フェマーラの5年投与が術後療法としてタモキシフェンよりも優れる

スイス・ノバルティス社は、閉経後早期乳がん(ホルモン感受性)の患者に対する術後の「フェマーラ(一般名:レトロゾール)」の5年投与は、タモキシフェンに比べ至適な治療法であることを立証するデータがThe New England Journal of Medicine誌に掲載されたと発表した。ノバルティス ファーマ株式会社が28日に報告した。
このデータは、国際乳がん研究グループ(International Breast Cancer Study Group: IBCSG)が実施したBIG 1-98試験の最新の解析結果。手術後にフェマーラとタモキシフェンを順次切り替えて合計5年間投与するシークエンシャル治療が、フェマーラ5年間の単剤投与より優れているかを検討したシークエンシャル治療解析(Sequential Treatment Analysis: STA)の結果と、フェマーラまたはタモキシフェンの5年間単剤治療の有効性を検討した単剤治療群解析(Monotherapy Arms Analysis: MAA)の最新の結果も含まれているという。
STA解析の結果、乳がんの手術後に5年間、タモキシフェンとフェマーラを順次切り替えて投与するシークエンシャル治療は、術後5年間のフェマーラ単剤治療と比べ、無病生存の改善が認められなかったと結論付けられた。試験開始後10年の時点で実施したMAA解析によると、フェマーラの単剤治療は、タモキシフェンの単剤治療に比べ、長期にわたる無病生存の有意な改善(P=0.03)と遠隔転移リスクの有意な減少(P=0.05)が明らかになり、フェマーラの単剤治療を受けた患者では、タモキシフェンに比べ、死亡リスクが相対的に13%減少した(P=0.08)。
詳細はプレスリリースへ
http://www.novartis.co.jp/news/2009/pr20090828.html
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