睡眠時間が腎臓に及ぼす影響、週末2~3時間のキャッチアップ睡眠でCKDリスク低下

提供元:ケアネット

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公開日:2025/03/14

 

 中国・広西中医薬大学のSheng Chen氏らは、米国成人における週末のキャッチアップ睡眠と慢性腎臓病(CKD)との関連を調査した。Renal Failure誌2025年12月号の報告。

 対象は、2017〜20年の国民健康栄養調査(NHANES)データより抽出した20歳以上の成人4,934人。週末のキャッチアップ睡眠と関連したCKDリスクを評価した。週末のキャチアップ睡眠時間に基づくCKDリスクを評価するため、対象者を睡眠時間に応じて4群に分類した。週末のキャチアップ睡眠時間が1時間未満を対照群とし、1〜2時間群、2〜3時間群、3時間以上群との比較を行った。

 主な結果は以下のとおり。

・完全に調整した多変量ロジスティックモデルでは、CKDと週末のキャッチアップ睡眠のオッズ比(OR)は0.86(95%信頼区間[CI]:0.61〜1.22、p=0.31)であった。
・2〜3時間群において、CKDとの有意な関連が認められた(OR:0.44、95%CI:0.21〜0.88、p=0.03)。
・サブグループ解析では、キャッチアップ睡眠2〜3時間群の男女、2〜3時間群の60歳未満の成人、1時間未満群のBMI25〜29.9の人、2〜3時間群でBMIが25未満または30以上の人、平日の睡眠時間が7時間未満で週末のキャッチアップ睡眠時間が2〜3時間の人で、より強い負の相関が認められた(p<0.05)。
・BMIとの相互作用は、統計学的に有意であった(p for interaction=0.04)。

 著者らは「平日の睡眠時間が7時間未満の場合、週末に2〜3時間のキャッチアップ睡眠を行うことで、CKDリスクを低下させる可能性が示唆された」と結論付けている。

(鷹野 敦夫)