抗肥満薬rimonabantによりうつ症状が増加の可能性

提供元:
ケアネット

抗肥満薬rimonabantによりうつ症状が増加の可能性のイメージ

米国食品医薬品局(FDA)に対し、同局の諮問委員会委員13名の全員一致で「非承認」を採択・答申した食欲抑制剤rimonabantの安全性に関し、Lancet誌11月17日号にメタ解析が掲載された。rimonabant服用例では抑うつ・不安による服薬中止がプラセボ群よりも有意に多いため「慎重な観察が必要である」と著者であるFrederiksberg Hospital(デンマーク)のRobin Christensen氏らは結論している。

約4,000例を対象にメタ解析




今回のメタ解析の対象としたのは、肥満例を対象にrimonabantと他剤・プラセボの体重減少作用を比較した無作為化二重盲検試験。結果としてRIO-Europe、RIO-Lipids,RIO-North America、RIO-Diabetes,の4試験が対象になった。それらの試験から、プラセボ群とrimonabant 20mg/日群の試験開始1年後のデータを抽出し、メタ解析を行った。rimonabant群2,503例、プラセボ群1,602例での比較となった。

体重は有意に減少したが……




その結果rimonabant群では1年間で体重が5.1kg、プラセボ群に比べ有意に低下した(95%信頼区間:3.57~7.31kg)。

その一方、rimonabant群では「重篤な抑うつ」の増加が見られた。「全ての抑うつ」で比較すると発現リスクはプラセボ群と同等だが、「服薬中止を必要とする抑うつ」の発現はrimonabant群で有意にリスクが高かった(26例/2,503例 vs 5例/1,602例、オッズ比:3.03、95%信頼区間:1.09~8.42)。
 一方「不安」は、服薬中止必要性の有無を問わず、rimonabant群で有意にリスクが増加していた。

なお「抑うつ」・「不安」の評価に用いられていたのは 病院不安・抑うつ尺度(HADS:Hospital anxiety and depression scales)である。

また「抑うつ」発現リスクと背景因子を検討したところ、「血中トリグリセライド(TG)値」と「年齢」がrimonabantによる「抑うつ」発現リスクと相関しており、高TG血症と高齢者が高リスクと考えられた。

大規模試験CRESCENDOの今後の結果次第では盛り返しも




「考察」において著者らも触れているとおり、冒頭のFDAの諮問委員会では開発社から提供されたデータを用い、同様のメタ解析を行っている。

それによると肥満例を対象とした試験に限ればrimonabant 20mg/日による自殺傾向惹起リスクはプラセボと有意差はなく(オッズ比:1.8,95%信頼区間:0.8~3.8)、rimonabant群6,802例例中、自殺者はなく、自殺未遂が4例だった。

ただしrimonabantは禁煙補助剤でもあるため、禁煙試験を含めて解析すると、自殺傾向の惹起リスクは1.9と有意に高かった(95%信頼区間:1.1~3.1)。

なお、冠動脈イベント高リスク患者に対するrimonabantの1次予防作用をプラセボと比較する大規模試験CRESCENDOが現在進行中であり、結果によっては再び、rimonabantの「リスク・ベネフィット」が話題になるだろう。

(宇津貴史:医学レポーター)

掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。)

会員の方へ