うつ病治療ガイドラインの実践状況を把握する客観的指標IFS

提供元:ケアネット

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公開日:2023/01/13

 

 日本うつ病学会の治療ガイドラインでは、うつ病の重症度別に推奨される治療法が定められている。治療ガイドラインは、実臨床で治療決定を促すためのツールとして用いられ、患者や医療従事者を支援するよう設計されている。精神科医療の普及と教育に対するガイドラインの効果に関する研究(EGUIDEプロジェクト)のメンバーである岩手医科大学の福本 健太郎氏らは、各患者がうつ病ガイドラインの推奨に従って治療を実践しているかを評価するための客観的指標として、個別フィットネススコア(IFS)を開発した。IFSは、個々の患者におけるガイドラインに基づく治療の実践状況を客観的に評価できることから、ガイドラインに準じた治療行動に影響を及ぼし、薬物療法を含めた日本におけるうつ病治療の標準化につながる可能性が期待できるとしている。Neuropsychopharmacology Reports誌オンライン版2022年11月16日号の報告。

 EGUIDEプロジェクトメンバーは、修正Delphi法を用いて、IFSを決定した。本IFSは、EGUIDEプロジェクトメンバーが所属する施設において2016~20年に治療を受け、退院したうつ病患者の治療に基づき開発された。また、入院時と退院時のIFSスコアの比較も行った。

 主な結果は以下のとおり。

・対象は、うつ病患者428例(57施設)。
・その内訳は、軽度うつ病患者22例、中等度/重度うつ病患者331例、精神病性うつ病患者75例であった。
・重症度別の平均IFSスコアは、中等度/重度うつ病患者において入院時よりも退院時のほうが統計学的に有意に高かった。
 【軽度うつ病】入院時:36.1±34.2 vs.退院時:41.6±36.9(p=0.49)
 【中等度/重度うつ病】入院時:50.2±33.6 vs.退院時:55.7±32.6(p=0.0021)
 【精神病性うつ病】入院時:47.4±32.9 vs.退院時:52.9±36.0(p=0.23)

(鷹野 敦夫)