男性のBRCA変異、1と2でがん発症に違い/JAMA Oncol

提供元:ケアネット

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公開日:2020/07/15

 

 生殖細胞系列BRCA1/2の病原性変異体(pathogenic variant:PV)を持つ男性のがん早期発見とリスク低減のために、イタリア・Sapienza University of RomeのValentina Silvestri氏らは、BRCA1BRCA2のそれぞれのPVキャリアにおけるがんスペクトルと頻度を調査した。その結果、がん発症者(とくに乳がん、前立腺がん、膵がん)および複数の原発腫瘍発症者は、BRCA1 PVキャリアよりBRCA2 PVキャリアである可能性が高かった。JAMA Oncology誌オンライン版2020年7月2日号に掲載。

 本研究は後ろ向きコホート研究で、Consortium of Investigators of Modifiers of BRCA1/2(CIMBA)を通じて共同研究している世界33ヵ国53グループにより、1966~2017年にがん遺伝学クリニックで集めた18歳以上の6,902人(BRCA1 PVキャリア3,651人、BRCA2 PVキャリア3,251人)が対象。臨床データと病理学的特徴を収集した。オッズ比(OR)はすべて、年齢、出身国、初回面接の暦年で調整した。

 主な結果は以下のとおり。

・対象の男性6,902人(年齢中央値:51.6歳、範囲:18~100歳)のうち、1,376人(19.9%)に1,634件のがんが診断され、1,376人中922人(67%)がBRCA2 PVキャリアであった。
・何らかのがんを発症した人は、BRCA1 PVキャリアよりBRCA2 PVキャリアの可能性が高く(OR:3.23、95%信頼区間[CI]:2.81~3.70、p<0.001)、原発腫瘍が2つ発症(OR:7.97、95%CI:5.47~11.60、p<0.001)および3つ発症(OR:19.60、95%CI:4.64~82.89、p<0.001)でも同様であった。
・乳がん(OR:5.47、95%CI:4.06~7.37、p<0.001)および前立腺がん(OR:1.39、95%CI:1.09~1.78、p=0.008)の頻度は、BRCA2 PVキャリアである可能性と関連していた。
・乳がん、前立腺がん以外では、膵がんがBRCA2 PVキャリアである可能性が高く(OR:3.00、95%CI:1.55~5.81、p=0.001)、大腸がんはBRCA2 PVキャリアである可能性が低かった(OR:0.47、95%CI:0.29~0.78、p=0.003)。

(ケアネット 金沢 浩子)