HR+/HER2-進行乳がんへのCDK4/6阻害薬+フルベストラントのOS、FDAがプール解析/Lancet Oncol

提供元:ケアネット

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公開日:2021/11/02

 

 CDK4/6阻害薬は、ホルモン受容体陽性(HR+)/HER2陰性(HER2-)進行・再発乳がんの1次/2次治療における内分泌療法との併用で、米国・食品医薬品局(FDA)に承認されている。今回、FDAのJennifer J. Gao氏らがCDK4/6阻害薬とフルベストラントによる全生存期間(OS)のプール解析を行ったところ、患者全体および調査したほとんどの臨床病理学的サブグループでOSベネフィットが示された。Lancet Oncology誌オンライン版2021年10月14日号に掲載。

 この探索的解析では、フルベストラントとCDK4/6阻害薬もしくはプラセボを併用した3つの第III相無作為化試験の患者データを統合した。解析した患者はすべて18歳以上で、ECOG PS 0~1のHR+/HER2-進行・再発乳がんだった。患者全体のほか、ライン別(1次治療と2次治療以降)、臨床病理学的サブグループ別に解析した。

 主な結果は以下のとおり。

・3試験を統合すると、2013年10月7日~2016年6月10日に1,960例が登録され、うち12例が治療されず、CDK4/6阻害薬に1,296例(66%)、プラセボに652例(33%)が無作為に割り付けられた。
・治療を受けた患者(1,948例)において、OSの推定ハザード比(HR)は0.77(95%信頼区間[CI]:0.68~0.88)、追跡期間中央値は43.7ヵ月(四分位範囲[IQR]:37.8~47.7)で、935例(48%)が死亡した。推定OS中央値の差は7.1ヵ月で、CDK4/6阻害薬が良好だった。
・1次治療の内分泌療法でフルベストラントとCDK4/6阻害薬またはプラセボを併用された患者(2試験、396例)では、OSの推定HRは0.74(95%CI:0.52~1.07)、追跡期間中央値は39.4ヵ月(IQR:37.0~42.2)で、123例(31%)が死亡した。推定OS中央値の差は、CDK4/6阻害薬群のOS中央値が推定不能で(95%CI:50.9~NE)、算出できなかった。
・2次治療以降の内分泌療法でフルベストラントとCDK4/6阻害薬またはプラセボを併用された患者(3試験、1,552例)では、OSの推定HRは0.77(95%CI:0.67~0.89)、追跡期間中央値は45.1ヵ月(95%CI:39.2~48.5)で、812例(52%)が死亡した。推定OS中央値の差は7.0ヵ月で、CDK4/6阻害薬が良好だった。

(ケアネット 金沢 浩子)