不眠症におけるデュアルオレキシン受容体拮抗薬とその潜在的な役割に関するアップデート 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/09/24 現在の不眠症に対する薬物治療は、すべての不眠症患者のニーズを十分に満たしているわけではない。承認されている治療は、入眠および睡眠維持の改善において一貫して効果的とはいえず、安全性プロファイルも複雑である。これらのことからも、追加の薬物療法や治療戦略が求められている。初期研究において、一部の不眠症患者に対して、デュアルオレキシン受容体拮抗薬(DORA)が追加の薬物治療選択肢として有用であると示されている。米国・セント・トーマス大学のKayla Janto氏らは、DORAとその潜在的な役割について、既存の文献を調査しアップデートを行った。Journal of Clinical Sleep Medicine誌2018年8月15日号の報告。 DORAに関する既存の文献は、PubMedデータベースより、「オレキシン受容体拮抗薬」「almorexant」「filorexant」「lemborexant」「スボレキサント」の検索キーワードを用いて検索を行った。検索対象は、英語の主要な研究論文、臨床試験、レビューに限定した。 主な結果は以下のとおり。 ・不眠症治療においてオレキシン受容体系を標的とすることは、より一般的に用いられるGABA作動性催眠鎮静薬治療に対する追加および代替的な薬物治療である。 ・現在の文献において、その有効性が示唆されているものの、まだ十分に確立されていない。 ・前臨床報告では、アルツハイマー病と不眠症を合併した患者に対する治療の可能性が示唆されている。 著者らは「DORAは、不眠症に対する追加の治療選択肢として使用可能である。いくつかの不眠症サブタイプにおいて、その安全性および有効性をきちんと評価するために、より多くの臨床試験が必要とされる。不眠症に対する既存治療とのhead-to-head比較研究が求められている」としている。 ■関連記事 日本人高齢不眠症患者に対するスボレキサントの費用対効果分析 不眠症へのスボレキサント切り替えと追加併用を比較したレトロスペクティブ研究 不眠症患者におけるスボレキサントの覚醒状態軽減効果に関する分析 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Janto K, et al. J Clin Sleep Med. 2018;14:1399-1408. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 オレキシン受容体拮抗薬を使用している日本人不眠症患者の特徴 医療一般 日本発エビデンス (2023/04/13) daridorexantの日本人不眠症患者に対する第III相ランダム化二重盲検プラセボ対症試験 医療一般 日本発エビデンス (2024/09/05) 不眠症に音楽療法が有用 医療一般 (2015/09/08) CareNet AcademiaによるAI生成記事 このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] TTR遺伝子サイレンサーは、ATTR-CMの転帰を改善するか/JAMA(2026/10/06) 心筋梗塞後の駆出率保持例、β遮断薬の中止は可能か/Lancet(2026/10/06) GLP-1受容体作動薬はdual agonistのステージへ―ベストパートナーはGIPか、グルカゴンか、それともアミリンか?(解説:住谷哲氏)(2026/10/06) 2型糖尿病の網膜症リスク低下、フェノフィブラートvs.スタチン(2026/10/06) 抗うつ薬は糖尿病リスクを増加させるのか(2026/10/06) MASLDの肝関連イベント、非侵襲的検査で個別予測可能か(2026/10/06) 緑膿菌肺炎、CFPM vs.TAZ/PIPC(2026/10/06) 光曝露は高齢者の睡眠の質や活動レベルと関連(2026/10/06) 脊髄くも膜下麻酔後の悪心・嘔吐――機械学習で関連因子を解析(2026/10/06) [ あわせて読みたい ] ミュンヘンの熱気とアスピリンの行方~PREMIUM試験が語る学会と雑誌の歴史学~【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第100回(2026/09/10) 外の海へ漕ぎ出せ!~血栓と出血の狭間で揺れる循環器内科医に届いた「1ヵ月」の福音~【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第99回(2026/08/21) 第51回日本骨髄腫学会学術集会:独占インタビュー(2026/04/28) 専門医が総合診療を使って成長する秘訣――50代からの学び直しのコツを教育のプロに聞く【ReGeneral インタビュー】第6回(2026/03/27) ケースで学ぶ輸液オーダー(2026/03/18) 僕はなぜ医者になったのか? 医療行政マンを原点に帰らせたある出来事「総合医育成プログラム」インタビュー【ReGeneral インタビュー】第5回(2026/02/25) キャリア中断後に見つけた 総合診療能力で専門性を強化する新しい診療スタイル【ReGeneral インタビュー】第4回(2026/02/05) 外科医のキャリア終盤に思い出した 何でも診られる医者への憧れ【ReGeneral インタビュー】第3回(2025/12/25) 50代半ばで精神科から一転・総合診療でへき地へ【ReGeneral インタビュー】第2回(2025/12/15) 「総合医育成プログラム」で広がる医師のキャリアと医療機関の未来【ReGeneral インタビュー】第1回(2025/11/24)