CRPそのものは、冠動脈心疾患の原因か?:約19万5,000人の遺伝学的メタ解析

提供元:ケアネット

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公開日:2011/03/04

 



血中C反応性蛋白(CRP)濃度自体は冠動脈心疾患の原因因子ではないことが、C Reactive Protein Coronary Heart Disease Genetics Collaboration(CCGC)による検討で示された。CRPの血中濃度は将来的な冠動脈心疾患のリスクと強力かつ持続的に相関するが、この関連性が両者の因果関係を反映するかは不明だ。一方、CRP関連遺伝子の変異はCRP濃度の代替指標として因果関係の判定の一助に使用可能とされる。これまでに実施された試験は、冠動脈心疾患におけるCRPの因果的な役割の可能性を評価するにはパワー不足で精密性にも欠けるという。BMJ誌2011年2月19日号(オンライン版2011年2月15日号)掲載の報告。

CRP遺伝子のSNP、血中CRP濃度、他のリスク因子の関連を評価




CCGCの研究グループは、CRP関連遺伝子の変異は、冠動脈心疾患におけるCRPの因果的な役割の評価において、血中濃度の非交絡的な代替指標として使用可能か否かについて検討した。

15ヵ国で実施された47の疫学試験の個々の患者データを用いて、遺伝学的なメタ解析を行った。冠動脈心疾患患者4万6,557人を含む19万4,418人において、CRP遺伝子の4つの一塩基多型(SNP)(rs3093077、rs1205、rs1130864、rs1800947)、血中CRP濃度、その他のリスク因子の程度の関連について解析を行った。

主要評価項目は、従来のリスク因子および個人内のリスク因子レベルの変動で調整した上での、血中CRP濃度自体のequivalent differenceのリスク比に対する遺伝学的なCRP上昇に関連した冠動脈心疾患のリスク比とした。

遺伝学的リスク比と、CRP濃度自体のリスク比に関連なし




個々のCRP遺伝子変異は、血中CRP濃度と最大で30%までの関連が認められた[p<10(−34)]が、他のリスク因子との関連はみられなかった。

CRP上昇と関連する対立遺伝子を一つ加えた場合の冠動脈心疾患のリスク比は、rs3093077が0.93(95%信頼区間:0.87~1.00)、rs1205が1.00(同:0.98~1.02)、rs1130864が0.98(同:0.96~1.00)、rs1800947は0.99(同:0.94~1.03)であり、有意な関連は認めなかった。

複合解析では、血中CRP濃度の自然対数リスク比が遺伝学的に1SD上昇するごとの冠動脈心疾患のリスク比は1.00(95%信頼区間:0.90~1.13)であった。

プロスペクティブ試験においては、血中CRP濃度の自然対数リスク比の1SD上昇ごとの冠動脈心疾患のリスク比は1.33(95%信頼区間:1.23~1.43)であった(差の検定:p=0.001)が、これは遺伝学的な知見とは一致しなかった。

著者は、「遺伝学的データにより、血中CRP濃度そのものは冠動脈心疾患の原因となる因子ではないことが示された」と結論している。

(菅野守:医学ライター)