前立腺癌肥満者の血液希釈とPSA濃度との関係

提供元:
ケアネット

前立腺癌肥満者の血液希釈とPSA濃度との関係のイメージ



肥満者の血清前立腺特異抗原(PSA)濃度が非肥満者より低いことが、最近の研究で示唆されている。デューク大学メディカルセンター(アメリカ)のLionel L. Banez氏らのグループは、ボディマス指数(BMI)の高い男性のほうが循環血漿量も多いので、肥満者の低PSAは血液希釈が原因かもしれないと仮定。検証結果をJAMA誌2007年11月21日号に報告した。

根治的切除術を受けた患者の後ろ向き研究を実施




血液希釈とPSAとの関連を前立腺癌の肥満者で判定するため、根治的前立腺切除術を受けた男性の後ろ向き研究を行った。3施設[Shared Equal Access Regional Cancer Hospital(n=1,373)、Duke Prostate Center(n=1,974)、Johns Hopkins Hospital(n=10,287)]で1988年から2006年までに手術を受けた患者のデータベースが用いられた。

主要評価項目は、平均PSA濃度、平均血漿量、平均PSA質量(全循環PSA蛋白、血漿量と掛け合わせて算出)とBMI値との関係。PSA質量は傾向のP値を決定することで評価された。結果は臨床病理学的な特性を制御した後、検証された。

高BMIと低PSAの相関を評価する前向き研究が必要と結論




すべてのコホートにおいて、高BMIと高血漿量とは有意に相関しており(傾向のP<0.001)、低PSAとも有意に相関していた(傾向のP≦0.02)。

3つのコホートのうち2つにおいて、PSA質量は、BMIの増加に伴う有意な変化はなかったが、残り1つのコホートでは、高BMIとPSA質量増加とに相関がみられた(傾向のP<0.001)。ただしBMI値25以下カテゴリーと他の各カテゴリーとの間だけにみられたものである。

Banez氏らは、「高BMIと高血漿量とは相関することが確認された。したがって、前立腺癌の肥満患者における低PSAの1つの原因として、血液希釈の可能性は十分に考えられる」と結論し、「この相関を評価するためスクリーニング集団での前向き研究を行う必要がある」と最後に提言した。

(朝田哲明:医療ライター)

掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。)

会員の方へ