初発心筋梗塞後のアスピリン+PPI、非PPI併用と比べ心血管イベントリスク1.46倍

提供元:ケアネット

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公開日:2011/06/03

 

 抗血栓薬とプロトンポンプ阻害薬(PPI)との併用は抗血栓効果を減弱し心血管リスクを高めるとの報告に大きな注目が集まっているなか、デンマーク・コペンハーゲン大学病院循環器部門のMette Charlot氏らが、アスピリンとPPIの併用による心血管リスクについて、同国内診療データを基に後ろ向き解析を行った。初発心筋梗塞後で同併用を受けている患者について調査した結果、有害心血管イベントリスク上昇との関連が認められたと報告している。BMJ誌2011年5月21日号(オンライン版2011年5月11日号)掲載より。

デンマーク国内30歳以上の診療データを基に後ろ向き傾向スコア適合研究

 Charlot氏らは、初発心筋梗塞後でアスピリン治療を受けている患者の重大心血管イベント発生について、PPIの影響を評価することを目的に、デンマーク国内全病院の診療データを基にした後ろ向き傾向スコア適合研究を行った。

 被験者は、1997~2006年の間に30歳以上で、初発心筋梗塞を発症し退院後30日間生存、その間にアスピリンの処方を受けた全患者とし、退院後1年間追跡した。クロピドグレル(商品名:プラビックス)の処方を受けた患者は除外した。

 主要転帰は、心血管死・心筋梗塞再発・脳卒中の複合エンドポイントとし、PPI使用との関連をKaplan-Meier分析法、Cox比例ハザードモデル、傾向スコア適合Cox比例ハザードモデルを用いて解析を行った。

PPI併用者の特徴は、高齢、女性、複数投与、より多くの共存症

 試験適格患者は1万9,925人だった。そのうち3,366人(16.9%)に複合エンドポイント(心血管死・心筋梗塞再発・脳卒中)が認められた。

 試験適格患者のうち、PPI併用者は4,306例(21.6%)だった。PPI併用者は非併用者と比べ、高齢で、女性が多く、複数の薬物併用投与を受けており、より多くの共存症を有していた。

 時間依存型解析による、PPI併用者の非併用者に対する複合エンドポイント発生のハザード比は1.46(95%信頼区間:1.33~1.61、p<0.001)だった。

 傾向スコア適合モデル(8,318人)に基づく同ハザード比は1.61(同:1.45~1.79、p<0.001)だった。

 また感度解析の結果、アスピリンとH2ブロッカー併用ではリスク上昇との関連は示されなかった(ハザード比:1.04、95%信頼区間:0.79~1.38、p=0.78)。