砂糖/人工甘味料入りドリンクはアルツハイマー病リスクを高める可能性あり

提供元:ケアネット

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公開日:2025/07/17

 

 Lebanese UniversityのNagham Jouni氏らは、加糖ドリンク、人工甘味料入りドリンク、ソフトドリンクの摂取とアルツハイマー病リスクとの関連性を評価するため、プロスペクティブコホート研究のシステマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Aging & Mental Health誌オンライン版2025年6月13日号の報告。

 2024年9月までに公表された研究をPubMed、Scopus、Web of Scienceデータベースより網羅的に検索し、甘味料入りドリンクとアルツハイマー病リスクとの関連を報告した観察研究を抽出した。ランダム効果モデルを用いて、プールされた相対リスク(RR)および95%信頼区間(CI)を算出した。バイアスリスクの評価にはROBINS-Iツール、エビデンスの確実性の評価にはGRADEアプローチを用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・選択基準を満たした9件の研究のうち、7件をメタ解析に含めた。
・加糖ドリンクの摂取量増加とアルツハイマー病リスク上昇との関連が認められ(RR:1.49、95%CI:1.03〜2.15、I2=79.0%)、用量反応解析において線形関係が認められた。
・人工甘味料入りドリンクもアルツハイマー病リスクと正の相関が確認された(RR:1.42、95%CI:1.14〜1.78、I2=0.0%)。
・ソフトドリンクとの有意な関連は認められなかった(RR:1.13、95%CI:0.83〜1.55)。
・加糖ドリンク、人工甘味料入りドリンクにおけるエビデンスの確実性は、中程度であった。

 著者らは「加糖ドリンク、人工甘味料入りドリンクの摂取量増加は、アルツハイマー病リスクを上昇させる可能性がある。認知機能低下やアルツハイマー病予防には、砂糖の摂取量を減らすことを目的とした公衆衛生上の推奨事項の根拠を強化するためにも、このメカニズムを明らかにし、さらなる研究が求められる」と結論付けている。

(鷹野 敦夫)