高齢やフレイルのCLL患者、アカラブルチニブ単剤で高い奏効率(CLL-Frail)/Blood

提供元:ケアネット

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公開日:2025/09/11

 

 80歳以上の高齢やフレイルの慢性リンパ性白血病(CLL)患者を対象とした前向きのCLL-Frail試験の結果、アカラブルチニブ単剤治療により高い奏効率とフレイルの改善が認められた。また、予期しない安全性シグナルはみられず、重篤な有害事象はほとんどが感染症であったという。ドイツ・ケルン大学のFlorian Simon氏らがBlood誌オンライン版2025年9月4日号に報告した。

 CLL-Frail試験は、German CLL Study Groupによる医師主導国際多施設共同第II相試験である。本試験の対象は、ECOG PSが3以下で、80歳以上および/またはフレイルスケールスコアによりフレイルとみなされたCLL患者で、1ラインまで前治療が認められた。主要評価項目は6サイクル治療後の全奏効率(ORR)で、ORR≦65%とする帰無仮説を検証した。

 主な結果は以下のとおり。

・登録された53例中34例が治療継続中で、早期中止の最も多かった理由は有害事象(10例)で5例が死亡した。年齢中央値は81歳、47.2%がフレイルであった。
・3サイクル以上治療を受けた46例のORRは93.5%(95%信頼区間:82.1~98.6)であり、主要評価項目を達成した(p<0.001)。
・追跡期間中央値19ヵ月で、推定12ヵ月無増悪生存率および全生存率はそれぞれ93.3%、95.7%であった。
・53.5%の患者がフレイルの改善を自己申告した。
・全例に有害事象が認められ、重篤な有害事象(CTCAE 3以上)が63.5%で発現したが、重篤な出血イベントは認められず、心房細動はまれ(CTCAE 2/3が2例)であった。死亡した5例中4例は治療中または治療後28日以内に死亡し、うち3例は感染症/COVID-19が原因だった。

 著者らは、「慎重な患者選択と意思決定の共有が不可欠ではあるが、この試験における高い奏効率とフレイルの改善は、これまで十分な治療効果が認められていなかったこの年齢層でのアカラブルチニブによるブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害の顕著な有効性と実行可能性を強調している」と結論した。

(ケアネット 金沢 浩子)