米国・ニューヨーク医科大学のLeslie Citrome氏らは、双極症I型患者の長期維持療法としてのアリピプラゾール月1回投与製剤400mg(AOM 400)のベネフィット・リスク・プロファイルを、治療必要数(NNT)、有害必要数(NNH)、Likelihood of Harm to the Patient(LHH)というエビデンスに基づく指標を用いて評価するため、AOM 400の二重盲検ランダム化比較試験の事後解析を行った。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2026年7月1日号の報告。
データは、AOM 400とプラセボの有効性および安全性/忍容性を比較した52週間の二重盲検ランダム化中止試験より抽出した。主要有効性アウトカムは、すべての気分エピソードの再発が認められなかった患者の割合とした。主要安全性/忍容性アウトカムは、治療下で発現した有害事象(TEAE)による投与中止率とした。
主な結果は以下のとおり。
・全体として、52週時点でAOM 400群(132例)の73.5%およびプラセボ群(133例)の48.9%において、すべての気分エピソードの再発が認められなかった(NNT:5、95%信頼区間[CI]:3〜8)。
・躁病エピソード、混合性エピソード、うつ病エピソードの再発が認められなかった患者におけるNNTは、それぞれ5(95%CI:4〜9)、4(95%CI:3〜7)、および-116(有意差なし)であった。
・TEAEによる投与中止率は、プラセボ群(25.6%)と比較し、AOM 400群(17.4%)で低く、NNHは負の値であった。
・プラセボ群との比較におけるNNHを1,000と仮定した場合、52週時点におけるすべての気分エピソードの再発なしとすべてのTEAEによる投与中止を比較したLHHは200であった。
著者らは「双極症I型の長期維持療法としてAOM 400のベネフィット・リスク・プロファイルは、プラセボと比較し、良好であることが示唆された」としている。
(鷹野 敦夫)