との関連を分析した。

その結果、試験開始時の24時間尿中ナトリウム排泄量予測値の平均値は、4.77g(標準偏差:1.61)、同カリウム排泄量予測値の平均値は、2.19g(同:0.57)だった。

追跡期間中(中央値56ヵ月)の、心血管死は2,057人、心筋梗塞は1,412人、脳卒中は1,282人、うっ血性心不全による入院は1,213人で、それらを合わせた複合アウトカムの発生は4,729人(16.4%)だった。

心血管イベントについて、ナトリウム排泄量はJカーブ示す




24時間尿中ナトリウム排泄量が4~5.99gの基準群(1万4,156人)では、心血管死発症率は6.3%、心筋梗塞が4.6%、脳卒中が4.2%、うっ血性心不全による入院が3.8%だった。

同排泄量がより高い人は、心血管死リスクが増大し、同値7~8g/日でハザード比は1.53、同値8g超/日で同ハザード比は1.66だった。心筋梗塞発症リスクについては、同値8g超/日で同ハザード比は1.48、脳卒中では同ハザード比1.48、うっ血性心不全による入院は同ハザード比1.51だった。

一方で、24時間尿中ナトリウム排泄量が基準群より低い場合も、心血管死などのリスクが増大し、心血管死に関するハザード比は、同値2~2.99g/日で1.19、2g未満/日で1.37だった。また、うっ血性心不全による入院リスクについても、同値2~2.99g/日でハザード比1.23だった。

24時間尿中カリウム排泄量は、1.5g/日を基準に、同値が上がるにつれて脳卒中リスクは低下し、1.5~1.99g/日のハザード比は0.77、2~2.49g/日で0.73、2.5~3g/日で0.71、3g超/日で0.68だった。
(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)